2007/12/02

落ち葉から土

今日はお散歩で川沿いのトレイルを歩いてきたんだけど、それこそかなりの量の落ち葉がつもっていたのだ。
この落ち葉はやがて腐葉土(または腐植土)になって、それがまたそこに生えている植物の栄養になるんだよね。
生態系というのはなかなかよくできたものだよね。

落ち葉は動物に踏まれたり、雨で濡れた後に乾燥したりすると繊維質が切れて、やわらかくなったり細かくなったりするんだよね。
そんな落ち葉にはやがてカビやバクテリアが生えてきて、表面から腐敗が進んで行くのだ。
すると、この腐敗してきた落ち葉をダンゴムシやカブトムシの幼虫などの昆虫が食べ、葉っぱについていた微生物だけをエサとして吸収して、葉っぱ自体は細かく砕いて排出するのだ。
そんな排出された葉っぱにもまだ微生物はくっついているので、そこからまた腐敗が始まるんだけど、今度はその細かくなったものをミミズなどが食べるんだよね。
ミミズもそこにいる微生物をエサとして、さらに砕いて、粒状にしてから排出するのだ。

こうして物理的な衝撃や生物による消火でどんどん繊維質がきられていって、細かくなっていくんだ。
さらに、この過程ではずっとカビやバクテリアが繁殖しているので、その作用で高分子のタンパク質や脂質、糖質などの有機物が分解されて、低分子の無機物に変化していくんだ。
重要なのはなんと言ってもアンモニアなどの無機窒素とリン酸。
植物は基本的に光合成で光と水、二酸化炭素からブドウ糖を作ることはできるんだけど、これはエネルギーを作り出しているだけで、生育するためには窒素、リン酸、カリウムが必要なのだ。
そのうちの窒素とリン酸がこうして供給されるわけ。

植物自体は落ち葉などを分解してそこから窒素やリン酸を再開周することもできないし、もともと高分子のままでは根っこから吸収できないのだ。
なので、カビやバクテリアに分解してもらって、低分子の無機物にしてもらう必要があるわけ。
持ちつ持たれつなんだよね。
腐葉土はまさに天然の肥料で、植物の生育にとって重要なものなのだ。
カビやバクテリアは落ち葉自体を砕く力はないから、昆虫やミミズなどが細かく砕いて土状にしてくれることも重要なんだよ。
そうでないと根っこでそこから栄養が吸収できないのだ。

園芸店なんかで売っている腐葉土は人工的に作ったもので、落ち葉などを集めてきて、機械で適当に砕いてからそこに土を混ぜて、山状に積み上げるのだ。
そこに水をかけて少し放っておくと、土の中にいたカビやバクテリアなどの微生物が繁殖し始めて、腐敗(発酵)が始まるのだ。
人工的に作る場合はここにミミズなんかを加えることもあるんだけど、一度山を崩してよく混ぜて、またtみあげる、なんてことをすると葉っぱが細かくなるので、それですませることが多いのだ。
なので、売っている腐葉土は葉っぱの形がそのまま残っていたりするものが多いよね。
これは途中に昆虫やミミズがあまり関与しないので砕ききれていないのだ。
それでも肥料にはなるんだけどね。
肥料としてまいてから、そこに昆虫亜ミミズが来てもいいわけだし。

この原理を応用して、最近では生ゴミをたい肥化する機械なんてのもあるよね。
ミキサーみたいにカッターが中についていて、かき混ぜながら生ゴミを切り刻み、そこにカビやバクテリアを繁殖させて発酵させるのだ。
腐敗菌でも腐葉土のような発酵の仕方だとそんなに臭くなくて、森の中のちょっと甘ったるい感じのにおいなんだよね。
これはどういう微生物が繁殖しているかで決まるので、「タネ菌」が大事なのだ。
もう少し大型のものになると、さらにミミズも加えて本格的に腐葉土にするようなものまであるんだよね。

街中ではどうしても落ち葉はじゃまもの扱いされて、集められてゴミ袋に入れられてしまうのだ。
個人的には街路樹のところや公園に集めて腐葉土を作ったらいいと思うんだけど(そんなに臭くないし)、きっと燃えるゴミとして処理し絵いると思うのだ。
モッタイナイ!
ま、落ち葉で焼きいもを焼くのであれば、また話は別なんだけどね(笑)

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