2022/12/08

ヨーグルトと食物繊維もお忘れなく

最近は、「もっとタンパク質を摂取しよう」みたいな風潮があるよね。
もともと温暖で湿潤なアジア地域は米作に向いていて、必要なカロリーのほとんどを主食である米からとる食文化なのだ。
日本でも江戸時代なんかは1日で一人3~4合くらい米を食べてるんだよね。
そのかわり、おかずは漬け物、梅干し、納豆とかそんなもの。
今はもっとましになって、肉も魚も食べるけど、菓子パンで食事を済ませたり、麺類が好きだったりして、やはり日本人はタンパク質の摂取量が高くないようなのだ。
そういうのもあって、コンビニとかでも「タンパク質が摂れる」みたいな売り文句の商品も増えているよね。

さらに、コロナ禍で運動不足になった人が多いからか、ジムに通って筋トレする人も増えているようなのだ。
そのときセットになるのはプロテイン。
ガチ勢でなくても、男性だと特に筋肉がつくとうれしくなてプロテインを飲むようになるみたいだね。
何も気にしない食事だとタンパク質が摂れていないので、余計にプロテインを別に摂ることになるのだ。
でもでも、そうしてタンパク質の摂取量を上げていくと・・・。
体臭がひどくなるとも言われているよね!

糖質や脂質の場合、構成元素は基本的に、炭素(C)、水素(H)、酸素(O)の3つ。
一方で、タンパク質の場合は、ここに窒素(N)と少量の硫黄(S)が加わるのだ。
そして、この窒素とか硫黄の入った代謝物はたいがいにおいてくさいんだよね(笑)
タンパク質が生体内で分解されていく過程では、まずはタンパク質分解酵素の働きでどんどんペプチド結合が着られていって分子が小さくなっていくんだけど、最終的にはアミノ酸まで分解されるのだ。
で、このアミノ酸がさらに代謝されるとき、アンモニア(NH)やアミン(RNHの形の1級アミンやRNHRのような形の2級アミンなど)、窒素が入った五員環とベンゼン環がくっついたのインドールのようなものが出てくるんだ。
硫黄を含むシステインやメチオニンが分解されると硫化水素(HS)やチール(RSH)、スルフィド(RSR)なんかの特有の臭気のあるものが出てくるよ。
これらは腐敗臭や便臭、汗臭さなんかのもとにもなっているくさいやつら。

普段からできているんだけど、こういう分解物を腸内で作るのがいわゆる「悪玉菌」と呼ばれる腸内細菌の一軍。
カレー食中毒の原因として有名なウェルシュ菌や大腸菌なんかがこれ。
ビフィズス菌のような乳酸菌は「善玉菌」と呼ばれていて、こっちは糖質をえさにして乳酸を作るのだ。
こっちはくさい物質を作り出さないわけ。
で、糖質の摂取を減らしてタンパク質を増やすと、えさの量の関係もあって、善玉菌が減り、悪玉キナ増えるのだ。
すると、くさい代謝物も増え、まずは便臭がひどくなって、おならもくさくなり、こうした物質が腸管から血流に入れば体臭もくさくなる、という流れ。
タンパク質を増やさずとも糖質制限しているだけでも似たようなことが起きるんだけど、糖質制限だけしている場合は、脂質の代謝が増えて、また独特の甘ったるいにおいのあるケトン体が増え、口臭や体臭がきつくなることが知られているのだ。

なので、単にタンパク質を摂る量だけ増やせばよいというわけではないんだよね。
ネットで調べてみると、牛乳由来のホエイ・プロテインやカゼイン・プロテインはにおいがひどくなる傾向が強く、また、どうしても乳糖が含まれていて、日本人に多い乳糖不耐症(=牛乳飲むとおなかがゆるくなる)の人にはお勧めしません、と書いてあるよ。
代わりに、大豆由来のソイ・プロテインにしましょうって。
確かに、それぞれのプロテインでアミノ酸構成なんかが違うのでそういうこともあるんだろうけど、これは程度の差こそあれ、の世界。
むしろ、腸内細菌叢のバランスの問題の方が大事なのだ。

そのための方策として重要なのは、善玉菌のえさとなるようなものを摂取すること。
糖質、脂質が少ないもので、ということであれば、ヨーグルトと食物繊維がよいのだ。
これらは善玉菌が乳酸菌発酵するときのえさになるので、えさの多寡で悪玉菌優位にならないようにする点で効果的なのだ。
ボディビルダーがひたすらブロッコリーを食べるのも意味があるわけだね。
プロテインは牛乳に溶いて飲むことが多いけど、中に乳酸菌がたくさん入っているヨーグルトの方がよりおすすめなんだよね。
これでもう筋トレに力を入れてもくさくならない(笑)

0 件のコメント: