2007/12/07

雪の降った次の日は・・・

雪の降った翌日にこわいのはなんと言っても路面の凍結。
つるつるすべってとても危ないのだ。
DCはまさに昨日降った雪で路面が凍結していて、とてもつるつるしていたよ。

この路面凍結はアイスバーンと呼ばれるんだよね。
これはドイツ語で「氷の道」という意味なんだって。
雪に限らず路上の水分が吐血するとアイスバーンになるんだけど、水たまりなんかはかなり局地的な凍結だけど、雪の後は路面全体が凍るので危険なんだよね。
歩行者が滑って転ぶだけじゃなく、車も滑るので交通事故も起こりやすくなるのだ。
もちろん、毎年お年寄りが転んで骨折するなんていう痛ましい事件もあるので、歩行者でも大けがをする可能性はあるんだよね。

雪が降ってそのまま積もっている状態だと、翌日にかたまったとしても間に空気を含んでいてサクサクしているのでそんなに滑らないのだ。
問題は雪かきして表面おゆきはさらったけど、まだうすく雪の層が残っていてそれが凍ったものや、車や人が踏みつけて少し融けたものが再び凍結したものが危険なんだよね。
こうなると完全に道上に氷の膜ができるのですべるのだ。
一番危険なのは、この氷の層が薄くて下が透けて見えていて、一見ただぬれているだけのように見えるんだけど、それが氷だったときなのだ(>_<)
こういうのはブラックアイスバーンやブラックアイスと呼ばれるんだって(下のアスファルトの黒が透けて見えるからだよ。)。

でもでも、実は滑るのは氷が原因ではないとか。
気温がかなり低温の場合には氷の上を歩いてもそんなに滑らないんだって。
氷自体の摩擦係数はそんなに低くないそうなのだ。
でも、気温が少し上がって氷の表面が融けてくると、氷の上に薄い水の膜ができて、それが滑る原因になるんだそうだよ。
雨の日に自動車のタイヤが滑りやすくなる「ハイドロプレーニング現象」と同じなのだ。
車のタイヤは溝があるからそれが引っかかって滑りにくくなっているんだけど、そこに水が入り込むとその引っかかりが弱くなるんだよね。
それで滑るのだ。
氷が滑るのも同じで、氷の上に薄い水の膜があって、それが靴底の引っかかりを弱くするのでつるつるするというわけ。
雪は降るけど寒さが中途半端で融けてくるから問題なのだ(笑)

で、道路の雪を融かす融雪剤としては、よく塩化カルシウムが使われるのだ。
豪雪地帯には冬になると道のあちこちに袋に入った塩化カルシウムが置いてあるそうだよ。
それを雪に巻いて雪が融けるのを促進するのだ。
この塩化カルシウムはとても水に溶けやすい性質を持っていて、空気中の水分も吸い取るほど。
湿った空気に触れさせておくとべたべたしてくるんだよ。
こういう性質を潮解性というのだ。
塩化マグネシウムや水酸化ナトリウムもそうなんだよね。
で、この塩化カルシウムはそれだけ水に溶けやすくて、たくさん溶け込むんだけど、塩が水に溶けると凝固点降下の作用が出てくるんだよね。
塩が溶けた分だけ凝固点が下がって、水は氷になりにくくなり、こりは融けにくくなるのだ。
で、この凝固点降下の作用は塩の溶けている濃度に比例するので、たくさん水に溶けて安価な塩化カルシウムが使われているというわけ。

でも、融雪剤は氷が溶けるのを促進して、再凍結するのを防ぐのはいいんだけど、即効性はないのだ。
とりあえずアイスバーンができてしまって、あまりにも滑って危険なときは砂とかをまいてとりあえず滑りにくくするのが大事なんだよね。
雪を融かそうとしてお湯をまいたりすることもあるけど、実はそれをやってしまうとまいたお湯が水になり、それが再凍結してアイスバーンになる可能性があるので、きちんと雪かきして、その上に砂などをまくのが歩行者には優しいのだ。

2007/12/06

こんこ

今日はDCでは今シーズンの初雪となったのだ。
すっかり冬に近づいてきたと思っていたけど、これで決定的だね(>_<)
夜明け前から降り出したんだけど、そんなに強い降り方ではなかったので積もらないかな?、と思っていたら、夜までずっと降り続いていて、少し積もっているのだ。
朝まで降るみたいだから、これはけっこう積もるかも。

雪は空から水が凝固した氷の結晶が降ってくる現象で、上空の気温がとても低いと、大気中の微粒子(ほこりなど)を核として雲の中の水蒸気から氷の結晶が発生するのだ。
この結晶が地上までとけることなく降ってくると雪なんだけど、地上の気温がそれなりに高いと降ってくる途中にとけてしまって雨になるんだよね。
地上の気温が零下でない場合は、雪が降る目安は上空1,500mで-6度未満、上空5,500mで-30度未満だそうだよ。
一般には、上空に-20度未満の冷たい寒気が来ると雪になると言われているよね。

気象庁による雪の定義は3つあって、いわゆる雪、氷点下での霧雨である霧雪、空気中の水蒸気が一気に氷の結晶になるダイヤモンドダスト(細氷)だそうだよ。
氷晶の一部が融けて雨と雪が混ざって降るとみぞれと呼ばれるのだ。
これは気象観測状雪に分類されるんだって。
似たものにひょうやあられがあるけど、これらは氷晶に水滴がついたものが雲の中の上昇気流で一度吹き上げられ、さらにまわりについた水滴も凍結することで氷の玉になったものなんだって。
何度か吹き上げられて氷の玉が大きくなるとあられからひょうになるらしいのだ(ひょうは直径5mm以上だって。)。
でも、あられやひょうは気象観測状は雪ではなく、あくまでもあれらやひょうとして記録するそうだよ。
初雪や雪日数とかには含めないようなのだ。
でも、降ったものは降雪扱いで、降雪量と言ったときは雪だけじゃなくてあられやひょうも含んでいるみたい(つまり個体の形で降ったものが降雪になるのだ。)。
なんだかちょっと複雑だよね(笑)

北大の中谷宇吉郎教授という人が戦前の1936年に世界で始めて人工的に雪の結晶を作ることに成功していて、その後、どういう条件でどういう雪の結晶ができるのかを研究したのだ。
気温や冷え方の速度、風の有無、気圧、核となるものなどなどの条件で結晶の形が変わってくるのだ。
さすがに細かくどんな結晶になるのかはなかなか予測がつかないけど、大粒のぼた雪になるのか、さらさらのパウダー・スノーになるのかくらいは予測できるんだよ。
「水の記憶」なんて話があって、きれいな言葉を見せたり、聞かせたりするときれいな氷の結晶ができるなんて言ってたけど、はっきり言ってえせ科学としか言いようがないんだよね。
スキー場が雪不足で困ると人工雪を降らせるけど、人工雨と同じように雲中にヨウ化銀を散布する方法(寒いと雨じゃなくて雪になるのだ。)と、細かい氷の粒を散布して雪が降ったように見せかけるという方法があるんだって。
後者の方法はかき氷をまいているようなものなんだよね。

雪はすべての波長の光を乱反射するので基本的には白く輝いて見えて、そのために「銀世界」なんて言葉があるわけだけど、実は色のついた雪もあるのだ。
上空が煙や煤煙で汚染されていると少し灰色の雪が降ることがあるし、朝鮮半島では中国から来る黄砂がまじって黄色から赤みがかった雪が降ることもあるらしいよ。
2007年の2月にはロシアで鉄分を多く含むオレンジ色の雪が降ったなんて記録もあるとか。
でも、やっぱり雪は正常なイメージで、白くあってほしいよね。
そのためにも大気汚染の問題は解決しないといけないのだ。

2007/12/05

海のトリ

米国に来てからよく食べるようになったのがツナ缶。
魚介類もスーパーで売っているのだけど、なかなか手が出ないんだよね。
値段も高めだし、あんまり新鮮そうではないし、何より、量が多いのだ。
で、必然的にシーフードが食べたくなるとツナ缶やオイル・サーディンなどになるんだよね。

ボクはシーチキンは一般名称だと思っていたんだけど、実はこれは「はごろもフーズ」の登録商標のようなのだ。
そういえば米国で売っているツナ缶も「Sea of Chicken」で、間に「of」が入っていることに気づいたよ!
一般名はツナ・フレークと言うそうだよ。
そう言えば、国内でもイナバ食品のは「ライトツナ」で、シーチキンとは名乗っていないのだ。

ツナ缶といえばむかしは油漬けで、スープと油で漬けてあって、かなりきちんと味がついたものがメジャーだったけど、最近は水煮のものもあるんだよね。
水煮のものはよくスープを切らないと水っぽくなってしまうので料理に使うときは注意が必要なのだ。
ボクはあのツナ缶の少し残った油もけっこう好きだったんだけど。
ツナ缶のツナはキハダマグロやビンナガマグロ、カツオなどで、ビンナガマグロが「ホワイトミート」といって一番高級で、カツオは「シーチキン・マイルド」になるんだって。
身のほぐれ具合でさらに3種類あって、大きなかたまりになっているソリッド、大きくほぐれているチャンク、細かくほぐれてるフレークの3つなのだ。
ソリッドだと製造後から3ヶ月、フレークだと製造後から1ヶ月程度で油と身がなじんでおいしくなるんだって!
実は製造日から半年以上経ったものの方がおいしいそうなのだ。
買い置きして貯蔵しておいた方がいいんだね(笑)

マグロの油漬けの缶詰自体は日露戦争のころから構想されていて、水産試験場で研究が進められていたんだけど、なかなか納得のいくものができなかったとか。
1929年に静岡の水産試験場がはじめて成功し、これが米国に輸出されて大好評を得たんだって。
これが今のツナ缶のはじまり。
最初に手を挙げて1930年から輸出を開始したのは清水食品だけど、その後、今のはごろもフーズの前身の後藤缶詰も1931年から製造を開始し、シェアを大きくして1958年にシーチキンの商標をとるまでに至ったようなのだ。
これでツナ缶といえばシーチキンが代名詞になったというわけ。

マグロの缶詰というと角煮なんかもあるけど、マグロを原料とした缶詰の8割はツナ缶なんだって。
日本だけじゃなく米国でも好かれるほどのものだからね。
サンドイッチやサラダだけじゃなくて、炒め物に使ってもいいし、最近ではおにぎりの具や手巻き寿司なんかにも使うよね。
パスタやカレーに使っても生臭くなくて、くせがないから使いやすいのだ。
そういうところが米国でも受けたのかな?

2007/12/04

どこかで、誰かが♪

「あっしには関係のないことでござんす。」という決めぜりふは木枯らし紋次郎だけど、木枯らしと言えば、秋の終わりから冬の初めの風物詩なのだ。
木枯らしが吹くといよいよ冬だって感じがするよね。
気象庁も「今年の木枯らし1号は・・・」なんて話題にするくらいだし。

この木枯らしというのは、日本の太平洋地域で晩秋から初冬にかけて吹く北寄り(来たから西北西)の風速8m/秒以上の風のことなのだ。
これが吹くといよいよ冬に突入で、葉も完全に落ちて、木も枯れたようになるので「木枯らし」と呼ばれるんだよね。
冬型の気圧配置、すなわち、西高東低になると、シベリアなどの極地側から冷たい風が吹き込みやすくなって発生するとか。
日本海の上空を通ってくるので最初は湿気があるんだけど、日本海側と太平洋側を隔てる山脈を越える際、日本海側で雨(時雨)を降らせて、太平洋側には乾燥した冷たい風が吹くのだ。
これが木枯らしなんだよ。
なので、日本海側では吹かないのだ!
で、最初に吹く木枯らしが木枯らし1号で、これは関東と完成でしか発表されないんだって。

これと逆に春の訪れを継げるのは春一番。
春一番は立春から春分の間にはじめて吹く南より(東南東から西南西)の風速8m/秒以上の風のことなのだ。
風が吹いたときに気温が上昇することも条件なんだって。
春先に西高東低の冬型の気圧配置が崩れて、日本海側を進む低気圧に向かって南側の高気圧から風が吹き込むことで発生するらしいよ。
やっぱり太平洋側で主に観測される現象だとか。
春の訪れを継げる風物詩でもあるんだけど、春一番が吹いた翌日はまた冬型の気圧配置がもどって寒くなることが多いらしいのだ。
それも三寒四温ってことかな?

春一番は街中でただたのあたたかい強風なんだけど、実はけっこう被害が出るもののようなのだ。
もともと長崎の壱岐の漁師さんたちの間で使われていた言葉で、春先に突風が吹いて船が転覆したりするのでおそれられていたそうだよ。
気温も上昇するので、雪崩を引き起こしたり、一気に雪解けが進んで洪水が発生するなどの被害もあるみたい。
意外に気象災害や海難事故をもたらすこわいものでもあるらしいのだ。

日本にはからっ風とか、南風(はえ)、颪(おろし)などなど、地域ごとの季節風が多いよね。
むかしからそうやって自然を感じながら時の移り変わりを察してきたのだ。
そういう自然と調和した生き方っていうのもあこがれるよね。

2007/12/03

すっぱいブタ

酢豚って中華料理なのに日本語の名前がついているんだよね。
それだけ日本の家庭に浸透しているということなのかも。
ときどき食べたくなる味なんだよね。
というわけで、ボクも今日は酢豚ならぬ、酢鶏を作って食べたのだ。

酢豚は中国語では咕老肉(クーラオロウ)とか糖醋肉(タンツーロウ)なんて呼ばれるんだって。
19世紀に香港や上海が欧米列強に侵入されると、欧米人の好む味の中華料理が作られるようになったらしいんだけど、そのときに酢豚にパイナップルやケチャップが入れられるようになったんだって。
で、咕老肉はもともとパイナップルもケチャップも入っていなかったんだけど、それから入るようになったそうなのだ。
糖醋肉はパイナップルもケチャップも入らない中国オリジナルのものを指すらしいよ。
それと、肉の種類も違って、欧米風になった咕老肉は脂身のあるバラ肉なんかを使うんだけど、糖醋肉はヒレ肉を使うんだって。
酢豚も日本風にかなりアレンジされているから、やっぱり日本語で酢豚と呼ぶのが適切なのかもね。

酢豚は唐揚げにした豚肉と素揚げした野菜(玉ねぎ、ニンジン、タケノコ、ピーマンなど)やしいたけなんかを一緒に炒めて、しょうゆ、酢、砂糖で味付けした甘酸っぱいあんでからめるのだ。
パイナップルは欧米風にするために入れられるようになったらしいけど、日本では好みが大きく分かれて、絶対は行っていてほしくない人と、入っていてもよい人に別れるのだ。
あんまり積極的に入れたい人って聞かないよね(笑)
パイナップルが入るとその酵素で肉が軟らかくなるという効果もあるんだけど、甘みが増すことと、果物が炒め物にはいることを嫌うんだろうね。
大学なんかの食堂だと、豚肉じゃなくて鶏の唐揚げで作ってあって、酢鶏になるんだよね。
揚げ肉団子になっていて、すでに酢豚の原型をとどめないようなものもあるのだ!

もともとは唐揚げの香ばしさと甘み酸味の調和を楽しむ料理なんだって。
油をかなり使うけど、お酢が入るからかなりあっさり食べられるのが魅力なのだ。
広東料理の代表選手だけど、広東料理にはあっさり味の炒め物も多いけど、こうやって甘みを活かした料理も多いよね。
いわゆる世界中に広がっている中華料理はそのほとんどが広東料理で、いろんなところで現地の味と混ざり、そこでとれる食材を使うので、広がりも多いんだとか。
酢豚もまさにそのひとつなんだね。

日本でよく食べられる炒め物の多く、飲茶類もみんな広東料理なんだって(餃子はもともとお祝いの時に食べる北方の料理で、北京料理なのだ。)。
北京ダックとか高級な中華だともともと宮廷料理だった北京料理だけど、フカヒレや燕の巣を食材として使っていたのは広東料理が最初だそうだよ。
いわゆる四つ足のものは机意外なんでも食べる、といわれているのが広東料理で、その分広がりがあるんだよね。
とにかく辛いことが特徴の四川料理や甘辛い味付けやあっさり塩味が売りの上海料理中もあるけど、これらは日本でも中華料理というより、四川料理、上海料理としてお店がでていることが多いよね。
それだけ日本でも中華料理と言えば広東料理を指すということなのだ。

2007/12/02

落ち葉から土

今日はお散歩で川沿いのトレイルを歩いてきたんだけど、それこそかなりの量の落ち葉がつもっていたのだ。
この落ち葉はやがて腐葉土(または腐植土)になって、それがまたそこに生えている植物の栄養になるんだよね。
生態系というのはなかなかよくできたものだよね。

落ち葉は動物に踏まれたり、雨で濡れた後に乾燥したりすると繊維質が切れて、やわらかくなったり細かくなったりするんだよね。
そんな落ち葉にはやがてカビやバクテリアが生えてきて、表面から腐敗が進んで行くのだ。
すると、この腐敗してきた落ち葉をダンゴムシやカブトムシの幼虫などの昆虫が食べ、葉っぱについていた微生物だけをエサとして吸収して、葉っぱ自体は細かく砕いて排出するのだ。
そんな排出された葉っぱにもまだ微生物はくっついているので、そこからまた腐敗が始まるんだけど、今度はその細かくなったものをミミズなどが食べるんだよね。
ミミズもそこにいる微生物をエサとして、さらに砕いて、粒状にしてから排出するのだ。

こうして物理的な衝撃や生物による消火でどんどん繊維質がきられていって、細かくなっていくんだ。
さらに、この過程ではずっとカビやバクテリアが繁殖しているので、その作用で高分子のタンパク質や脂質、糖質などの有機物が分解されて、低分子の無機物に変化していくんだ。
重要なのはなんと言ってもアンモニアなどの無機窒素とリン酸。
植物は基本的に光合成で光と水、二酸化炭素からブドウ糖を作ることはできるんだけど、これはエネルギーを作り出しているだけで、生育するためには窒素、リン酸、カリウムが必要なのだ。
そのうちの窒素とリン酸がこうして供給されるわけ。

植物自体は落ち葉などを分解してそこから窒素やリン酸を再開周することもできないし、もともと高分子のままでは根っこから吸収できないのだ。
なので、カビやバクテリアに分解してもらって、低分子の無機物にしてもらう必要があるわけ。
持ちつ持たれつなんだよね。
腐葉土はまさに天然の肥料で、植物の生育にとって重要なものなのだ。
カビやバクテリアは落ち葉自体を砕く力はないから、昆虫やミミズなどが細かく砕いて土状にしてくれることも重要なんだよ。
そうでないと根っこでそこから栄養が吸収できないのだ。

園芸店なんかで売っている腐葉土は人工的に作ったもので、落ち葉などを集めてきて、機械で適当に砕いてからそこに土を混ぜて、山状に積み上げるのだ。
そこに水をかけて少し放っておくと、土の中にいたカビやバクテリアなどの微生物が繁殖し始めて、腐敗(発酵)が始まるのだ。
人工的に作る場合はここにミミズなんかを加えることもあるんだけど、一度山を崩してよく混ぜて、またtみあげる、なんてことをすると葉っぱが細かくなるので、それですませることが多いのだ。
なので、売っている腐葉土は葉っぱの形がそのまま残っていたりするものが多いよね。
これは途中に昆虫やミミズがあまり関与しないので砕ききれていないのだ。
それでも肥料にはなるんだけどね。
肥料としてまいてから、そこに昆虫亜ミミズが来てもいいわけだし。

この原理を応用して、最近では生ゴミをたい肥化する機械なんてのもあるよね。
ミキサーみたいにカッターが中についていて、かき混ぜながら生ゴミを切り刻み、そこにカビやバクテリアを繁殖させて発酵させるのだ。
腐敗菌でも腐葉土のような発酵の仕方だとそんなに臭くなくて、森の中のちょっと甘ったるい感じのにおいなんだよね。
これはどういう微生物が繁殖しているかで決まるので、「タネ菌」が大事なのだ。
もう少し大型のものになると、さらにミミズも加えて本格的に腐葉土にするようなものまであるんだよね。

街中ではどうしても落ち葉はじゃまもの扱いされて、集められてゴミ袋に入れられてしまうのだ。
個人的には街路樹のところや公園に集めて腐葉土を作ったらいいと思うんだけど(そんなに臭くないし)、きっと燃えるゴミとして処理し絵いると思うのだ。
モッタイナイ!
ま、落ち葉で焼きいもを焼くのであれば、また話は別なんだけどね(笑)

2007/12/01

リトマス

小学生の理科の時間に、リトマス試験紙を使って液体の酸性やアルカリ性(塩基性)を調べる実験ってよくやるよね。
リトマス試験紙の色素は酸性では赤く、アルカリ性では青くなるのだ。
試験紙には青と赤の2種類があるけど、これは製造するときに添加する硫酸の量の違いで、多めに入れると酸性になるので赤い試験紙ができて、少ないと青になるというわけ。

このリトマス試験紙に使われている色素はリトマスゴケなどの地衣類からとれるのだ(「コケ」という名前だけどコケじゃないのだ!)。
地衣類というのは特殊な生物で、菌類と藻類が共生したものなんだよね。
カビの菌糸で作られた網目構造の中に藻(シアノバクテリアや緑藻など)がいるという形で、見た目はこけのようだけど、色が淡かったりするのでわりと見分けられるのだ。
古い木の樹皮なんかによく生えているよ(かぴかぴに乾燥したエメラルドのやつをよく見かけるけど、それが地衣類なのだ。)。
スペインのデ・ビラノバさんという化学者が1300ころに発見したらしいんだけど、今では化学的に合成することが多いみたい。

このリトマスの他にもpH指示薬に使われる薬品はあるよね。
チモールブルー、メチルレッド、メチルオレンジ、フェノールフタレインなんかが有名だけど、どれもリトマスほど広範囲をカバーできなかったり、カバーする範囲がずれていたりするのだ。
リトマスは中性をはさんで酸性とアルカリ性を見極められるので、中和したかどうかを調べるのに向いているんだよね。
弱酸性から弱アルカリ性を調べるのに便利なのだ。
他の指示薬もカバーする範囲では大きな色の変化があるので、その範囲でpHを調べたいときにはよく使われるんだよ。

そんな指示薬の中にフェノールレッド(フェノールスルホンフタレイン)というのがあるんだけど、これは細胞の培養液に入れられるんだ。
アルカリ性では赤いんだけど、中性になると黄色くなるんだよね。
通常細胞の培養液は弱アルカリ性で(これは生物の体内と同じ環境だよ。人の血液はだいたいpH7.4に保たれるようになっているのだ。)、代謝が進んで老廃物=酸化物が出てくると、pHが酸性側にかたむいてくるんだ。
基本的に生物はものを酸化(=燃焼)させてエネルギーを作るので、酸性物質が代謝物として出てくるのだ。
で、代謝物が一定程度たまってくると液性が変化してpHが弱アルカリ性から酸性側にかたむいて中性に近づくので、液の色が赤から黄色になってくるわけ。
これが培養液の交換の目安になって便利なので、入れられているのだ。

リトマスは天然色素だけど、他にも天然のものでpH指示薬に使えるものはあるんだよね。
よく夏休みの宿題の知恵なんかで出てくるのが紫キャベツの汁。
紫キャベツの葉っぱを刻んで、少し塩をしてしぼるだけでとれるんだけど、酸性だと赤くなって、中性だと紫、アルカリ性だと青~緑になるのだ。
リトマスと同じような変化なんだよ。
で、家にあるお酢とか、石けん水、重曹なんかの液性を調べるというわけなのだ。

アジサイは土壌のpHで花の色が変わることが知られているけど、きっとこの紫キャベツと同じような実験ができるはずなんだよね。
アジサイも紫キャベツも同じアントシアニン系の色素で色が変わるので、原理は同じはずなのだ。
なので、アジサイの花(本当はガク)をたくさんとってきて、刻んでつぶして、しぼり汁をとれば同じようなことができるはず!
ただ、きっとしぼり汁をとるのがそもそも大変で、しかも色が薄かったりして使いづらいから紫キャベツを使うんだろうけど(笑)
きれいなアジサイの花を無理矢理むしることもないのかもね。
ちなみに、アジサイの場合は土壌の酸性度が強いと青くなって、酸性度が弱いとピンク色になるのだ。
アジサイの花が青くなってきたら土に卵の殻をまくと色が赤くなっていくんだよ。
それと、土壌のアルミニウムの量でも色が変わるらしいので、土に1円玉を大量に埋めておくと、色の変化があるのかも。