2008/04/13

小麦粉でもくず餅とはこれいかに

今日は雨だったけど、お散歩したくなったので、雨に映える花の藤の花を見に亀戸天神に行ってきたのだ。
亀戸の名物と言えばなんといっても船橋屋のくず餅なのだ。
ここのくず餅はぷりぷりしていておいしいんだよねぇ。
あっさりした甘みがよいのだ。

くず餅はくず餅と言うだけあって、本来はくず粉で作るんだよね。
関西のくず餅はきちんと本葛のデンプンで作ってあって、透明感があるのだ。
水でといたくず粉に砂糖を加え、火にかけて練ってとろみを出してから冷やして作るのだ。
冷蔵庫で冷やすと難くなるし、透明感もなくなるので、流水で冷やすのがいいんだって。
このくず餅であんこを包むと夏のお菓子の水まんじゅうになるのだ。

でも、関東のくず餅はくず粉じゃなくて小麦粉を使うのだ。
関東ではくず粉が手に入りにくかったからなんだろうね。
でも、小麦粉はそのまま使うとタンパク質を多く含みすぎているので、ぷるんという感じではなくてねっとりしてしまうのだ。
なので、小麦粉を水にさらして乳酸発酵し、タンパク質を壊してデンプンだけを取り出すのだ。
船橋屋のくず餅は、地下天然水で15ヶ月も発酵させてから作るらしいよ。

小麦粉は主にタンパク質(グルテン)の含有量で、多い方から強力粉、中力粉、薄力粉、と分かれていて、用途によって使い分けているのだ。
麺類なんかはコシがあった方がおいしいのでタンパク質の多い強力粉が使われて、天ぷらの衣なんかはさっくりしている方がおいしいのでタンパク質の少ない薄力粉を使うのだ。
で、この強力粉とか薄力粉は下になっている小麦の種類の違いで、あとからタンパク質の多い部分を取り出したりしているわけではないのだ。
なので、くず餅も乳酸発酵させてタンパク質を減らすという工程になっているわけ。
江戸時代にはすでにこういう製法があったんだから、すごいことだよね。

ちなみに、スーパーなんかで売っている、安くて日持ちするくず餅は、小麦粉どころか、ジャガイモのデンプン(つまり市販の片栗粉みたいなもの)で固めてあって、さらに、砂糖が大量に入っているので日持ちするんだって。
もはやここまで来ると似て非なるものなのかも。
ボクは安い物好きだけど、こういうお菓子だけは本物志向なのだ(笑)

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