2022/01/01

北極からの使者

今年の年末に大寒波がやってきた!
東京でも最低気温が零下。
日本海側では大雪・・・。
カナダでは最低気温が-50度になったとかいうニュースもあったけど、これは世界的な現象みたいだ。

実は、暖冬がなぜ起こるのかがよくわからないのとは対照的に、寒波についてはメカニズムがわかっているようなのだ。
それは、北極圏にある冷たい気団(北極気団)が膨張して南下してくるから。
この気団は膨張と収縮を繰り返していららしく、それを「北極振動」というそうなのだ。
で、膨張していくと、より低緯度地域もこの寒気団の影響下に入るんだけど、この寒気団ともともと南側にある暖気団の境界に寒帯前線ができ、そこで強風や降雪が発生するのだ。
それがまさに日本で起きている現象だよ。

もともと北極気団は北極圏をぐるりとまわって流れている寒帯ジェット気流に囲まれていて、この気流より南にはしみ出してこられないのだ。
ところが、北極圏まわりの高緯度高圧帯と、寒帯ジェット気流を挟んでその南側にある、日本列島を含む中緯度高圧帯の気圧差で、このジェット気流の強さが変わるのだ。
気圧差が大きいとジェット気流が強くなって膨張は食い止められる=寒波が来ない。
気圧差が小さいとジェット気流がよくなって寒気団が膨張して、寒気が南にしみ出してくる=寒波が来る。
この気圧差の変動は、数週間~数十年の複数の周期で似たようなパターンで変化しているので、実は寒波が来るかどうかもある程度予測できるのだ。
「振動」と呼ばれる現象の億は周期性があるんだよね。

日本の場合、北から寒気がしみ出してくると、まずは日本側地域がその影響下に入るのだ。
このとき、もともと日本上空にあった暖気団と境目で寒帯前線ができ、そこでは温帯低気圧が発生するのだ。
ここでは低気圧が発生しやすいだけでなく、発達も著しいので、強風や強い降水(寒波の場合は気温が低いので雪やヒョウ)が見られるよ。
ところが、日本列島の場合、日本海側と太平洋側の間にけっこう高い山脈が連なっているので、山脈の手前でひとしきり降水を終えて、乾いた寒気として太平洋側に吹き下ろすことになるのだ。
そうすると、日本海側では大雪、太平洋側は乾燥して極低温という寒波の状況になるよ。
で、この山脈を越えるほどの勢いになると、太平洋側地域でも大雪になるのだ。
関東で記録的大雪になるのはたいてい大寒波の時というわけだね。

もっと問題なのは、普段あまり雪が降らない地域だと、ちょっと積もっただけで大混乱するので、大雪になると都市機能が麻痺するのだ。
豪雪地帯だと屋根の角度が急で南側が大きくなっていたり、雪で扉がふさがれないように工夫がしてあったり、道路に融雪剤が置いてあったりとかするわけ。
こういうのがないところでは、屋根の雪がなかなかとけず、あるときどさっと落ちてきて人がけがする、ものを壊す。
雪でドアがふさがれて1Fから出られなくなるんだけど、2Fには出入りできるような扉がない。
道路が凍結してスリップしやすいけど、チェーンやスタッドレスタイヤなんて常備してないし、運転にも慣れていないので事故が多発するし、運転するときも徐行。
まさに東京がこれなんだよなぁ。

最近では、平成26年(2014年)の大雪が有名なのだ。
もともと関東でも2月には雪が降るけど、このときは2月上旬に投稿で30cmほどの積雪。
普段は数cmだから、その差は歴然!
足がずっぽりうまる感じだよね。
政府にも非常対策本部ができたほどだよ。

今回は関東は寒いだけだけど、滋賀の彦根なんかはすごいことになってるね。
もともと滋賀北部の米原にはスキー場もあるくらいで雪がないわけじゃないけど、彦根のような湖南地域はそこまでのせきせつがないのだ。
なので、かなりインパクトは大。
もともと雪がよく降る地域もいつも以上に降っているらしいから、被害は大きくなるかも。

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