2022/12/17

やり過ぎ注意

なんか、ものっすごく耳の中がかゆいときがあるよね。
ついつい耳かきでかいてしまうのだ。
原因は、耳掃除のしすぎ。
通常は外耳道(耳の穴)の入口付近の耳垢をこそげ取るのだけど、どうしても強くやり過ぎて細かい傷ができてしまうんだよね。
で、その傷口がかさぶたになって、かゆくなってくる。
またかきすぎる・・・。
このループになるのだ。

そういうのもあって、耳鼻科のお医者さんは耳素地はしすぎないように、と言うんだよね。
じゃあ、傷つけないように綿棒で掃除したら、と思うけど、この場合は耳垢を奥に押し込むだけになることが多いのだ。
ちあみに、耳の穴の中皮膚は、内側から外側に向かった移動しているので、何もしなくても基本的には耳垢は外に排出される仕組み。
たまにつまることがあるけど、そのときは耳鼻科でとってもらって、ということらしい。
子どもなんかだと耳が聞こえづらくなったと耳鼻科に行くと、大きな耳垢がとれたりするのだ。
そういうときって掃除機みたいなので吸い出すんだよね。
前にテレビで見たのは、イタリアかどっかの温泉地で、その温泉水を注射器のような専用の道具で耳の穴の中に注入すると、耳垢がごっそりとれるというもの。
なんか気持ちよさそうだった。

では、そもそも耳垢とはなんなのか。
端的に言うと、耳の穴の中に入ってきたほこりなどの異物と耳の穴の中に出てくる分泌物が混ざったもの。
その点では、目やに、鼻くそ、痰なんかと同じようなもので、異物排除の仕組みのひとつなのだ。
この分泌物は耳垢腺というそのまんまの名前の器官からでるものみたいなんだけど、少し粘性がある弱酸性の液体で、独特の臭気があるのだ。
粘性があることでほこりなどの異物をからめとれるわけ。
さっきの温泉水のやつは、きっと弱塩基性なんじゃないかな?
すると、薄めの石けん水をあたためたもので同じようにどぅるっととれるかも・・・。
あんまり試そうは思わないけど。

で、独特のにおいの方は、詳細はよくわかっていないみたいだけど、防虫効果があるようなのだ。
蚊取り線香のようなもので、無視がそのにおいを忌避する傾向があって、耳の穴の中に入ってこないようにする効果上がると考えられているよ!
これは大事。
なので、完全に除去してしまうと、この効果が失われるおそれがあるのだ。
虫の多いところに行くときは注意(笑)
けっこう耳の穴の中に虫が入った、というのはあるみたいで、その多くの症例では耳垢がきれいに掃除されていたので、ということで、においが効果があるかもと調べられたらしいのだ。

そして、耳垢と言えば、かさかさの人とねっとりの人がいるよね。
それぞれ乾性と湿性というらしいけど、中韓はほぼほぼ乾性で、日本も乾性がメジャーで湿性はマイナー。
逆に白人種は乾性がマイナーで湿性がメジャー。
確かに、英語では耳垢を「earwax」と言うからねっとりしているのが基本なんだろうね。
黒人種に至ってはほぼほぼ湿性のようなのだ。
で、この耳垢の違いは、体臭、特にワキガに関係しているのだ。
なぜなら、どちらもアポクリン腺の数の差によるものだから。
アポクリン腺から出る汗は、エクリン腺から出るほぼ生理食塩水の汗とは違って、脂質や他の悪質を多く含んでいて、これが最近に分解されるとにおいのもとができるのだ。
これが体臭(ワキガ)の正体。
なので、耳の穴の中にアポクリン腺が多い=湿性の耳垢で、耳の穴の中にも多いならほかの場所にも多いだろう、ということで、わきがにも結びついているのだ。
確かに、人種別の耳垢の違いとワキガの強さはマッチしているような感じだよね。

どうも、東南アジアやオセアニアも湿性が多いようなのだ。
で、日本でも縄文計は湿性が多いと考えられていて、縄文系の血が濃い九州(隼人)、北海道(アイヌ)、沖縄(琉球)はこの東南アジア系に近いみたい。
で、大陸から渡来してきた弥生人は中韓と同じで乾性がメジャーで、そのふたつが混ざって今の日本の状態があるらしい。
耳垢の湿性/乾性は単一遺伝子で決定されていて、きれいにメンデルの法則に従うらしいので(湿性が優性、乾性が劣性)、耳垢の湿り気の違いで古代の人の交流なんかも見えてくるのだ。
これはすごい。
こうなると、ますます耳掃除が楽しみになってしまう・・・。

0 件のコメント: