2022/02/26

整いました!

最近、日本人の食事には圧倒的にタンパク質が不足しているので、積極的に摂りましょう、と言われているのだ。
確かに、ごはんに、麺類に、パンに、と主食にこだわる日本人の食事は炭水化物(糖質)ばかりだ・・・。
ボクも最近はサラダチキンやらちくわなどの練り物を積極的に食べるようにしているんだ。
そして、江戸時代から日本人の貴重なタンパク質源だったのが大豆。
豆腐や油揚げは手軽にタンパク質がとれる食品だよね。
さらに、食事にも合わせやすいのが豆乳。
味に好き嫌いがあるけど、乳糖不耐症で牛乳が苦手な人でも大丈夫だし、飲み物だから摂取しやすいのにけっこうタンパク質が入っている!!

で、最近豆乳をよく飲むようになったんだけど、ボクは豆乳の味自体は嫌いではないので、タンパク質量が多くてカロリーが低めの「無調整」を選んでいるのだ。
一般的なのは「調製豆乳」で、そのほか、コーヒー味などフレーバーのついた「豆乳飲料」があるんだよね。
これらは牛乳と同じように規格があって、厳密に区別されているみたい(日本農林規格、いわゆるJASだよ。)。
牛乳だと乳脂肪を取り除いたりするけど、豆乳の場合は何を「調整」しているのかいまいちよくわからないよね。

まず、豆乳は大豆を水に浸してすりつぶし、さらに水を加えて煮詰めた汁をこしたもの。
残りかすが「おから」なのだ。
タンパク質と脂肪分の多くは豆乳の中に出て、残った食物繊維がおから、とイメージするとわかりやすいのだ。
でも、この製法だと、水の量で豆乳の濃さがまちまちになるよね。
そこで、JASの規格では、無調整豆乳の条件として、最終的な大豆タンパク質含有率を3.8%以上としているよ。
かつ、大豆と水以外の原料は使ってはいけないのだ。
まさに豆の絞り汁というわけ。
で、この無調整豆乳の場合は、あたためてにがりを加えればかたまって豆腐になるし、そのまま火にかけて表面にできてくる膜をすくうと湯葉になるよ。
規格はあるけど、濃いのでないとうまくいかないので注意。

でも、この無調整豆乳って、大豆独特の風味というか、青臭さがあるのだ。
そして、少しえぐみがあるんだよね。
これらを苦手としている人がけっこういて、戦後までは豆乳をそのまま飲むことはあまりなかったみたい。
で、おいしく飲めるような製法ができてから広く広まってきたのだ。
それが、調味料などを加えて飲みやすくした「調製豆乳」。
ちなみに、最近では大豆の品種改良も進んで、青臭さやえぐみが抑えられたものもあって、無調整豆乳も飲みやすくなっているとか。

JAS上、調製豆乳に足してよい原料は、脱脂加工大豆(大豆油を取り除いたもの)、植物油と調味料。
大豆の青臭さは、大豆中に含まれる不飽和脂肪酸がもともと大豆の中にある酵素の作用でアルデヒドができることで出てくるのだ。
これは草刈りをしたときの青臭さと同じで、大豆を破砕して酵素が外に出てくることによって反応が起きてしまうんだ。
なので、現在は水に浸漬した大豆をいったん蒸して酵素を失活させてから破砕したりと工夫をしているみたい。
そして、大豆の中の脂肪分(大豆油)は不飽和脂肪酸に富んでいるので、酸化されて劣化しやすいのだ・・・。
できたて・絞りたてを飲めばよいのだけど、一般に流通させようとすると油の酸化を防ぐ必要があるんだよね。
そこで、豆乳のパッケージは基本脱酸素になっているし、調製豆乳の場合は、酸化防止剤を入れたり、脱脂加工大豆を加えて大豆タンパク質量を減らさないようにしつつ、飽和脂肪酸の多い植物油脂を加えたりするのだ。
こうすることで「飲みやすく」なるよ。
最後に、砂糖や塩などで味を調えるんだ。
こうして「調製豆乳」が作られるんだけど、JASでは、大豆他の悪質含有率を3.0%以上としていて、無調整豆乳より「薄く」なっているのだ。
これが飲みやすさにもつながるんだけど、薄くなっているにもかかわらず糖類が足されているのでカロリーは高くなるのだ。

そして、調製豆乳では保存性を高める観点から、食品添加物としてpH調整剤や乳化剤等も加えられているよ。
さらに、調製豆乳の場合は消泡剤が入っているんだよね。
無調整豆乳を飲むとよくわかるんだけど、よく振ってから飲もうとするとものすごく泡立つのだ。
そして、その泡はけっこう丈夫で消えないんだよね。
泡立つから即飲みづらいということではないけど、泡立つと空気に触れる表面積が大きくなって酸化しやすくなるから、調製豆乳では泡立ちが押さえられているんだ。
乳化剤も入っているので、タンパク質や脂肪分が沈殿しづらくなっているのも特徴。
ただし、これは逆にいうと、豆腐として固められない、ということなのだ。
豆腐はにがりの凝集作用で固めるので、それが阻害されるわけ。
また、最近ではレアチーズのように豆乳にレモン汁を加えてタンパク質と脂肪分を沈殿させて取り出す、みたいなこともあるみたいだけど、pH調整剤が入っている調製豆乳では難しいよ。
いずれもそういう加工がしたい場合は無調整豆乳がよいのだ。
調製豆乳はあくまでも飲み物に特化したものなのだ。

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