2023/10/07

かおる季節

 なんか一気に秋めいてきた。
朝晩の気温がぐっと下がったよね。
でも、今年の紅葉はちょっと遅めになりそうとのことだけど。
で、この時期、足下がちょっとにおってくるのだ。
イチョウの落とし物、オレンジの憎いあいつ、ぎんなん。
でも、これからの時期ににおってくるのはそれだけじゃないのだ。
それは・・・。
足臭!

夏の間は汗をかいている実感もあって、オフィス内では積極的に靴を脱いだりしてサンダルとかに履き替えるから、実はひどくならないのだ。
問題は、涼しくなってきて汗をかかないなぁ、と感じでずっと革靴を履いているとき。
脱ぐと一気に鼻に来る!
女性の場合はブーツでにおいが醸成されるというよね。
確かに革靴より広い範囲にわたって密閉されているし、何より、女性の場合は全く汗を吸わないナイロンのストッキングをはいたりするからなぁ。
なので、実はこの時期くらいから足臭対策のスプレーとか石けんとかそういうのが売れるのだ。
そのうちコンビニやドラッグストアでもよく見かけるようになるはず。

このにおいのもとは主にイソ吉草酸(3-メチルブタン酸)。
低級な(=炭素数の少ない)カルボン酸は炭素数が2の酢酸や炭素数が3のプロピオン酸、炭素数が5の酪酸も不快な臭気なんだよね。
ちょっと酸っぱい感じのやなにおい。
中でもイソ吉草酸はまさにくさい靴下のにおいだよ(そのまま)。
いわゆる汗臭いにおいは主にアンモニアだけど、それが目が痛くなるような刺激臭だけど、それとはまた違って、なんだかじわじわくる臭さなんだよね。
ぎんなんの臭さは酪酸なので、似たような傾向かも
職場で足下の方がくさいとき、それはぎんなんを踏んだからなのか、もっと「中」のことなのか・・・。

このにおいのもとであるイソ吉草酸は、人間自身が分泌しているわけではないんだよね。
足の裏は手のひらと同じくらい良く汗をかく部位なんだよね。
これはもともと滑り止めの意味があったのだ。
で、その汗をかくときに、汗の中に皮脂や古くなった角質なんかが混ざって、それを皮膚の表面上にいる常在菌のバクテリアが分解する過程で不快なにおいのもとができてくるのだ。
なので、においのもとを断つには、

①指の股も含めて足を良く洗い、きれいに保つ(汗の中の皮脂や角質を少なくする)。
②靴の中の通気を良くする(じめじめしている環境だt菌が繁殖しやすいので、できるだけ乾燥した状態に近づける)。
③スプレーや塗り薬で対処する(汗を出にくくしたり、においを出す菌を物理的に減らす)。

なんてのが効果的。
ストレスがかかったり食生活が乱れていると、汗の中にあらかじめ分泌される皮脂やタンパク質の量が増えて、ちょっととろっとした感じになるんだよね。
汗がこういう状態になるとよりくさくなるので、そういうところの見直しもにおいの軽減には役立つのだ。

でもでも、においなので靴や靴下にしみこむこともあるわけで・・・。
靴下なんかは煮沸してから洗うなんて荒技もできるけど、靴はこまめに陰干しするのが基本。
革靴は2日連続ではかない。
網においが染みついちゃっているよ、というときは、薄めの重曹水を用意して、それを布などにしみこませて靴の中をふく、というのもあるのだ。
においのもとはすべてカルボン酸で塩基性溶液にとけるので、においのもとが布の方に移るというわけ。
逆に、アンモニア経の汗のにおいがしみこんでいる場合は、ちょっとお酢を入れて酸性にしてすすいであげるとにおいが取りやすいのだ。
こういうときに化学って役立つよね。

結構前、職場の同僚でけっこう強烈な人がいたんだよなぁ。
靴を脱いだ瞬間がわかる人(笑)
ぜひぜひこういう対策を進めたいね。
よろしく。

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