2021/05/08

中間的な形態

コロナで飲食店の時短営業が続いているのだ・・・。
20:00以降はもう胃が移植ができなくなっているわけだけど、ちょっと仕事がたてこむともう間に合わないんだよね(>_<)
かといって、家で自分で作るのもめんどうだし。
というわけで、「中食(なかしょく)」がはやっているのだ。
弁当屋惣菜を持ち帰って、家であたためたり、ちょっとアレンジを加えたりして食べる。
飲食店でサービスを受けながら食べる「外食」と、家で自分で食事を用意して食べる「内食」との中間的な形態だから「中食」なんだって。

言葉としては80年代頃から表れているらしいんだけど、あまり一般的には聞かない言葉だったよね。
コンビニやスーパーなどの流通業界や弁当屋業界なんかでは有名だったのかもしれないけど。
おそらく、意天間で利用すいていなかった層もコロナ禍を機に利用するようになって広まって一般的になってきたのだ。
今ではコンビニ弁当だけでなく、いろんな飲食店がテイクアウト用のメニューを充実させているから、バリエーションが広がったよね。
揚げ物ばかりの弁当とはおさらばだ!
そして、一部の業態に限られていたデリバリーが域に広がって、いろんな飲食店のものが「出前」できるようになったから、さらに広がりがポオ奇異のだ。
温めるだけの冷蔵・冷凍品をミールきっとなんかもあるし、外食しなくても、内食でなくても、ありとあらゆるものがおうちで食べられるようになってきているよね。

言葉はなかったけど、「中食」自体はむかしからあったんだよね。
近世の江戸は、独身男性が非常に多く住む百万都市で、かつ、町人や下級武士の多くはお金もないので、ファストフードや中食が発達していたようなのだ。
江戸のファストフードと言えば、寿司、そば、天ぷらなどなど。
多くは屋台での立ち食いで、さっと食べられるのが魅力。
「中食」としては、料理屋の仕出しやウナギの出前のような高級なものもあるんだけど、庶民相手には惣菜の量り売りが家々をm割ってきたんだよね。
挽き割り納豆にたれとネギを混ぜて売っていた納豆売り、煮豆売り、佃煮売りなどなど。
天ぷらなんかは軽食としても食べるけど、家に持ち帰って白斑のおかずとして食べるのもあったみたい。
江戸においても一膳飯屋のような安価に食べられる飲食店はあったし、もう居酒屋は存在しているのだけど、毎食そこで食べるのはつらいので、家でごはんだけ炊いて、おかずを別に調達する、というのが一人暮らし(特に男性)のスタンダードだったみたい。
コンビニ・スーパーの弁当やファストフードのテイクアウトを家でさみしく食べる姿っていうのは、以外と江戸時代からあまり変わっていないのかも・・・。

で、コロナ前までは、「中食」というと、パーティ料理の仕出しや寿司の出前のようなものでもない限り、家庭では手抜き料理と言われ、一人暮らしでは孤食と呼ばれ、どこかネガティブなイメージだったんだよね。
「お一人様」というポジティブな言葉を津kぁうばあいは、「中食」ではなく、どちらかというとちょっと高級なお店での一人での外食みたいなイメージがあるし。
ところが、コロナ禍で事由に飲食店に行けなくなった今、「中食」のネガティブなイメージはだんだん薄れてきていて、むしろ、自宅にいながらここまで楽しめる、的な感じに替わってきているよね。
商品・サービスの提供側もそういうマインドで拡大路線をとってきているみたいだし。
おそらく、これを景気に一つの食文化になっていくんだろうなぁ。
もちろん外食で食べるのもよいのだけど、よりお手軽に家にいながら本格的なあじをたのしめるっていうのは、コロナに関係なく魅力的だよね。
その土壌が形成されつつあると思うのだ。

2021/05/01

蜜を吸ってはいけない

 今年の桜は早めに咲いて、あっという間に散ってしまったのだ。
気温が高めだったから、八重桜もいつの間にか終わってた。
で、今はちょうどツツジが咲き乱れてる!
GWだから、もうそんな季節か。
ツツジが咲くと春真っ盛りという気がするよね。

ツツジに似た花に、サツキ、シャクナゲ、アザレアなんかがあるよね。
これらはみんな同じサツキ属の植物。
似ていて当たり前で、西洋ではみんなまとめて「azalea」なんだよね。
区別して読んでいるのは日本くらいらしい。


ツツジはよく庭木や街路樹になっているけど、わりと乾燥に強く、丈夫なのだ。
がんがん排気ガスが係るような道路沿いでもきれいに咲いているよね。
花が咲くのは4~6月。
枝先の花芽に1~3輪の花がつくのだ。
落葉樹なので秋には葉が落ちるんだけど、その葉には細かい毛が生えていて、光沢がないのだ。
ちなみに、山の中に自生しているのがヤマツツジ、霧島山に自生していたツツジを園芸品種にしたのがキリシマツツジで、公園や道沿いに植えられているのが主にこれ。

一方、1月ほど遅く咲く、ちょっと小さい花がサツキ。
花の時期は5~7月で、旧暦の皐月、五月雨(=梅雨)の頃に咲くのだ。
もともとは水際に自生することが多く、根が水に強いので、水気が多いところが得意。
雨の時期に咲くのも意味があるのかも。
逆に、ツツジはあんまり水をあげすぎると根腐れするよ。
花は小さいけど、枝先の花芽に1~3輪の花が咲くのはツツジと同じ。
花が咲いている時期はツツジのミニチュアなんだよね。
でも、花以外の時期には違いがあって、葉はツツジと比べて小さく、照りがあって毛もなし。
そして、サツキは常緑樹なので秋に葉が落ちないよ!
つまり、冬には簡単に見分けがつくわけ。

3つめのシャクナゲは、ツツジや五月に比べる地より派手なイメージの花だよね。
花の時期はちょっと短めで4~5月。
しかしながら、シャクナゲの場合、枝先の花芽に5~10輪の花が咲くのだ。
これがシャクナゲの方が派手に見える所以。
そして、葉はツツジより少し細長で、表面に照りがあるけど、裏には毛が生えているのだ。
サツキと同じく常緑樹で、ツツジやサツキがたいてい低木なのに対し、時に背が高くなることもあるんだそうな。

どれも基本の花色は赤、ピンク、白なんだけど、園芸品種が数多く作られていて、黄色、紫、オレンジと多種多様なのだ。
そして、育てやすいというのも特徴で、それが園芸で好まれてきた理由なんだろうね。
これらはアジアに自生する植物だったんだけど、魅せられた欧州人が持って帰って園芸品種にしたのがアザレア。
アザレアは一般名称でもあるんだけど、日本では、欧州で園芸品種になったものが逆輸入の形で入ってきたものをアザレアと呼んでいるよ。
欧州のものは、台湾に自生していたツツジをもとに複雑な交雑を経てできあがったものなんだって。

で、花はきれいなんだけど、このツツジ属の植物にはグラヤノトキシンという毒が含まれていて、品種によっては蜜の中にも致死量に達するほどの量があるのだとか。
安全なものもあるけど、そうでないものとの見分けは専門家でも難しいそうだよ。
小学生が花を摘んでおしりから蜜を吸ったりするけど、極めて危険なんだって!
そういう子供を見かけたら注意しないとね。

2021/04/24

ちょっと先では甘かった

 最近、いろんなところで台湾パイナップルを見つけるのだ。
なんでも、中国本土が台湾パイナップルの輸入を禁止したため、行き場がなくなって困っていたところ、これまで他の場面で台湾にはお世話になったし、友好的感情も持っている日本が引取りを申し出た、ということのようなのだ。
西友で売り始めたのをきっかけに、いろんなところで見かけるようになった。
ボクはもともとパイン好きなので、ちょっと気になっていたんだ。

そして、ついに買ったのだ!
最初は、「ああ売ってるな」という印象しかなかったんだけど、テレビで「台湾のパイナップルは品種改良が進んでいてとても甘い」というのを見てから気になって、気になって(笑)
これまで、フィリピン産はわりと甘いけど、台湾のすぐ近くの沖縄産はそこまで甘くなくて、加工専門だったんだよね。
なので、台湾産も草だと勝手に思っていたんだけど、そうではなかったのだ。
台湾ではかなり進化していた、というわけだね。


もともとは南米はブラジル原産の果物。
「新大陸発見」後、15世紀に欧州に渡り、そこからたちまち世界に広まっていったらしい。
酸味が強いものもあるとはいえ、当時の果物としてはかなり甘かったんだろうね。
フィリピンはスペインの植民地だったので16世紀半ばには伝わり、ポルトガルの植民地だったマカオ経由で中国には17世紀初めに入ったようなのだ。
南国フルーツなので復権で栽培されるようになり、それが17世紀半ばに台湾にも流れていったみたい。
ただし、これは伝わったと言うだけで、大々的に栽培が始まったわけでもないようなのだ。
台湾でパイナップルが盛んに作られ始めたのは、どうも日本統治時代からのようなんだよね。
そこからは世界三大産地の一つに数えられるほどに!

当初は主要輸出産物として主に缶詰に加工されて海外市場に出され炊いたのだ。
ところが、台湾が経済成長していくと人件費などのコストが上がり、価格競争力が弱くなっていき、かつ、田の東南アジア諸国でも生産が盛んになって輸出が減っていったみたい・・・。
そこで、目を内需に向け、国内消費用の果物に替わるのだ。
甘さが追求されるようになるのはここが転換点。
現在のパイナップルは、糖度が高く、芯も柔らかいので切り分けて皮をむけば食べられるんだ。
へたとおしりを切り落とし、縦に等分して皮をそぐようにむけばOK。
自分で切ってみるとわりと簡単。

一方で、いわゆる普通のパイナップルは、そのままだと酸味が強いので、多くはシロップ漬けにするとか加工品になるんだよね。
熱をかけると甘さが引き立つし、パイナップルの中に含まれるタンパク質分解酵素のおかげで肉が軟らかくなるので、酢豚に入ったり、ハンバーグに載せられたりするのだ。
(パインを食べ過ぎるとしびれたり、ぴりぴりするのは、アレルギー反応ではなくて、タンパク質分解酵素で口腔内の粘膜の表面が傷ついているのだ・・・。)。
で、この通常パインは、芯は硬いし、甘さもなくて食べられないので、円柱状にくりぬくんだよね。
その後に皮をむくと、いつも見る輪っか上のパインができあがるのだ。
あれはもともと中心に穴があるわけでも何でもなく、可食部でない芯を取り除いた跡に過ぎないのだ。
世の中にはパインカッターなる便利な道具もあって、へたとおしりを切り落としたらそれで芯をくりぬきつつ、皮をむけるんだ。
そうすると、真ん中に穴の空いた円柱状のパインができるので、それを輪切りにすればいいというわけ。
ちなみに、沖縄産では「スナックパイン」という甘みの強い品種があって、これはちぎりながら食べられるという優れもので、切り分ける必要すらないよ。
台湾だけがすごいわけじゃないのだ。

そして、台湾でメジャーな果物となったパイナップルはお菓子界にも進出。
台湾土産と言えば、「パイナップルケーキ(鳳梨酥)」が有名だよね。
これも内需拡大の結果生まれたもののようだよ。
甘さの中身さわやかなパインの酸味があっておいしいよね。
今はなかなか海外に行けないから、こっちのおかしも日本に来てくれるといいんだけどなぁ。

2021/04/17

さんこいち

復興庁が作ったキャラクター「トリチウムちゃん」があっという間に撤回されたのだ。
正直なところ、センスを疑うものだったので、早めに引き上げたのはよかったと思うけど。
もともと、福島のアルプス処理水の海洋放出の是非の問題があって、その理解を助けるために、と作られたものなんだろうけど、なんだかねぇ。
昭和のにおいのする広報のやり方なんだよなぁ。
けっきょく、こうして話題になっても、テレビなんかで報道するときは、そもそもトリチウムとは何か?、というのには行き着かないんだよね。
ただただおそろしい放射性物質という印象しか与えないのだ。
わざとかもしれないけど。

トリチウムは、和名では三重水素。
この名前からもわかるとおり、最も単純な構造の元素である水素の同位体なのだ。
陽子ひとつでできた核のまわりをひとつの電子が回っているのが水素原子。
陽子ひとつと中性子ひとつでできた核のまわりをひとつの電子が回っているのが重水素(デューテリウム)。
そして、陽子ひとつと中性子ふたつの核のまわりをひとつの電子が回っているのが三重水素(トリチウム)なのだ。
陽子と中性子はほぼ質量が同じで、電子は陽子・中性子に比べてきわめて質量が小さいので、いわゆる普通の水素の三倍近い重さを持った特殊な水素ということになるよ。
なお、中性子が三つ以上入った核を持つ水素の同位体もあるんだけど、いずれもものすごく短い半減期で崩壊するので、天然では見られないのだ。

質量という物理的な性質は大きく違うわけだけど、反応性などの化学的性質はほぼ同じ。
なので、普通に酸素と結合して水になったりするのだ。
重水素でできた水は重水、トリチウムができたミスはトリチウム水(三十水素水)だよ。
ただし、重水素でも存在比率は1%ほど、トリチウムは天然ではごくごく微量にしか存在しないので、自然界には、ふたつtomoが重水素又はトリチウムになったような水はあまり存在せず、ふたつの水素の内野どちらかが置き換わったものがあるのだ。
そうすると、水としての分子量は、普通の水(H2O)が18、半重水(DHO)が19、重水(D2O)が20、トリチウム水が20(THO)、21(TDO)又は22(T2O)となるんだけど、最大の22と最小の18を比べても、2割強増しくらい。
水素原子単独で見るより差はかなり小さくなるよね。
※実際には、酸素にも同位体がいるので、もっとバリエーションがあるよ。

トリチウムは、半減期12.32年でβ崩壊(電子を一つ外に放出)してヘリウム3になるのだ。
天然ヘリウムの多くは、陽子×2+中性子×2の書くからなるヘリウム4なので、それより少し軽いヘリウム原子になるわけ。
質量数が小さい原子にしてはわりと長い半減期で、ごく微量ながら天然にも存在しているのだ。
それは、宇宙船の中性子又は陽子が大気中の酸素や窒素と反応し、原子番号を2落とした元素とトリチウムが生成されるから。
窒素14の場合は炭素12とトリチウム、酸素16の場合は窒素14とトリチウムだよ。
こうして次々に自然界でも供給されていて、それが水の中に溶け込むので、常にほぼ一定の比率で自然界に存在しているんだ。

今回問題視されているのは原子力発電所由来のトリチウム。
自然界でもできているんだけど、それよりも遙かに多くの了が原子炉の中でできているんだよね。
で、他のもっと有害な核種(放射性同位体)を除いた後でも、水の中に混じり合ってしまうトリチウムは除ききれないので、福島のアルプス処理水の中にはトリチウムが大量に入っているのだ。
これを十分に希釈した上で海洋放出する稼働がもんだいだったわけ。
現実的には、トリチウムは生体濃縮はないと考えられていて、普通に見ずとして代謝されていってすぐに体から抜けていくのでそこまで危険視はされていなくて、基準値以下まで希釈して海洋放出mというのが各国の原発で行われてきているのだ。
今回もその考え方にならっているんだけど、事故由来のものであるということ、事故時に海に一部の放射性物質が漏れ出てしまってそれが問題視されてたことなどのもろもろの経緯が積み重なって、原発の排水と全く同じようにはできなくなっているのだ。

つまり、十分に希釈されていれば科学的には問題ないはずなんだけど、事故由来の「汚染された水」がまた海洋を汚染する、ととられかねないことが問題なわけ。
したがって、「風評被害」を抑える必要があって、隣国に声高に騒がれたくないし、「親しみやすい」キャラクターを作って理解を促したい、となったと思われるのだ。
これはうまくいかなかったわけだけど、
地手レアシーの問題は結構深刻で、こういうときにクリティカルにきいてくるんだよなぁ。

2021/04/10

まみれたものたち

ネットで、ダイソーの油漬けカキの缶詰が話題になっているのだ。
110円(税込)でおいしいんだって、中国産らしいけど。
日本ではあまりなじみがないけど、欧米では油漬けってわりとメジャーな保存方法なんだよね。
肉や魚介だけでなく、野菜やキノコなんかもあるのだ。
日本でもっとも家庭に浸透しているのはシーチキンの油漬けかな?

日本では江戸後期になるくらいまで植物油は貴重品。
すでに平安時代にはゴマは伝わっていたけど、ごま油は高級品だったのだ。
当時は明かりのための燃料としても重要で、そのためには安価なものだと鰯の魚油なんかがつかわれたんだけど、なにぶん燃えるとくさいので、むしろ良い香りがする植物油は高級品だったのだ。
江戸時代に合って、菜種油が普及してきて、ゴマやワタの栽培が盛んになると食用油として植物油が使われるようになり、天ぷらのようなファストフードも生まれるんだよね・
それまでの日本式の保存食は、天日乾燥(干物や干し柿、かんぴょうなど)、塩漬け、味噌漬け、粕漬け、ぬか漬け等々。
乾燥させるか高濃度の塩分で水分を吸い取ったものか、発酵系のものに漬け込んで腐敗じゃない、人間にとって都合の良い微生物を繁殖させたもの。

一方、欧州ではかなり早い段階でオリーブから油がとられていたんだよね。
紀元前数千年という古い時代からっちちゅうかいちいきで栽培が始まり、ローマ帝国の拡大によって、欧州、北アフリカ、アラブなどにも広まっていくのだ。
新約聖書の世界では何かと油をぬる、かける、なんて描写が出てくるけど、これらの油はオリーブ油だと考えられているよ。
日本との大きな違いは、むかしから食用油としても利用されていたこと。
そいう背景の中で、保存食を作るときにあぶらにつける、という発想が出てくるのだ。

最大のポイントは、油自体は腐らないということ。
油の中では腐敗性の微生物は繁殖できないんだよね。
おそらく、むかしから油は腐らないことはわかっていたので、その中に食べものを入れておけばいいんじゃね?、というのは自然な流れなのだ。
基本、水分があると腐りやすいのだ。
なので、乾燥させたり、塩分で水分を吸い取ったりして保存性を高めるわけだけど、水に触れないように油に入れるのでもいいわけなのだ(あまり水分が多いものをそのまま入れるとドレッシングのように水と油が分離するので、ある程度水気を切ったもの、すなわち、軽く干したものや塩漬けにしたものを油漬けにすることが多いのだ。)。
かつ、油には様々な香味成分が溶け出すんだよね。
香辛料やハーブを入れた油は良い香りや味がつけられるのだ。
それが漬け込む過程で食べ物にも移るんだよね。

では、油漬けに弱点がないかというと、そういうわけでもないんだよね。
油は腐敗しないけど、参加して劣化するのだ。
透明でさらさらな油が濁ったり粘ついたりするのだ・・・。
紫外線、空気(酸素)、熱の3つが劣化の要因。
なので、冷暗所で密閉して保存するのが油を長持ちさせるこつ。
イコール、油漬けをおいしく保つこつなのだ。
オリーブ油が多くの場合濃い色の瓶に入っているのは酸化を防ぐため。
おしゃれな油漬けの野菜なんかは透明な瓶に入っていることもあるけど、これを明るいところに置いておくとどんどん油が酸化してきて、味が落ちるよ。
要注意!

ネットで調べると、様々な油漬けレシピが見つかるのだ。
ジャムと違って、原理的には瓶を煮沸消毒しなくてもよいのだけどできるだけきれいなものをつかうのは言うまでもないとして、できれば色のついた瓶の方がいいわけ。
透明な瓶のバイ愛は光の当たらない場所で保存が原則。
漬け込む前に水分が多いと油もしみていかないので、野菜やキノコなら軽く干してから、肉や魚なら軽く火を通したり、燻製にしたり、塩漬けにしたりして水分をあらかじめ抜いておくとうまくいくみたいだよ。
ネットのレシピでは余ったお刺身を「ヅケ」ではなく油漬けにしましょう、なんてのがあったけど、そのまま切り身を油に入れてもおそらくそんなにうまくいかないのだ。
塩をしてしばらく放置してからキッチンペーパーでよく水分をふきとってから漬け込むと良いよ。

2021/04/03

焼けた鉄の板の上でおどれ!

うちは記念日とかの特別な日にちょっとゴージャスに外食しよう、となると鉄板焼きを選ぶことが多いのだ。
目の前で手際よく焼いてくれるのは見ているだけで楽しいよね。
米国に留学しているときは、向こうに伝わって鉄板焼きの「ヒバチグリル」に連れて行ってもらったことがるんだけど、さらにパフォーマンスが派手なんだ。
エビのしっぽを高く上げてシェフ帽に載せてみたり、ぐちゃぐちゃとまわりにまき散らしながら豪快にガーリックライスを作ったり・・・。
そんなことしているから肉はたいてい焼きすぎなんだけど(笑)

でも、日本のものはなかなか見事で、注文したとおりに焼き具合で仕上げてきてくれるよね。
鉄板の上でさっさっと肉を切っていくのもすごいのだ。
さすが職人技の国。
そのむかし、グルメ漫画の王道「美味しんぼ」では、鉄板焼きをかなりこき下ろしていたけど、いつものように言いがかりみたいな所もあるんだよねぇ。
山岡さんが問題視してたのは、鉄板の上で作業をし続けるので肉にどんどん余計な日が入ってしまうし、そもそも絶妙な温度調節ができないので、表面にさっと焼き目をつけてあまり高くない温度でゆっくり中に火を通す、なんてことができない、というもの。
ところが、一流と言われるような鉄板焼きのお店では、鉄板の温度にグラデーションができていて、温度が高いところと低いところがあるんだ。
なので、ちゃんとじっくり火を通す、高温でさっと火を通す、なんてこともできるのだ。

そもそも、鉄板の厚さとかにも工夫があって、肉や魚介をのせたときに鉄板表面の温度が下がらないよう、かなり分厚いものになっているんだよね。
家庭用のフライパンやホットプレートでうまくいかないのはこのせい。
肉をのせた瞬間に表面の温度が下がってしまうのだ。
これはその後の加熱も同じで、鉄板が熱いがゆえに温度を上げづらくもあるので、焼いている最中に温度を一定に保ちやすいのだ。
フライパンだとこの温度管理はけっこう難しいんだよね。
なので、海外では焼き目をつけた後はオーブンに入れてじっくりと火を通したりするのだ。

今のような鉄板焼きのスタイルを始めたのは神戸の「みその」と言われていて、寿司屋におけるカウンターから客に提供するスタイルからヒントを得たとか。
どちらも料理人がその場の作ったものを出してさっと食べてもらうというのは確かに同じだよね。
寿司でも草だけど、料理人さんとの会話も楽しめるのだ。
フランス料理のジョエル・ロブションは世界で一番たくさんミシュランの星をもっているシェフとして有名だけど、ジョエル・ロブションのレストランのうち「ラトリエ」の名を冠しているところがまさにこのスタイル。
ゲストに対して料理人さんが張り付いて、目の前で最後の仕上げをして料理を提供するのだ。
厨房でシェフが作ったものをギャルソンが運んでくるスタイルとはかなり異なるよね。
この料理はおいしかった、シェフを呼んで、とか言わなくても、目の前の料理人さんと会話も楽しめるわけ。この日本式鉄板焼きは海外にも広がっているんだ。
最初は日系ホテルの中のレストランで提供されたようだけど、そのスタイルが気に入られ、普及していったようなのだ。
米国ではパフォーマンスに特化する方向に魔進化したところもあるけど、世界に広く受け入れられた日本のソフトパワーの一つなんだ。
ステーキなら生魚の苦手な外国の人も食べやすいし、寿司より抵抗感がないかもね。

2021/03/27

東西の差

全国的に桜が咲く季節になってきたのだ。
開花と思ったら、あたたかい容器が続いて一気に花開いたね。
3月中に満開近くになるのもめずらしいかも。
春の風に散る花びらがまた風流だ。

この季節のお菓子と言えば、桜餅。
桜の葉の塩漬けから香る桜の香り(主にクマリンという成分だよ。)がすがすがしいよね。
塩味も上品な甘さを引き立てるのだ。
そして、有名な話として、関東と関西では桜餅と言ったときに思い浮かべるものが違うんだよね。
東西で全く異なるお菓子になっているのだ。

東の桜餅は長命寺桜餅。
隅田川沿いにある長命寺の門前で売られていたのが有名得、そう呼ばれるのだ。
桜色の小麦粉をベースとしたもっちりしたクレープ上の生地で案を挟んだり包んだもの。
元祖長命寺桜餅は桜の葉3枚で巻くんだけど、通常は1枚なのだ。
クレープ生地は小麦粉の他に餅粉とかも入れるみたい。
多くはこしあんだね。

西の桜餅は道明寺桜餅。
道明寺粉(蒸した糯米を干してから粗く挽いたもの)を使ってつぶつぶ感の残る餅皮を作り、大福やまんじゅうのようにあんこを包むのだ。
やっぱり餅皮は桜色になっていて、長命寺と同様に桜の葉で巻くのだ。
桜色のおはぎを葉っぱで包んだような見た目。
こちらはつぶあんもあるみたい。

桜餅という名称で売り出したのは長命寺の方が早いっぽいんだけど、お菓子の形状で言えば、道明寺の方が伝統的なものなので、桜餅という名称だけいただいて作り出された可能性があるんだよね。
和菓子の元祖とも言われ、道明寺粉の餅皮に餡を包んで椿の葉で挟む「椿餅」は平安時代からあるのだ。
これは京菓子。
だとすると、桜餅という名称だけを聞いた京都の和菓子職人であれば、けっこう容易に道明寺桜餅の形を思いつくと思うんだよね。
だとすれば、あんまりどっちの桜餅の方が古いとか争うこともなくて、自分の好みで好きな方を選べば良いはずなんだ。
ボクは割と両方とも好きなので、最近より見る長命寺と道明寺のセットものを買うことが多いよ(笑)

同じように、東と西で呼び名が変わる甘味があるんだよね。
それが汁粉。
関東の場合、汁気があるものは粒が残っていようがいまいが汁粉なんだけど(つぶがあるのが田舎汁粉、つぶのないのが御膳汁粉)、関西では、粒が残っているものはぜんざい、粒がないものが汁粉なのだ。
なので、西野出身の人は田舎汁粉の意味がわからないんだよね!
さらに、汁気がなく、やわらかくした餅に小倉あん(多くの場合はつぶあん)を載せたものを関東ではぜんざいと余分だよね。
関西ではこれを亀山などと呼ぶのだ。
こうなると、東の人から言うと、汁気がないのがいいのに、関西に行ってぜんざいを頼むと汁粉が出てきてしまうのだ。

桜餅の場合、名称だけ同じで形状が異なるのだけどお、汁粉・ぜんざいの場合は入り組んでいるので、自分が思ったものとは違うものが出てくる、というのがよりまぎらわしいのだ。
さすがに情報化時代でいくらでもこの手の情報に触れるので今は混乱が少ないだろうけど、ネットが発達する前は、関西と関東の間を引っ越したりすると混乱があったのだろうなぁと想像するよ、。
けっこう身近なところで日本文化も多様性があるよね。