2023/07/08

ガ~ス~

東京新橋でガス爆発事故があったのだ。
カフェバーで店員さんが雷太0でたばこに火を付けたらどかん、ということのようなんだけど、このお店はオール電化でガスは使っていなかったらしい。
どうも、原因は上階の内装工事の際に工事業者さんがガス管の接合部を謝って外してしまったそこからガスが漏れたらしい。
火を付けた人は無事だったようだけど、なんかガス臭いと思っていたんだって。
でも、自分のところはオール電化だからまさかそんなことが起きてるとは思わなかったようなのだ。

でも、この話に少し不思議なところがあるんだよね。
上階でガス漏れがあったのはそうなんだろうけど、これは都心部なので漏れていたのはおそらく都市ガス。
つまり、メタンガスを主成分として液化天然ガス(LNG)なのだ。
で、これは空気より軽いんだよね(空気1に対して都市ガスは0.6くらい)。
そう、普通に都市ガスが漏れると空気より軽いので上に行くのだ。
おそらく、今回は配管の位置だとか、建物の構造で下の階に漏れ出てしまったのだろうとは思うけど。

これに対して、郊外に多い液化石油ガス(LPG)、通称「プロパンガス」は、プロパンやブタンと言ったガスが主成分で空気より重いのだ(空気1に対して石油ガスは1.5くらい)。
なので、この場合は漏れると下に行くよ。
一戸建ての建物でプロパンガスが漏れると床下にたまったりして、そこにポイ捨てのタバコが投げ込まれると床下からどかん、となるわけ。
今回仮に漏れていたのがプロパンガスだった場合、重さにより下の階全体にガスが広がることが想定されるので、ライターで火を付けた店員さんは助からなかったかも。
本来茎より軽いガスが上の階から漏れ出してきて、天井付近にたまっている幹事だったからなんとか助かったような気がするのだ。

こういうガスの違いっていうのはやっぱり知っておいた方がいいんだよね。
一般には、都市ガスは安い、プロパンガスは割高、というイメージだけど、これは規制のかけ方とかもあるんだよね。
都市ガスはガス事業法で規制されていて、かつては地域独占が認められていた一般ガス事業者が提供していたのだ。
独占を認める代わりに規制料金で、経済産業省の認可を得た料金設定になっていたわけ。
一方で、プロパンガスは高圧ガス保安法なんかで安全規制はあるけど、料金は自由設定。
もともとガスボンベを運んで交換して、という人件費がかかる形式だし、多くの場合協働は働かないので、料金は高めになりがちではあるんだよね。

でも、実は、都市ガスが安いのは、すでにパイプラインが整備されているから。
ガス管網から少し外れたところに都市ガスを引こうとすると、そこまでのパイプラインの整備費用を要求されるんだけど、それはめちゃくちゃ高いのだ。
これは電気も同じで、すでにある配電網から外れたところに電気を引こうとすると、引き込み線を引くのにとてもお金がかかるんだよね・・・。
そうなると、月々の料金は少し割高でも、プロパンガスが優位になるのだ。

プロパンガスはそんな消極的なメリットしかないかというと、そうでもないんだよ。
ひとつは、災害に対する強さ。
都市ガスの場合はガス管が折れて使えなくなってしまうと復旧にものすごく時間がかかるんだよね。
でも、プロパンガスの場合は新しいボンベを持ってくればよいので、すぐに普及できるという利点があるのだ。
それと、ガスの成分から来るものとして、プロパンガスの方が火力が強いんだよね。
中華のような強い火力を求める飲食店は好んでプロパンガスを使う場合もあるほど。
最近はIHヒーターでもいろんな料理が作れるようになっているけど、やっぱり高火力のガスで、というのもプロの世界ではあるようなのだ。

ちなみに、どちらのガスも本来は無臭。
でも、ガス漏れを検知しやすいように、わざと「ガス臭い」においを付けているんだよね。
今回もなんかくさかったと言っているようなので、やっぱりそういうにおいがしたら、念には念の入れて気をつけた方がいのだ。
あれほどの大爆発が起こるほど漏れていたのに、しかも、おそらくにおいにも気づいていたのに、誰もガス漏れを気にしなかったのは逆にすごいような気もするけど。

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