2021/10/23

上を下への大議論

 いきなり秋深まってきたのだ。
朝晩が寒い。
ついこの間まで暑いくらいでタオルケットだけでよかったのに、今ではお布団が必須だよね。
そして、それだけでは足らず、もう1枚くらい足したいところなのだ。
そこで出てくる問題が、「毛布は布団の上なのか下なのか」問題。
最近は「毛布は布団の上に掛けるのが正解」みたいのが広まってきているけど、実は、これはあまり性格ではないみたいなのだ。

調べてみると、一定の条件下ではこれは正しいのだけど、常に正しいというわけじゃないんだよね。
具体的に言えば、羽毛布団と化学繊維の毛布の場合は、布団の上に毛布がいいらいしのだ。
高級な羊毛の毛布なんかの場合はむしろ布団の下の方がいいらしいよ。
そして、そもそも羽毛布団じゃない場合、綿の布団の場合はどうするのがいのかあまり正解がないみたいなのだ・・・。
実験すればわかるようなものだし、ちょいちょい話題になるので誰かやっていても良さそうなんだけど、情報がないんだよね(笑)

この布団問題のポイントは、保温性と吸湿性みたい。
熱が逃げなければいいだけなら、それこそビニールシートでもかぶればいいわけだけど、それでは快適ではないんだよね。
なぜなら、人の体からは熱と一緒に蒸気も出ていて、その蒸気がこもると「蒸れる」から。
これが不快なので、ただただ保温性を高めるというのはだめなのだ。
吸湿性があって、出てきた蒸気はうまいこと外に出て行ってくれないといけないわけ。

化学繊維の毛布の場合、保温性は抜群なんだけど、吸湿性がないのだ。
洗濯するときにわかるけど、水を吸ってくれないんだよね。
そうなると、体の上に化学繊維の毛布を掛けると、熱とともに上記がこもることになるのだ。
さらにその上に布団が乗れば蒸れてしまうわけ。
逆に、羽毛布団は羽毛の間に多くの空気を含んでいて、これが断熱効果を発揮して保温性があるのだ。
でも、蒸気は通すので、吸湿性はあって蒸れない。
この上に化学繊維の毛布を乗せると、ちょっとずつ逃げていく熱が化学繊維の毛布にトラップされるので保温力が高まるのだ。
蒸気自体はいったん羽毛布団がいったん吸ってくれるので蒸れにくいのだ。
もちろん、羽毛布団の吸湿限界を超えるくらいの蒸気量だったり、長時間だったりすれば蒸れてくるけど、普通に人が寝ているくらいの場合には問題にならないみたい。
これが布団の上に毛布の仕組み。

では、なぜ羊毛の毛布だと布団の下がよいのか。
羊毛の毛布も羽毛布団と同じように保温性と吸湿性を併せ持つものなんだよね。
化学繊維のフリースは蒸れるけど、羊毛のセーターはさほど蒸れないのと同じ。
羊毛は繊維中に多くの空気を含むので、これが断熱効果を発揮するけど、蒸気は通すので蒸れにくいのだ。
そして、羊毛の場合、吸湿すると発熱する性質があるので蒸気があるとさらに保温力が高まる性質があるのだ。
なので、羊毛の毛布であれば布団の下にあった方がよいというわけ。

さて、では綿布団はどうするのがよいのか。
綿は、たくさんの空気を含むので断熱性は高いけど、吸湿性もあるんだけど、放湿性がないので、布団がじっとりと湿ってくるのだ。
これが不快の原因になるよ。
一方で、当然化学繊維よりは吸湿性はあるのだ。
なので、羽毛布団と同じように、羊毛の毛布なら布団の下、化学繊維の毛布なら布団の上がよいのだけど、羽毛布団と違って布団自体が重いからさらに何か乗せること自体が重苦しいんだよね。
というわけで、綿布団の場合は、むしろ寝間着を厚着した方がよいのだ(笑)

0 件のコメント: