2008/04/26

花の蜜と糖蜜

今日は根津神社につつじ祭りを見に行ったのだ。
ツツジと言えば、小学生のときはよく花を摘んで、花のつけ根の少し白くなったところをちゅーちゅー吸っていたのだ。
ここには蜜があるんだよね。

虫媒花は昆虫に花粉を運んでもらうために蜜を出して、それで引きつけて昆虫の体に花粉をつけ、運んでもらうのだ。
昆虫は紫外線で世界を見ているのだけど、花を紫外線カメラで撮影すると、蜜のある場所を示すような模様が出てくるんだよね。
人間の見ている可視光の世界の色鮮やかさとはまた違った模様が表れるのだ!
どちらかといえば、花粉を運んでくれる昆虫の方が大事なんだけどね(笑)

花の蜜の中にはブドウ糖や果糖などの糖類が含まれていて、そこにさらに香料成分なども入っているのだ。
でも、この花の蜜とハチミツでは成分が違っているのだ。
これは、ハチが一度蜜を食べて濃縮・加工してはき出してためているのがハチミツだからなのだ。
なので、花の蜜を集めてもハチミツみたいには使えないんだよ。
裁定でも煮詰めないといけないのだ。
花の蜜はハチミツに比べてかなり薄いんだよね。

煮詰めるといえば、大学芋なんかにかける蜜は砂糖を煮詰めて作るんだよね。
もっとも単純な製法は本当に砂糖水を煮詰めていくだけなのだ。
砂糖水を煮詰めていくと、どんどん糖の濃度が高くなるので、その分とろみも増してくるんだよね。
さらに熱を加えていくと、中で糖の重合反応も起きてきて、独特のべとべとした粘りが出てくるのだ。
さらに、170度以上の熱が加わるとカラメル化も起きて、茶色い色がついてくるんだよね。
大学芋なんかに使うには少し飴色になった方がおいしそうだから170度を超えてもよいのだけど、お菓子や料理のつや出しに使うときは透明度が高い方がよいので、低温で煮詰めていく必要があるのだ。

この砂糖水を煮詰めて作る糖蜜と似たようなものに水飴があるけど、製法が違うのだ。
水飴はもともと糖が重合しているデンプンなどを分解することで麦芽糖やブドウ糖などの甘みのある糖を作り出したもので、最初から甘いものにとろみをつけた糖蜜とは違うのだ。
甘くも何ともないものを甘くしたものなんだよね。
成分はたいして違わないとは思うけど。
むかしは発芽玄米の酵素を使ってデンプンを分解して作ったりしていて、砂糖が精製できるようになる前から比較的簡便に作ることができる甘味料だったので貴重だったのだ。

というわけで、似ているように見えてもけっこう違うものなんだよね。
花の蜜は薄い糖の水溶液なので、それを煮詰めていったら糖蜜に近いものができるかも。
それで大学芋を作ったら、花の香りのする大学芋になるかな?

0 件のコメント: