2023/04/08

うっすぃいなぁ

 スーパーでセールになっていたので、ペットボトル入りのブラックコーヒーを買ったのだ。
徐々に熱くなってきて、冷たいコーヒーがほしいときもあるからね。
で、いざ飲んだときにびっくり。
「コーヒー飲料」と書いてある。
これって、薄いやつなんじゃなかったっけ・・・?
と思って、少し調べてみたよ。

コーヒーの食品表示については、「コーヒー飲料等の表示に関する公正競争規約」において分類が定められていて、

(1)コーヒー:内容量100g中にコーヒー生豆換算で5g以上のコーヒー豆から抽出又は溶出したコーヒー分を含むもの
(2)コーヒー飲料:内容量100gにコーヒー生豆換算で2.5g以上5g未満のコーヒー豆から抽出又は溶出したコーヒー分を含むもの
(3)コーヒー入り清涼飲料:内容量100g中にコーヒー生豆換算で1g以上2.5g未満のコーヒー豆から抽出又は溶出したコーヒー分を含むもの
(4)コーヒー入り炭酸飲料:内容量100g中にコーヒー生豆換算で1g以上のコーヒー豆から抽出又は溶出したコーヒー分を含むものに二酸化炭素を圧入したもの

となっているのだ。
つまり、「コーヒー」となるのか、「コーヒー飲料」となるのかは、コーヒー豆をどれだけ使っているかの違い。
「コーヒー飲料って薄いやつだよね」という認識はあながち間違っていないわけ。

ミルクなしのコーヒーであれば、まさにこれでスッキリするんだけど、ミルクが入ってくるとまた複雑に。
というのも、カフェオレのようにミルクの量が多くなると、今度は乳飲料になるものが出てくるのだ。
いわゆる「乳等省令」(乳及び乳製品の成分規格等に関する省令)と「飲用乳の表示に関する公正競争規約」の方に該当するようになるのだ。
省令で言う「乳飲料」は、「生乳、牛乳、特別牛乳若しくは生水牛乳又はこれらを原料として製造した食品を主要原料とした飲料であって、第二項から第十二項まで及び第十四項から前項までに掲げるもの以外のもの」で、ここで除かれている各号列挙のものは、2項:生乳、3項:牛乳、4項:特別乳、5項:生山羊乳、6項:殺菌山羊乳、7項:生めん羊乳、8項:生水牛乳、9項:成分調整牛乳、10項:低脂肪乳、11項:無脂肪乳、12項:加工乳、14項:クリームだよ。
液状の乳でその他、みたいな定義だよね。
で、公正競争規約の方で、省令で定義する乳飲料のうち固形成分が3.0%以上の場合に「乳飲料」と表示することになっているのだ。
で、この基準が満たされるようになると、カフェオレは、コーヒー飲料やコーヒー入り清涼飲料から外れて乳飲料になるわけ。
カフェオレは語源的に「coffee into milk」でミルク主体だからそうなんだろうけど。

で、ペットボトルコーヒーにもどるのだ。
実は、ペットボトルのコーヒーは、薄いかどうかは別として、各社ともあっさり目の飲み口で作っているようなのだ。
これはまさに飲み方の違いで、缶コーヒーが休憩期間中に飲むシーンを想定しているのに対し、ペットボトルの方は、常にそばに置いておいて飲みたいときにちょっとずつ飲むシーンを想定しているからなのだ。
米国のスタバでは超巨大なサイズのグランデやヴェンティでコーヒーやラテを買っていく人たちがいるのだけど、このひとたちは、保温タンブラーに入れて半日くらいかけて飲むんだよね。
冷温の差はあるけど、まさにそういう飲み方なんだよね。
ま、コーヒー500mlは一気飲みしないよね。

で、そういう飲み方をするときって、がつんと重い、濃厚な飲み口ではなく、あっさりとした飲み口の方がいいのだ。
このペットボトルコーヒーの先駆けになったと言われているのはサントリーのクラフトボスなんだそうだけど、こちらは表示も「コーヒー」。
だけど、浅煎りで飲み口は軽いけど、芳醇な香り、というコンセプトで作ったそうなのだ。
そのために豆も厳選して、ブレンドして、ということらしい。
一方で、普通に深入りで薄めに淹れるアメリカン的なやつでもよいわけで、そういうのだと生豆換算のコーヒー量が少なくなるので、「コーヒー飲料」になるのだ。
でも、こういうのは味の好みであって、コーヒー量が多いことが即すばらしい、というものではないので、自分が好きなものを飲めばいいんだよね。

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