2017/03/25

フランス人の大好物はイタリア仕込み

フランスと言えばジャムがおいしいことで有名!
いろんな果物のいろんなジャムがあるのだ。
日本で輸入物を買うと高いけど、現地で買えばそこまででもないんだよね。
なので、日本では買えないような高級品にも手が出てしまう・・・。
ところが、そんなジャムがアルというのに、フランス人がよくパンやクレープにつけるのはヌテラだったりするんだよね(笑)

ヌテラは、イタリアのフェレロ社が販売している、チョコレート風味のスプレッド。
ヘーゼルナッツペーストに砂糖、ココア、脱脂粉乳などを加えたもの。
常温では固まってしまうカカオバターの代わりにヘーゼルナッツ由来の常温で液体の植物性油が入っているので、常温では固まらず、パンなどにぬるスプレッドにできるのだ。
チョコレート風味のピーナッツバターみたいなものだよね。
なぜかこれが人気で、カフェなんかでもヌテラを使ったデザートがけっこうあるよ。
特に、ヌテラをぬったクレープは定番みたい。

ヌテラを使ったお菓子もあって、ヌテラ味のクッキーとか(チョコレートがけクッキーのチョコ部分がヌテラ)、「やんやんつけ棒」のようにヌテラにスティック状ビスケットをつけるものも。
そして、ホテルの朝食では、当たり前のように、一人用使い切りのヌテラがあるのだ。
ジャムと同じように並んでいるよ。
米国だとピーナッツバターがあったから、扱いがおなじなんだなぁ。

ヌテラの英語サイトによれば、1946年に、イタリアのピエモンテ州でペーストリー職人だったピエトロ・フェレロさんが作り出したもの。
当時は第二次大戦後でココアが非常に貴重品で配給が少なかったので、その貴重な少量のココアにたくさんとれるヘーゼルナッツのペーストと砂糖をまぜ、バターのような固形のカカオ風味ペーストを作ったのがはじまりとのこと。
これはジャンドゥーヤと呼ばれるもので、1951年には、クリーム状になったパンにぬりやすいタイプができがったんだ。
これはスーパー・クレマ・ジャンドゥーヤで、瓶詰めされて販売されるように。
1964年に名前がヌテラになり、1965年にドイツで発売されたのを皮切りに、1966年には欧州中に広がったんだって。

日本でも見かけないことはないけど、そこまでメジャーじゃないよね。
なので、フランスでそこら中で見かけるのがおどろきだったのだ。
スーパーには様々な大きさの便があるからね。
とうてい食べきれないほどの大容量のものも・・・。
ほぼ毎日のように使う家庭もあるのかなぁ?

このヌテラを作っているフェレロ社は、最近はコンビニやドラッグストアでもよく見かけるようになった、フェレロ・ロシェを作っている会社でもあるんだ。
中にヘーゼルナッツクリームが入っているまるいチョコレートだよ。
ボクは洋酒漬けのさくらんぼがチョコレートで包まれているモン・シェリの方が好きだけど。
そして、チョコレートでできた卵のからの中におまけが入っているキンダー・サプライズ(チョコエッグ)もフェレロ社のものだって!
ヌテラ以外は日本にも浸透してきているなぁ。

実はなかなかすごい会社なんだね。
チョコレート風味スプレッドでここまで会社を大きくするとは。
でも、それだけヌテラが欧州で愛されているということなんだよね。
その浸透度合いにもまたびっくりだ。

2017/03/18

ドーバーをくぐる

三連休になったので、それを利用してちょっと旅行することにしたのだ。
行き先は、いろいろ考えた上でロンドン。
パリからだとユーロスターで行けるしね。
というわけで、生まれて初めてドーバー海峡を渡ることになったのだ。

ユーロスターは欧州の高速鉄道のひとつで、1994年に開業。
当時は大きな話題になったよね。
今ではロンドン-パリ間を催促2時間15分で結んでいるのだ(最高時速300km)。
東京からだと京都まで、というところ。
そう考えるとなんだか納得だなぁ(笑)
ユーロスターはクラスが3つあって、ビジネス、スタンダード・プレミア、スタンダードとあるんだけど、ビジネスならホットミールが、スタンダード・プレミアならコールドミールが提供されるんだ。
このあたりのサービスは飛航空便を意識しているのかな?
最新の列車だと社内でWiFiも使えるようだし、快適な旅になりそうだ♪

ユーロスターの開業に当たってはドーバー海峡の海底トンネルがみそなわけだけど、なんと、その構想は18世紀までさかのぼれるみたい。
すでにそのときに海底にトンネルを掘って大陸とグレートブリテン島を結ぶアイデアがあったのだ!
1855年のパリ万博には、海峡トンネルの模型まであったらしいよ。
で、トンネル掘削会社まで作って掘り始めたんだけど・・・。
建設中止。
きっと土木技術が追いつかなかったのだ。

戦後になって、1978年に再度掘削が開始されたんだけど、やっぱり注視。
そして、1986年に再び工事に着工し、1990年にトンネルがやっと貫通したのだ。
構想から230年あまり。
いかに大変な土木事業だったかがわかるよね。
で、この工事には、日本の企業も活躍しているのだ。
川崎重工製と三菱重工の掘削機が活躍したんだよ。
特に、フランス側からの掘削に使われた川崎重工の掘削機は難工事をこなしたということで、NHKのプロジェクトXにも取り上げられたんだよね。

海底トンネルというとまっすぐ作られているようにも思えるけど、実際にはけっこうくねくねしているのだ。
岩盤の関係で必ずしもまっすぐは掘れないんだろうね。
掘削には、TBM工法とシールド工法が試用され、円盤形の歯のついたシールドで丸く削りながら進めていくタイプのものなのだ。
これをイギリス側(フォークストン)からとフランス側(カレー)からで掘り進めていってつなげたんだよね。
海底部の総距離では37.9kmと青函トンネルを抜く世界一のものなので、まさに世紀の大工事だったのだ(陸上部を含めると世界第3位)。

だけど、大工事であるが故に工費は当初計画の6倍にものぼったとか。
さらに、想定よりも乗客も少なかったため、多大な負債になったみたいだよ・・・。
ユーロトンネル会社が管理運営を行っているんだけど、トンネル使用料収入だけじゃ赤字で、2006年にはいったん経営破綻したみたい。
ただし、最近ではユーロスターの旅客数も増えてきていて、挽回してきているみたい。
でも、こういう話を聞くと、日本の三セクと変わらないんだなぁ、と正直思ってしまうね(笑)

ちなみに、ユーロスターは最高時速が300kmだけど、トンネル内は160kmに抑えないといけないみたい。
これはトンネルの問題じゃなくて、トンネルの陸上部でより遅い(時速140km程度)貨物列車や車運搬用のシャトル列車とのすれ違いがあるためらしいけど。
海底部トンネル内は、列車用の単線トンネルが2本とその真ん中にサービス用トンネルがある構造なので、本来はトンネル内でのすれ違いは気にする必要はないんだよね。
確かにトンネル内で複線だと、すれ違うときの風圧が問題になるのでだめだけど。

とにもかくにも、乗るのが楽しみだ。
青函トンネルは北斗星で通ったことがあるんだけど、それとの違いが気になるところだね。
これは鉄ちゃんじゃなくてもわくわくするのだ。

2017/03/11

生搾りリンゴ

フランスに来てからよく見かけるようになったのが、リンゴのお酒のシードル。
ビールとともに、アルコール度数の低いお酒としてかなりメジャーな存在なのだ!
それに、ガレットを食べるときにはつきものなんだよね。
どちらもブルターニュの名産。
フランスではかつて水事情がよくなく、生水が飲めなかったので、アルコール度数の低いシードルは飲料として重要だったみたい。
アルコールに比較的弱い日本人にはなかなか理解しづらいけど(笑)

このシードル、製法はいたって簡単なのだ。
リンゴを皮ごとつぶして果汁を搾り、発酵させる。
これだけ。
リンゴの皮には天然でアルコール発酵を行う酵母がついているので、皮ごと果汁を搾ればいいんだって。
ただし、日本のように湿度が高いと、他の雑菌が繁殖する可能性があるので、そうは簡単にいかないけど。
それでも、それに気をつければ、家庭でも作れるものみたい。
実際、英や仏ではかつて家庭で作っていたみたいだし。
ただし、日本の場合は酒税法の関係で勝手にお酒を醸造しちゃいけないので、注意が必要だよ(アルコール度数が1%未満に抑えられればいいみたいだけど、市販のシードルは4~5%くらいみたい。)。

シードルの材料となるリンゴはそれ用のもので、しかも、甘みが強いもの、酸味が強いもの、少し渋みがあるものなどいろいろと種類があるみたい。
単純な製法なので、材料となるリンゴによりかなり風味が変わるようなのだ。
それと、発酵期間を調節することで、アルコール度数が比較的低くて甘めなもの、とか、アルコール度数が高くて辛口のもの、などなど種類も豊富なんだって。
フランスに来るまでそこまでバラエティがあるとは知らなかった・・・。

工業的な製法としては、生搾り果汁をそのまま発酵させるんじゃなくて、果汁を濾過したりして濁りを除いた後、人工的に酵母を加えて低温で発酵させるんだって。
発酵が終わった後に遠心分離・濾過して澱を取り除き、瓶詰めするのだ。
いわゆる「火入れ」はせずに発酵を熱で止めないので、瓶の中でも多少は発酵が進んで、発泡性のお酒になるよ。
シャンパンなどのスパークリングワインは、まずはベースとなるワインを作ってから、それに糖分と酵母を加えて二次発酵させ、同じように瓶詰めするのだ。
なのでアルコール度数が高いんだけど、シードルの場合は果汁を発酵させるだけなので、そこまでのアルコール度数にはならないのだ。

日本で本格的に発泡性リンゴ酒のシードルが作られ始めたのは戦後のようなんだけど、実は、戦前にニッカウヰスキーがアップルワインという名称でリンゴ酒を製造していたのだ。
朝の連続ドラマ「マッサン」で有名になったけど、もともと余市にウイスキー工場を作ったとき、ウイスキー製造には数年の時間がかかるので、まずはリンゴジュースの製造・販売から始めたんだよね。
そのリンゴ果汁を使って、非発泡性の醸造酒を造ったのだ。
そう言えば、ドラマにもアップルワインが出てきたような・・・。
今でもニッカのシードルは日本で売られているけど、これは戦後にアサヒ飲料が始めたシードルをニッカが引き継ぐ形で作っているものみたい。

シードルはアルコール度数が低いのだけど、これを蒸留してアルコール度数を高くしたのがカルヴァドス。
ただし、カルヴァドスはシャンパン同様に原産地呼称規制(AOC)の対象で、ノルマンディー産リンゴを基にしたもの以外はアップルブランデーと呼ぶんだそうだよ。
カルヴァドスを作るときには、いろんな風味のシードルを混ぜて作ることが大事なんだそうだよ。
さらに、リンゴだけでなく、洋なしが原料に使われることもあるそうなのだ。
このブレンドで蒸留酒になった後の風味がかなり変わるようなのだ。
これには熟練の技と知識が必要とされるみたい。
日本ではどちらかという製菓用のお酒のイメージなので、そこまでこだわりがあるとは思わなかったよ。

2017/03/04

乾杯とは杯を乾かすと書く

この前、中国の人と中華レストランで会食をしたんだよね。
その場で出てきたお酒が、中国の蒸留酒の「白酒(バイジュウ)」。
アルコール度数がめちゃくちゃ高くて、そのとき出てきたやつは52度だって!
いわゆる「スピリット」と呼ばれるお酒だよね・・・。
中国酒だと、紹興酒に代表される「黄酒(ホァンチュ)」が有名だけど、これは透明で香り高いお酒なんだ。

紹興酒などは日本酒と同じように、お米を原料にして、麹と酵母で並行複発酵させて作るんだけど(麹がデンプンを糖に変え、それを酵母がアルコール発酵させる。)、原料はモロコシ(コーリャン)。
蒸したモロコシに大麦や小麦、エンドウなどで作った麹の塊をまぜ、土の中に埋めて発酵させるんだそうだよ。
日本ではなかなか考えられない作り方だ・・・。
この麹の塊の中にはアルコール発酵を行う酵母も混ざっていて、塊のまま発酵していくんだって。
どろどろのもろみを造る日本酒や焼酎とはだいぶ様相が異なるのだ。
この塊を蒸留し、得た液体を瓶に入れて長期間熟成すると、「白酒」になるんだけど、仕上がりはだいたいアルコール度数は50度くらい。
芳香成分を多く含み、独特の香りがあるのだ。
ちなみに、蒸溜した後に残る「酒粕」は豚のえさにするんだって。

中国の宴席での乾杯にはこの白酒を使うのが通常で、小さなグラスにそそぎ、文字どおり「乾杯」するのだ。
なんか、日本の体育会系計の飲み会みたい・・・。
ボクも最初の一杯はつきあったけど、アルコール度数が50度もあるとのどが焼けるようだから、これはなかなかつらいよ。
中国は日本よりもお酒が強い人が多いんだね。
というより、アジア地域でここまでアルコール度数が高い蒸留酒は白酒くらいなんだよね。
泡盛だと最高で60度くらいあるけど、多くのものはブランデーとかウイスキーと同じらいで、白酒はウォッカとかジン並の高さ。
中にはスピリタスのような96度なんていうほぼエタノールというのもあるから、世の中は広いよ(笑)

でも、20世紀末くらいからアルコール度数の低い白酒も出回り始めているんだって。
今は40度くらいの低度酒が主流になりつつあるとか。
それでも十分にアルコール度数は高いと思うけど。
嗜好の変化だけでなく、海上輸送の制限とかいろいろあるんだって。
確か、その会食の時は、中国の人が持ち込んでいたよ(笑)
そこまでしなくていいのに。
それにしても、それをストレートで飲むんだから、中国はやっぱりあなどれない!

ちなみに、蒸留酒自体は古代メソポタミアや古代エジプトにもすでにあったことが知られているという歴史のあるもの。
今のような蒸留方式が確立されたのは錬金術の時代なんだとか。
中国での蒸留酒作りがいつ始まったのかはよくわかっていないみたいなんだけど、中世欧州で確立された技術が東南アジア経由で伝わったのでは、と考えられているらしいよ。
とはいえ、古代社会にもあったから、もっと単純なものはシルクロードで伝わっていたかもしれないけどね。

2017/02/25

21世紀の花金

いよいよ「プレミアムフライデー」が始まったのだ!
「ゆうかつ」に引き続き、安倍政権の働き方改革の一環として打ち出されたわけだけど・・・。
どうなるだろうね?
下馬評は必ずしもよくないし、どこまで効果が見込めるのか、というか、本当に実施できるのか、というのが問題のような気もするけど。
これが普通にできるようになれば、もともと博物館・美術館の多くが金曜日は遅くまで空いていたりするし、金曜を移動日に使って土日に旅行を楽しめるしで、レジャー関係には追い風なはず。
でも、「ゆうかつ」もそこまで大成功という感じじゃないからね(>o<)

もともとの問題は、日本人は休みも取らないし、残業も多いという勤務形態。
でも、実は祝日の数だけを見ると、日本は世界でもかなり多い方!
「山の日」も増えて年間16日もあるので、これはトップクラスの多さなのだ。
(欧米はだいたいが10日くらい。)
とれないとはいえ、年間で20日間の有給休暇も認められるし、本来は36協定もあるので、制度上はきちんとしているのだ。
なので、問題は、働き方の意識の方なんだよね。
そう、休む権利を持っているのに休まない(休めない)のが問題なので、こういうイニシアティブをはじめても、きちんと15:00で仕事を終えて帰るとは考えづらいし、まさに、世間でもそう思われているよね。

この関係で行くと、日本の祝日制度にある「ハッピーマンデー」というのも、欧米から見るととても不思議な制度に見えるようなのだ。
つまり、火曜とか木曜に祝日があれば、月曜や金曜に休暇を取って4連休にする、というのが欧米式の考え方で、なぜ祝日を月曜日に移動して3連休を作り出すのかがわからないんだって。
自由に休みが取れる社会であればおっしゃるとおりなんだけど、日本の場合、祝日なら休めるけど・・・、という人が多いので、歓迎されるんだよね。
まさに、この制度があること自体がワーカホリックの象徴なのだ(笑)
その祝日ですら返上で働いて、さらに、代休も取れなくて、なんて話もよくあるから、これはもう社会全体で意識を変えていかないといけない問題だと思うよ。

さらに、今年は運悪く、祝日が土曜日に当たることが多い年。
そして、ゴールデンウィークも、昭和の日が土曜に当たってしまうため、連休は短め。
というわけで、嘆いている人が多いわけだけど、これも欧米の人からしたら、だったら自分で休みを取ればいいじゃない、というだけの話なんだよね。
そもそも日本では夏期休暇も1~2週間というのが普通で、中にはお盆に3日間とか、全くとれないなんてのも。
一方で、欧米はバカンスと称して数週間。
これだけ休みに対する意識の差があるのは事実。

でも、欧米の人たちから見ると、日本の働き方は、休みも取らないからリフレッシュされないし、終期を明確に決めずにだらだらと残業して効率が悪い、と見ているみたい。
確かにそういう面もあるにはあるんだよね。
慢性的なマンパワー不足で仕事が回らないというけど、だったら、仕事の量を減らすように業務改善するか、マンパワーを増やす、ということを考えるのが欧米式のスタンダード。
今いる人員で業務の内容・量も変えずになんとかしよう、というのは毒されている日本の考え方なのだ(笑)
ここが解決できれば、プレミアムフライデーとか言わなくてもすむんだよね。

でも、これは一朝一夕には解決しない問題であるのも事実。
男女共同参画の話題でも問題になることだけど、まずは「affirmative action」として強制的にそういう状況を作り出して、「既成事実」としてそういう制度を根付かせてしまう、というのもやり方ではあるのだ。
でも、そのためには、表面上うまいことデータを集めて効果があったとごまかすんじゃなくて、少数であっても、きちんと実行して意味があったという例を積み上げていく必要があるんだよね。
というわけで、きっと批判は多いけど、とにかくやってみることが大事かもしれないのだ。

2017/02/18

シャワーの水をやわらかく

フランスの水道水は硬水。
とにかくカルシウムが多いのだ。
で、水滴を拭き取らないと白い点々が残るくらいならいいんだけど、洗濯物もごわごわになるし、髪を洗った後に髪の毛もごわごわになるのだ(>_<)
ボクはまだ髪が短いからましだけど、髪が長い女の人にはけっこうきついみたいだよ。
もともと毛が柔らかいブロンドの毛だと問題ないのかな?

これについて調べてみると、世の中には「軟水化シャワー」なるものがあることがわかったのだ。
シャワーヘッドにカートリッジがついていて、出てくる水が軟水になるんだって!
どうも、これで髪を洗うと髪がごわごわにならないらしい。
ちょっと魅力的だよね。
で、実は日本の会社の製品がドイツで作られていて、欧州域内には配達してくれるみたいなんだよね。
でも、それとはまた別に、Bioの店で売られているものもあると聞いたので、近所のBio専門店に見に行ってみたんだ。
そこにあったのは、バクテリアやトリクロロメタンを取り除くというカートリッジ付のシャワーヘッド!
でも、これでも水は軟水化されるそうな・・・。

自分なりに考えてみたんだけど、確かに主目的ではないにせよ、カルシウムイオンが除去されるかもしれないんだよね。
というのも、この浄水器型のシャワーヘッドは、逆浸透膜を使っているようで、それにより水道水中の塩化物イオンなどを取り除く仕組みのようなのだ。
するt、電気的に中立でないと困るので、マイナスの電荷を持つ塩化物イオンとともに、プラスの電荷を持つイオンが同時に取り除かれるはず。
とすると、水道水中に多量に含まれるカルシウムイオンがそれに該当することになるのだ。
なので、カルシウム除去が目的じゃないにしても、毛かとしてカルシウムが取り除かれて、軟水化されてもおかしくないのだ!

ちなみに、逆浸透膜というのはとてもとても目の細かい穴の空いた膜で、水分子はその穴を通れるけど、プラスやマイナスの電荷を持つイオンは通さないというもの。
イオンそのものの大きさは水分子とさほど変わらないものもあるのだけど、通常は水中ではイオンの周りに水分子がまとわりついている状態(水和)で安定しているので、穴を通れないのだ。
この逆浸透膜で濃度の異なる水溶液を仕切ると、濃度が均一になるように濃度が高い方から低い方に水分子だけが移動するんだよね。
このときの「濃度」というのは、必ずしも同じ物質が溶けている必要はなくて、いわゆる「浸透圧」が均一になるように水が移動するのだ。
結果として、もともと濃度が濃かった方は液量が増えて、薄かった方は液量が減るわけ。
なので、水溶液の高さが逆浸透膜の両側で変わることになるのだ。

これは浸透圧の違いで自然にそうなるんだけど、逆に、外から加圧してあげると、逆浸透膜の両側で濃度の異なる水溶液を作ることができるのだ。
つまり、圧力を外から加えると、その分の浸透圧を押し返させるので、それに見合った濃度差が作れて、水分子だけを圧力がかかっていない方に移動させあれるのだ。
この原理を使っているのが、逆浸透膜を利用した濾過装置。
シャワーヘッドや蛇口に装着するカートリッジの場合、水道のもともとの水圧を使っているわけ。
もちろん、使っているとどんどんカートリッジ内にはイオンがたまってしまう(=浸透圧がそれだけ大きくなる)ので、水道の水圧だけでは濾過できなくなるので、定期的に交換する必要があるよ。
フィルターの目詰まりみたいなものだよね。

というわけで、化学的に考えてみると、普通のシャワー装着型浄水器でも水は軟水になりそうなのだ。
実際にそういう体験談もあるし、試してみる価値はあるかも。
あとは、もともと軟水化をうたっているものと比べて、メンテナンス費用でどっちがお得かだね。

2017/02/11

定期的に入れ替えよう

職場で備蓄食料の入れ替えがあったんだよね。
どんなものが備蓄されているのかはまったくしらなかったんだけど、古くなったものでまだ消費期限が来ていないものは「御自由にお持ち下さい」となったので、どういうものがあったのかそこではじめてわかったのだ。
実際に出てきたものは・・・。
缶詰!
ミートソースのラビオリと、ほうれん草、それにシュークルーと(酢漬けキャベツの煮たもの)。
日本だともっといろんなものがあったけど、フランスだとそんなに日持ちするような食料品がないのかなぁ・・・。

そもそも長期保存可能な食品としてナポレオン時代に瓶詰めが発明されたんだよね。
ナポレオンは長期遠征をしたので必要だったのだ。
同時期に発明されたのがブランデー。
これも長距離持ち運べるようにとの工夫。
でも、便だと割れる危険があるし、重いので、やはり携行には不便な点も多かったのだ。
これに対し、英国で缶詰が発明されたんだよね。
ガラス瓶より丈夫な金属の容器に入れる、というものだったんだけど。
そうして、便利な缶詰はその後いろんな工夫がなされ、様々な食品が長期保存できるようになったのだ。
今では缶切りが不要なものが主流になりつつあるよね。

缶詰は、中身を詰めて密封してから加熱加圧滅菌するので、保存性はきわめて高く、通常は数年はもつのだ。
普通のものでも2~3年。
長いものだと5年以上。
入れ物自体が頑丈で積み重ねられるので、備蓄食料として保存するには適しているんだよね。
ただし、缶詰はどうしても製造工程上熱を通す必要があるので、たいていは蒸したもの・煮たものになってしまい、味が単調になりがちなのだ。
たまに食べるのはいいにしても、非常時に毎食食べるにはちょっときついものがあるよね・・・。

日本では、伝統的には塩漬けや乾物が備蓄食料として食べられてきたのだ。
この延長線上にあるのが先の大戦時に普及したアルファ化米。
もともとは伊勢物語の「東下り」にも出てくる「糒(ほしいい)」で、米を炊いてから乾燥したもの。
むかしは天日干しだったので、水でふやかして戻しても炊いたお米とは別物だったんだけど、アルファ化米はお湯で戻すと炊きたてとはいかないまでも、そこそこのごはんが食べられる代物なのだ。
戦後も非常食やレジャー(特に山登り)の携行品として重宝されたんだよね。
この発想の少し先にあるのは即席麺。
乾燥した麺をお湯で戻すわけだけど、カップ麺ならお湯を注ぐだけでできるし、けっこうおいしいので、多くの家庭では非常食として備蓄されているのだ。
ただし、カップ麺の賞味期限は6ヶ月と意外に短く、消費期限で考えても1年は越えないので、備蓄食料という点で保存性に劣るものなのだ(>_<)

ところが、非常時にはそのお湯さえも手に入らないことが多いんだよね・・・。
なので、伝統的な乾パンなんかが備蓄食料としては重要なのだ。
最近では、密閉缶に詰められてより保存期間が長くなったものもあるよ。
似たようなもので、コアラのマーチとか、食パンの缶もあるのだ。
フランスでもこういうのがあるとよいのだけど、バゲットでもクロワッサンでもこだわりが強いから難しいのかな・・・。

お湯がなくてもなんとかなるものとしては、レトルト食品があるのだ。
もともとは米陸軍の携行食品の保存性を高める技術として開発されたものなんだけど、アポロ計画で宇宙食に採用されて一気に注目度が上がったのだ。
ところが、米国では巨大な冷蔵庫が普及していて、冷凍食品を使うことが多かったので、米国ではあまり発展せず、日本で発展することになるのだ。
ボンカレーは山登りのともとしておなじみだけど、今では様々なレトルト食品があるよね。
温めた方がおいしいけど、非常食として売られているものは温めなくてもおいしく食べられる、というものもあるよ。
そして、アルファ化米がいまいち好きになれないという人のために、パックごはんもあるのだ。
ごはんはデンプンが糊化して固くなっているのでさすがに温めないと食べづらいとは思うけど・・・。
レトルトの場合は缶詰ほどではないにせよ、1~2年は保存できるので、備蓄するにはカップ麺より優秀なのだ。

さらに最近の技術として出てきているのはフリーズドライ。
これも宇宙食で採用されて注目を集めたものだけど、普通の乾燥食品よりおいしくもどせるんだよね。
お湯さえあればおいしく食べられるし、保存性も高いのが魅力なのだ。
何より、コンパクトで軽量にできるので、携行性が高いんだよね。
そういう意味では、備蓄するというより、お湯が手に入る状況での携行食としての方がその真価が発揮できるのだけど。
でも、ごはんがあればお味噌汁もほしいところで、フリーズドライのお味噌汁はなかなか魅力的なのだ(笑)

いずれにしても、やっぱり消費期限はあって、永遠に保存できるものではないので、備蓄をしつつ、保存期間をチェックしながら古くなったものは入れ替えていくのが大事なんだろうね。
でも、入れ替えるときに古いものは消費することになるから、やっぱりおいしく食べられることも大事そうなのだ(笑)
そうでないと、そもそも備蓄をしなくなってしまうんだよね。