2008/08/01

よく考えると「改造」ってすごい響きだよね

今日は、安倍内閣の「居抜き」内閣と呼ばれていた福田内閣が改造に踏み切ったのだ。
今回はすべての閣僚を自分で選んでいるんだよね。
自ら名付けて「安心実現内閣」だそうなのだ。
この前は表下「5つの安心プラン」にかけているみたい。

そこで気になったのが、内閣改造の時の組閣の手続について。
ちょうどテレビでもいろいろ情報を流していたので、ちょっとお勉強してみたのだ。
こういう機会でもないと、よくわからないんだよね(笑)

まず、内閣総理大臣が内閣改造を決断した場合、臨時閣議を開いて、自分をのぞく全閣僚から辞表を集めるのだ。
普通は辞表を出すことを拒む大臣はないんだろうけど、最後の手段としては、内閣総理大臣は他の国務大臣を罷免することができるから、「クビ」にはできるのだ。
このとき、閣僚ではないんだけど、閣議に同席する内閣官房副長官と内閣法制局長官からも辞表を受け取るみたい。
首相官邸の閣僚名簿なんか見ても、3人の内閣官房副長官と内閣法制局長官は載っているから、閣僚に準じた扱いなのだ。

で、各国務大臣から辞表を集めて内閣が自分一人になった段階で、内閣総理大臣は新しい内閣作り(=組閣)の手続に入るんだよ。
政党政治の日本のシステムで重要なのは党内手続なんだよね。。
衆議院で与党が過半数を占めている現状では、自民党総裁が内閣総理大臣と同一人物なこともあって、まずは自民党の役員人事を決めるのだ。
有名な三役(幹事長、政務調査会長、総務会長)と、それに準ずる選挙対策委員長、国会対策委員長なんかだよ。
これでまずは党内の体制を固めるのだ。

さらに、今は自民党と公明党の連立政権なので、パートナーである公明党との調整も必要なんだよね。
国務大臣は内閣総理大臣が任命するあけだけど、与党のパートナーである公明党からの閣僚ポストは事実上調整することが必要なのだ。
連立を組んでいるのに公明党から閣僚に入らなかったらさすがにまずいからね。

で、党内手続と公明党との手続が終わると、いよいよ組閣作業。
官邸の中に組閣本部が作られ、内閣総理大臣自らが連絡し絵、閣僚候補を官邸に呼び寄せるのだ。
最近有名になっているのはその事前の、いわゆる「身体検査」。
一時期閣僚のスキャンダルが頻発したので、そういうのがないかどうか、閣僚候補を絞り込む段階で調べているんだよね。
どうやっているのかはいまいちわからないし、その後にスキャンダルが発覚することもあるので完全なわけじゃないけど。

で、内閣法に定める定数の14~17名の閣僚候補が官邸にそろったところで、閣僚名簿が公表されるのだ。
でも、実はこの段階ではまだ閣僚ではなくて、○○大臣就任予定者で、その後に天皇陛下から認証を受けてはじめて国務大臣として任命され、さらに、その後に○○大臣としての「補職」の任命が出て、そこではじめて閣僚としての任命が終わるのだ。
今回の場合、組閣作業が夕方から夜にかけてだったので、認証は翌日にずれ込んでいるから、正式に改造内閣が発足するのはその認証の終わる翌日なんだよ。
各大臣は今日のうちにすでに役所に顔を出しているけど、「初登庁」は明日になるのだ!

閣僚名簿は通常内閣官房長官(の就任予定者)が官邸の会見室で発表するのだ。
その後、準備ができた淳から、各閣僚(就任予定者)が同じ会見室で抱負を述べ、簡単に質疑応答をするんだよね。
細かい質疑応答は認証式が終わった後の初閣議の後の各大臣の閣議後会見で行うのが通例で、ここでは時間もないので特に重要なことや全般的な事項を聞くみたい。
それがひととおり終わると、最後に内閣総理大臣の会見になって、今回の内閣の組閣の方針や目指す方向性などが語られるんだ。
最初に出てきた「安心実現内閣」という名称は、今日の福田総理の会見で出てきたものなのだ。

今日はここまでだったけど、明日の午前中に皇居内で天皇陛下からの認証があり、その後、お昼ちょっと過ぎに初閣議。
その後、有名な官邸の階段のところで内閣発足の記念撮影があるはずなのだ。
新聞党の報道では、もともとは月曜に組閣を計画していたものの、その日が「仏滅」で縁起が悪いから週内に決着をつけたんだって。
それで土曜日発足の内閣になってしまったのだ。
まわりの人はちょっと大変だよね(笑)
通例、副大臣は内閣発足の翌日に任命されるんだけど、今回はやっぱり仏滅である月曜を避けて、火曜日になる見込みなんだって。
なんだかそういうところで縁起を担いでいるのが日本の政治家っぽくておもしろいのだ。

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