2024/09/28

やめへんでぇ

 兵庫県知事は不信任決議を受けても辞職はしない、ということを表明したのだ。
でも、議会を解散するわけではなく、期日までに議会を解散せずに自動的に失職したうえで、その後に行われる知事選挙に改めて立候補するんだって。
ん?なんだこれ・・・。
だったら辞職したうえで、いわゆる「出直し選挙」をしたらいいんじゃないの、と思うのだけど、それは違うようなのだ。
さすが元総務官僚。
こういうところのルールには詳しいみたいだよ。

いわゆる「出直し選挙」の場合、当選後の任期が「もともとの任期満了までの残余の期間」となるのだ。
今回の場合、2021年8月1日付で知事に就任しているので、もともとの任期は2025年7月31日まで。
なので、いったん辞職して「出直し選挙」に出て、当選した場合の任期は、この来年7月末までのままなのだ。
そう、「出直し選挙」をしても1年弱しかないわけ。
せっかく選挙をするのにコスパが悪い!

で、失職してからの知事選の場合、当選後の任期は4年きっかりもらえるのだ。
今の見込みだと11月中旬くらいの投開票のようなので、2028年の11月中旬まで知事でいられるわけ。
「出直し選挙」だろうが仕切り直しの知事選だろうが、有権者の受け止めは変わらないだろうから、現職の知事にとっては厳しい選挙であることは必至。
それを勝ち抜いた後に待っている任期の長さが4倍も違うんじゃね。
この選択はそこだけ見ると頭がよいように思う。

このルールの隙間をついたような話は、公職選挙法の規定によるものなんだ。
公職選挙法第259条の2は「地方公共団体の長の任期の起算の特例」を規定していて、「地方公共団体の長の職の退職を申し出た者が当該退職の申立てがあつたことにより告示された地方公共団体の長の選挙において当選人となつたときは、その者の任期については、当該退職の申立て及び当該退職の申立てがあつたことにより告示された選挙がなかつたものとみなして前条の規定を適用する。」となっているのだ。
何が書いてあるのかわかりにくいけど、現職の地方公共団体の主張が辞職して行われる選挙にその現職首長が「出直し選挙」として立候補し、当選した場合は、その任期はもともとの任期のままとする、ということだよ。

首長の辞職はいつでも任意でできるわけで、任期満了の前に他の候補予定者が十分に準備できないうちに「出直し選挙」に持ち込むことが可能なので、その場合は圧倒的に現職が有利なのだ。
それなのに、その当選後に人気がリセットされるとけっきょく現職が居座り続けることにもなりかねな、ということで1962年(昭和37年)の改正で導入された条項なんだそうだ。
なので「条の2」ということなんだけど、公職選挙法(1950年公布)とか地方自治法(1947年公布)は戦後すぐの法律だから、10年くらい運用してすでに悪いことをし始めた不埒な首長がいた、というこなんだな・・・。

ちなみに、現職の知事が辞職又は失職し、改めて選挙で選ばれた場合、地方自治法では不信任決議が可決された場合にしか首長は地方議会を解散できないので、県議会の構成は変わらないまま。
つまり、民意がどうであろうと、首長と議会の対立は続くんだよね・・・。
今の議会は昨年4月の統一地方選で選出されているので、残りの任期は2年半ある。
その間、ずっと知事と議会が対立し続けると・・・。
まだ知事を続けたいなら、本来は議会を解散したうえで自分も辞職して、すべてを民意に問う、というのがいいのかなぁ。

2024/09/21

三番目のやつ

 確か中学校で習うのだけど、大気の構成で、一番多いのが窒素の役78%。
ついで酸素が約21%。
で、残りの1%の中に光合成に使われる二酸化炭素などが入っているのだけど、実は、堂々の三位は「アルゴン」なのだ。
アルゴンは約0.9%で、残りの1%枠のほとんどはこれなのだ。
で、アルゴンって何?って気になるよね。

化学的には、アルゴン(Ar)は不活性ガスである貴ガスの一つで、原子番号は18。
(ボクは「希ガス」と習ったけど、最近は「貴ガス」というらしい。)
第18族元素と呼ばれるもので、ネオン(Ne)の下、クリプトン(Kr)の上だよね。
この縦のラインは最外殻の電子殻のうちs軌道とp軌道が閉じている(電子がすべて埋まっている)ので、反応性が低く、「不活性ガス」とも呼ばれるのだ。
なので、基本は反応することなく、空気の中で孤高の存在として漂い続けているわけだよ。
でも、それってどこから来たんだって?、というのが疑問になるよね。

その出自も明らかで、こえは地殻中にあるカリウム(K)の放射性同位体であるK40が放射性崩壊することでできるのだ(半減期は12.48億年)。
40は、約9割がベータ崩壊で電子を放出してカルシウム(Ca40)になるのだ。
で、残りの1割が電子捕獲で、原子核中の陽子が最内殻のs軌道から電子を一つ取り込んで中性子になって電子ニュートリノを出すことでAr40になるんだ。
このAr40は安定同位体で、かつ、化学反応もしないので、そのまま空気中に残り続けるわけ。
ということは、ちょっとずつアルゴンの量は増えているのだろうか?
宇宙全体では同じ安定同位体でもAr36が圧倒的に多いみたいだけど、地球や火星のような岩石型惑星の場合、岩石中に多量に含まれるK40からの供給でAr40が増えるみたい。

ちなみに、地球全体の自然放射線としては、このK40の崩壊による寄与が大きいんだって。
エネルギー的にはトリウムやウランのような核燃料に使われる元素の方が大きいのだけど、存在量が半端ないので、これら二つと並んで自然放射線の約1/3を占めているみたい。
カリウムを多く含む鉱物は長石で、中でも、花崗岩は長石を6割ほど含むのでカリウム含有率が高いのだ。
というわけなので、花崗岩は比較的多くの放射線を出しているんだ。
花崗岩は墓石に使われることが多いので、ガイガーカウンターなんかで測ってみると、墓場は少しカウントが高いんだよね。
東日本大震災の後、福島の影響を見る、とか言って街中でガイガーカウンターをもってうろついていた人がいるけど、もれなく墓場付近でカウントが高くなっていたはずなのだ。
ちなみに、かつて(昭和から平成に代わる直前)東京大学病院の敷地内で不法投棄された放射性同位元素が見つかった、という事件があって、そのインパクトから、東京大学キャンパス内を反原発の運動家がガイガーカウンターをもってサーベイしまくったらしいんだよね、
そのとき、ここはカウントが高い、汚染されている、と騒いだ箇所にはやはり花崗岩が大量に使われていたらしいのだ。
バックグラウンドレベルから少し高い程度なんだけど、知ナマコになって探すとそういうことになるのだ・・・。

で、このアルゴンは、化学反応性が低いのでふっ活性ガスとして工業分野で割とよく使われるのだ。
空気から取り出すのも比較的楽で、空気に圧力をかけながら冷却していって液体窒素と液体酸素を作るんだけど、この液体酸素から分留することで得られるんだって。
古いデータだけど、2004年には約40万トン生産されていたというからけっこうすごいよね。
ちなみに、もっとよく見かける貴ガスのヘリウムは、天然ガスと一緒に算出するんだよね。
日本は長らくほぼ全量を米国からの輸入に頼っていたんだけど、米国の生産量が減ってからは供給源の多様化を図っているみたい(生産量が減って「ネズミの国」で風船が販売停止になったこともあったよね・・・。)。

2024/09/14

ハンバーグは、やっぱり食べ物です。

 「飲めるハンバーグ」というキャッチフレーズのお店で食中毒が発生したのだ。
ここのハンバーグは半生というか、中がまだ赤い状態で提供されるんだよね。
で、割るとそこからじゅわっと大量の肉汁があふれ出す、というもののようなのだ。
ボクはひき肉料理は「よく焼き派」なのであまりそそられないんだけど、最近はやりのハンバーグだよね。
有名なのは、大行列もできるという静岡拠点の「さわやか」。
でも、実は「さわやか」のハンバーグはブロック肉を専門の工場で表面を焼いて殺菌してからミンチにし、その場で真空パックして各店舗に短時間で届ける、というスタイルなんだよね。
つまり、可能な限り、肉が最近に汚染されないように細心の注意が払われているのだ。
そこまでしているからこそ「生焼け」で提供できるわけだけど、必ずしも「インスパイア系」はそうではないのかも・・・。

今回の食中毒の原因は腸管出血性大腸菌ことO157とされているよ。
この細菌は通常はほとんど病原性がない大腸菌は、赤痢菌が持つ毒素である志賀毒素(滋賀トキシン)を獲得したことにより、赤痢と同じように腸管内で出血させ、ひどい下痢を起こさせるものなのだ。
いつものことだけど、高齢者は子供は特に危険で、急性腎不全になる場合もあるのだとか。
かなり前だけど、すごい話題になった菌だよね。
それが再びの注目なのだ。

もともとこのO157は、ウシの町内風呂^らに普通にいる菌なんだって。
ウシに対しては病原性がなく、ベロ毒素が悪さをしないため、ウシが無症状キャリアになるのだ。
そんなわけで、牛肉、特に、ホルモンを扱うような場合、O157汚染のリスクは極めて高いのだ。
かつて焼き肉屋でユッケ食中毒が発生して生肉の提供が禁止になったけど、ずさんとは言えないようなものでも、細心の注意を払わないとダメなのだ。
問題になった焼き肉屋の場合はかなりずさんな扱いだったようだけど・・・。
で、先に紹介した「さわやか」の場合、そもそもブロック肉だけをもってきて、細菌に汚染されている可能性がある表面は焼いて滅菌したうえでそこをトリミングしてひき肉にするんだよね。
こうすると、十分に清潔な環境であれば、ひき肉が再起の線される可能性は極めて低いのだ。
それを真空パックにして各店舗に届けるので、あとは、各店舗でまた最新ンお注意を払って取り扱うことになるよ。
焼き肉屋と違って各店舗では内臓系の肉を切ったりもないだろうから、キッチンを清潔に保っていればいのだろうけど。

そういうわけで、やっぱり生に近い肉というのはリスクがあるのだ。
九州ではメジャーな鳥刺しも、鶏の腸管に普通に存在しちぇいるカンピロバクターに汚染されると食中毒になるんだよね。
よほど新鮮なのをきちんと取り扱わないとダメなのだ。
レバ刺しも同じで、まわりで腸管などの別のホルモンを扱っていれば当然汚染のリスクがあるわけで。
ウシの生レバーが禁止された後に豚レバーを出す店もあったけど、そもそもブタは寄生虫がいるので生食はダメなんだよね・・・。
食文化としては、きちんと扱っていれば大丈夫なので発展してきたわけだけど、ずさんなことをする人たちが出てきて食中毒のリスクが看過できなくなったので禁止になるのだ。
でも、フランスなんかはもっと適当に扱ってそうだけど、普通に生肉のタルタルステーキを食べているような。
風呂にもあまり入らないし、普段から不潔だから耐性があるのだろうか?

というわけで、よく火を通しましょう、ということに尽きるんだけど、食中毒の場合、火を通せばよいというものでもないんだよね。
有名なのは翌日のカレーは危険がいっぱいという話。
ジャガイモが入ったカレーを常温保存すると、ウェルシュ菌に汚染されている場合は食中毒を起こすのだ。
また、ちょっと前に話題になった「5日前のパスタを食べたために死亡した事件の通称「チャーハン症候群」。
こっちはセレウス菌が原因。
ウェルシュ菌もセレウス菌も、芽胞を作ることができるんだけど、この芽胞状態だと沸騰させたくらいでは死滅しないのだ。
なので、芽胞状態で耐え忍んで、冷めてきたところで増殖、となると、食中毒につながるんだよね。
常温で長期間放置せず、冷蔵庫に入れた方がいいよ、ということなんだけど、セレウス菌の場合、作り出した毒素も熱に強いので、温めなおしてもその毒素は無効化できないという罠があるのだ。
なので、冷蔵保存する場合は、冷めやすくなるように小分けにして、というのが大事らしいよ。

2024/09/07

やめないのをやめて

 兵庫県知事の問題が連日報道されているのだ。
それにしても、よく毎日毎日新しエピソードが出てくるものだ。
知事本人は「記憶にない」とか「そのような認識はない」とか答えているけど、職員やまわりの人から見たらいろいろと「お世話」が大変な人みたいだね・・・。
しかも、都道府県において知事の権限は強いし。

今回はいろんなことがあってから、兵庫県議会が地方自治法に基づき、通称「百条委員会」を設置して調査を進めているんだよね。
これは名前のとおり、地方自治法第100条に規定されているものなのでそう呼ばれるんだけど、地方議会が地方自治事務について調査を行うことができる、と定めているもの。
これは、憲法第62条の国政調査権の地方自治版と言えるもので、憲法上の規定の「証人の出頭及び証言並びに記録の提出を要求することができる」に対応して、地方自治法では、「選挙人その他の関係人の出頭及び証言並びに記録の提出を請求することができる」と規定されているのだ。
今回は知事はまさに「関係者」として議会から出頭を命じられているわけ。

で、呼ばれるだけなら適当にはぐらかす、ということもできないわけでないのだけど、この表情委員会の場合、地方自治法第100条第7項で「宣誓した選挙人その他の関係人が虚偽の陳述をしたときは、これを三箇月以上五年以下の禁錮に処する」と規定されているのがポイント。
裁判所と同様、この百条委員会の調査において嘘をついた場合、刑事罰があるのだ。
なので、今回の知事の対応でも、「事実無根」のような反論は一切していなくて、「記憶にない」、「そのような認識はない」と言っているわけだよね。
さすがに知事としても自分の行為が全く問題ないとは思っていないということだと思うのだ。

この百条委員会はあくまでも調査をするものなので、仮に、この調査によって「知事はパワハラをしていた」と結論付けられた場合は、その次の対応があるのだ。
議会としてそういう人物が知事としてふさわしくないと思えば、不信任決議を出すことができるのだ(地方自治法第178条)。
これも憲法第69条の内閣不信任決議と同じで、地方議会で首長の不信任決議が出た場合は、その議会を解散するか、解散しない場合は失職するかしないといけないわけ。
今回の兵庫県知事についても、すでに議会では不信任決議案を提出しようという動きが出ているみたいだね。
ちなみに、都道府県知事の不信任決議は過去に4件あって、議会は解散せずに失職しているみたい。
ただし、うち2件は失職した後に改めて知事選に「出直し立候補」をしていて、一人は当選(2002年長野県田中知事)、もう一人は落選(2003年徳島県大田知事)ということだよ。

もうひとつの可能性としては、県民による辞職請求(リコール)があるのだ(地自法自治法第81条)。
これは国政には該当する者のない、地方自治だけの制度だけど、原則として有権者の総数の1/3以上の署名があれば、選挙管理委員会に地方自治体の首長の解職を請求することができるのだ。
ちなみに、有権者の数が多い場合は、「(有権者数-80万)×1/8+40万×1/6+40万×1/3」という数式で必要な署名数を決めることになっていて、兵庫県は昨年12月時点で選挙人名簿上450万人の登録があるので、必要な署名数は662,500にんるよ。
普通に1/3とすると150万必要なので、その半分以下でよいみたい。
といっても、都道府県レベルで知事の解職請求が成立したことは過去になくて、今回はもう議会も動いているし、60万以上も署名を集めるのは大変だから、こっちの線はないね。
ちなみに、1954年に鳥取県知事に対してリコール運動が起こったことがあったけど、そのときは先に知事が辞職したみたい。
それと、これはのちに刑事事件になっているけど、2020年に愛知県知事にリコール運動が起こったときは、集められていた署名に大規模な偽造が発覚しているんだよね。

というわけで、今後の動きに注目だけど、これまでの対応を見ているとこの知事は相当メンタルが強いよね。
今のところ辞職の意向はないみたいだけど、議会の解散とか出直し選挙に行くのだろうか?
さすがにその選挙戦は辛そうだけど、対立候補がちゃんと出てくるかも問題なんだよね。
まだしばらく注目が集まりそうだ。

2024/08/31

クォ・ワディス

 台風10号がすごいことになっているのだ。
非常に強い勢力なのに遅々として進まず、日本中に強い雨を降らしているよ・・・。
しかも、予報を見ていても進路がなんかふらふらしていて、つかみどころがあいんだよね(>_<)
で、気になったのが、台風の進路予想図。
わかるようでわかっていないので、ちょっと調べてみたのだ。

天気予報の台風進路予想図のメインの情報は5つ。
一つ目は現在の中心位置で、まさに台風が現時点でどこにいるかだよね。
今回は台風の勢力が強いこともあって、衛星画像を見ても中心部に「目」があって、分厚い雲にぽっかりと穴が開いているのがよくわかるのだ。
予報で発表されるまでには観測時点から1時間かかるらしいので、「最新の」と言っていても、1時間前の位置らしいよ。
実際はもう少し進んでいるのだ。

二つ目は暴風域。
風速が平均して25m/s以上になっている範囲。
円で示されるけど、台風の目が中心になっているわけではないよ。
実は、台風の進行方向右側は、中心に向かって反時計回りにふきこむ風と、台風自体を動かしている風との2つが同じ方向になって合わさるので風が強くなるそうなのだ。
逆に、進行方向左側は、互いに打ち消しあうので弱くなるのだとか。
なので、暴風域の円の中心から進行方向左にずれたところに台風の中心位置が来るよ。
これって、台風の進路の右側の地域の方が影響が大きいということなんだよね。
この時期に日本に来る台風は、多くの場合南からきて北東へ移動していくので、東日本側が常に風が強くなるということだよ。

三つめは強風域。
こっちは平均風速が15m/s以上になる範囲。
基本的には上の暴風域と同心円になっているよ。
風速15m/sというのは「強い風」で、樹木が大きく揺れる、人は風に向かって歩けなくなうr、屋根瓦が外れ始める、といった強さ。
これってけっこうなものだよね。
さらに、風速25m/sの「非常に強い風」だと、人はモノにつかまっていないと立っていられない、樹木が倒れ始める、車を運転するのが困難暴風域のになる、というほど。
これは思っていた以上にすごい風だ。

四つ目は予報円。
これは、その時間に台風の中心位置がどのあたりに移動しているかの目安で、この予報円で示された範囲内に台風の中心位置が70%の確率で入ると想定される、というもの。
当然、先の時間であれば予測精度が下がるので、予報円は先の時間の予報ほど大きくなっているよ。
大体のルールがあって、台風の進路予測の信頼度(これは周りの状況で決まってくるのだ。)により5段階に分けられていて、それぞれ〇時間後の予報円の半径はどれくらい、という標準があるみたい。
今回のようにふらふらしている台風はどっちに行くか予測しづらいので予報円が大きくなるのだ。
また、大事なこととして、精々70%の確率、ということなので、この予報円のさらに外側に来ることもあるよ。

最後の五つ目は暴風警戒域。
上の予報円の中に台風の中心が来るとした場合、暴風域に入る可能性がある範囲、ということで、まさに台風対策をしっかりとしておかなくちゃいけないところだよね。
台風の勢力によって暴風域の大きさは変わるので、強いまま移動していくと、必然的にこの暴風系海域は広く取られるし、台風が徐々に弱くなっていくとせまくなるよ。
温帯低気圧になる手前ですでに暴風域がなくなっていると予想される場合はこの暴風警戒域はひょうじされなくなるのだ。

ちなみに、この地図上に表示される情報とともに大事なのが、台風の強さと大きさ、という概念。
当然、これらは上の5つの情報にも反映されているんだけど、その台風の脅威度を知るのは、まずは強さと大きさを知ることが大事なのだ。
強さは最大風速で規定されていて、54m/s以上で「猛烈な」、44~54m/sで「非常に強い」、33~44m/sで「強い」とされているよ。
大きさは風速15m/s以上の強風域の半径で規定されていて、800km以上が超大型(非常に大きい)、500~800kmが大型(大きい)となるよ。
ちなみに、超大型の場合、東京に台風の中心が来ると、本州がほぼ全部強風域の中に入るくらいの大きさ。
大型でも、関西までと青森を除く東北が入るくらいの広さだよ。

というわけで、これくらいわかっていると台風情報も理解しやすくなるはず。
今度注意深く天気予報を見てみよう。
と思っていたら、10号は急速に衰えてしまった・・・。

2024/08/24

友だち20人いるかな?

 岸田総理が次の自民党総裁選に不出馬を表明したので、次のリーダーを選ぶ自民党総裁選挙が盛り上がってきたのだ。
現時点で立候補を考えている人は11名!
なんでも、総裁選に出るには20名以上の所属国会議員の推薦がないといけないので、本人が出たくても出られないケースがあるんだよね。
過去にはそれであきらめた人も。
ちなみに、現在の自民党所属の国会議員は、衆議院254名、参議院115名の計369名なので、仮に11名の立候補予定者がそれぞれ20名ずつ推薦人を得ることは可能ではあるのだ。
でも、この自民党総裁選のルールってよくわからないんだよね(>_<)
というわけで、少し調べてみることにしたのだ。

自民党の基本ルールである党則では、第6条で総裁選について規定しているのだ。
第1項では、「総裁は、別に定める総裁公選規程により公選する」となっていて、総裁選挙専用のルールがあることがわかるのだ。
ただし、第2項と第3項で例外を定めていて、総裁が任期途中で欠けた場合(第一次安倍政権の時のような健康問題による辞任や首相在任中に逝去した大平正芳首相のようなケースがあるよ。)で、かつ、特に緊急を要する場合は、この公選規定によらず、党大会に代わる両院議員総会で後任を選ぶことができることになているよ。
その場合、よくテレビでも出てくる一般党員の投票は行われず、所属の国会議員と各都道府県連代表による投票になるんだ。
このとき、都道府県連代表の票数はそれぞれ3ずつ割り当てられるので、全部で141票分あることになるのだ。
実は、いまくらいの国会議員数だと、あとで見る公選規定と比べると、国会議員の影響力がより強く出る方式になっているよ。

で、通常の場合のルールが総裁公選規程で、その実施細則もあるよ。
ここでは投票できる人(選挙人)の資格やら、選挙の実施方法、得票数の数えからなんかをルール化したもの。
まず、選挙人資格だけど、これは単に党員であったり、所属の国会議員であったりすればいいわけではないのだ。
実は、前2年にわたってきちんと党費(党員の場合や会費(国会議員の場合)を納めていることが条件。
つまり、なりたての党員だったり、よその党から移籍してきて2年未満の国会議員は投票資格がないというわけ。
なので、今から党員になっても今回の総裁選には参加できないよ!

これとはうらはらの被選挙資格は、党所属の国会議員であること。
ただし、立候補に当たっては、20名以上の党所属の国会議員の推薦が必要。
これが一番最初に出てきた「推薦人集め問題」の根拠規定。
ちなみに、こっちの場合は会費についての規定はないので、会費を納めていなくて選挙人にはなれない国会議員であっても、総裁選に立候補したり、その推薦人になったりすることはできるみたい。
ちょっと不思議。
それと、細かいことで気になったのは、推薦人名簿は総裁選の告示日当日に党本部に届け出ないといけないらしいのだ。
なので、推薦人集めあ総裁選が告示されるまでに終えていなくちゃいけないというわけだ。

選挙の実施方法としては、党員投票と議員投票というのがあって、党員投票は各都道府県連取りまとめで議員投票の投票日の前日までに終わらせておくことになっているよ。
で、その党員投票の数え方は、、国会議員の議員投票と同じ一票、ではなくて・・・。
党員投票全体を所属国会議員数ちょ同数の票数にドント方式で分配するのだ。
ドント方式というのは比例代表制の当選者を決めるときに使っているのと同じ方法。
さっきの前任者の任期途中で緊急にやる場合は党員投票の票数は141しかなかったわけだけど、こっちでは議員票数と同数あるので、党員投票がけっこう重要な意味を持つのだ。


とはいえ、過去の総裁選でもあったように、一人の候補が党員投票と議員投票の合わせた票数の過半数を取れなかった場合は決選投票になってしまい、その決選投票では、各都道府県連は1票ずつしかもらえないんだよね。
なので、党員に人気で票数を稼いでいても、決選投票で票が伸び悩む、ということになるのだ。この決選投票は緊急の場合よりさらに党員の影響力が地位小さくなるんだよね・・・。
こういうのも勝負どころでは大きく聞いてくるから、選挙運動もどこを十手的にやるかで戦略が分かれてくるわけだ。
まあ、政けにょ等をリーダーとして引っ張っていくわけだから、国政を担う党所属の国会議員に支持されていないと話にはならないんだけどね。


2024/08/17

かかるのは水代だけ!

 休みの日にテレビを見ていると、ジャパネットのCMをよく見るよね。
その中でも気になったのがウォーターサーバー。
初期費用、毎月のサーバーレンタル代などすべて無料。
必要なのは毎月の水代だけ、しかも、その送料は無料、というのだけど・・・。
そんなんで利益が上がるのだろうか?
ということで、ちょっと試算してみた。

そもそものサーバーがどれくらいの価格のものなのかよくわからないので、とりあえず、月々どれくらい費用がかかるのか調べてみたのだ。
ジャパネットの場合、家族3~4名だと、9.5L入りのボトルを6本消費する想定みたい。
お値段にして7,200円ほどで、1Lあたり約128円だそうだよ。
一方、イオンのネットスーパーで天然水のボトルを買おうとすると、2L入りボトル6本(1ダース)で600円ほど。
これだと1Lあたり約50円。
でも、価格コムで調べると、2L×6本の相場は800円くらいみたい。
すると、1Lあたり約67円。
つまり、倍くらいの値段ということだ。
ネットスーパーだと別途配送料がかかるので、もう少し差は縮まるかな?

つまり、この差こそがサーバー代や初期費用の回収に当てられるということだよね。
3~4名の標準の月7,200コースだと、1Lあたり60円ほど、3,400円くらいになるよ。
月に3,400円の分割払いで回収ということになるのだ。
初期設置費用は16,500円とあるから、その分の回収には5ヶ月ほどかかることになるね。
2年以内の解約の場合は中途解約手数料がかかるということなので、サーバー代は概算で60,000円くらいなんじゃないかと思うよ。
単純計算すると65,000円になるんだけど、ジャパネットの場合はジャパネット通販で使えるクーポン券やタンブラーなどの特典もついてくるので、それくらいかなと推測したのだ。

こういう風に考えていくと、実はこのウォーターサーバーというビジネスはそこまでリスクは高くないように思えるのだ。
契約者が少ないとコスト単価が上がるけど、ある程度数が稼げればそれは下げていけるからね。
大手で宣伝しまくればおいしい商売なのかもしれない。
だからこそ、いろんな会社がウォーターサーバーをビジネス化しているんだろうけど。