2008/03/19

指折り数えてみれば

英語で数字というとすぐに思い浮かぶのはnumberだけど、figureにも数字という意味があるよね。
グラフなんかを指して「この数字」なんて言うときにはfigureを使うのだ。
でも、金庫の番号や何桁の数字というときの数字にはdigitという単語を使うんだよね。
数字という意味ではなじみがないけど、これはデジタル(digital)のdigitなのだ。

digitというのはもともと手足の指のことを指していた言葉で、ものを数えるときには指を折って数えるので、数字という意味も持つようになったみたい。
これは洋の東西を問わず共通なんだね(笑)
特にアラビア数字のことを指すんだって。
さらに、そこから桁数を表すようになって、例えば4桁の数字という場合は、four-digit numberなんて言うのだ。
もともと指を指していた言葉だけあって、指幅をもとにした単位の3/4インチの長さのこともdigitと言うみたいだよ。

このdigitの数字という意味からできた言葉がデジタル(digital)。
デジタルというと0と1の二進法で表すものを指すような気がするけど、もともとは数字で表すことがデジタルなのだ。
アナログの時計は長針と短針の位置(角度)で時間を知るわけだけど、時刻を数字で表すとデジタル時計となるわけ。
今のコンピューターでは基本的にオン・オフの二進法ですべてのものを表すので、デジタルがいつしか二進法で表すもののように感じられているだけなのだ。

アナログとデジタルの最大の違いは連続的か断続的かということ。
数字で表す以上、どうしても数字と数字の間にギャップができてしまうのだ。
無限桁の数字を使えば擬似的に連続的になるけど、有限の数字で表す限りはギャップができるよね。
でも、時計の針なんかをいればわかるとおり、それが読み取れるかどうかは別として、アナログは連続的に表示することができるのだ。
でもでも、実際には時計の針は歯車で動いているから、この歯車の歯の数で実際には連続的ではなく、断続的な動きをしているんだよね。
針の動く角度にはどうしても最小単位があるのだ。

でも、それは時計に限ったことでなく、相対性理論が確立されてからは多くの物理量で見られる現象なんだよね。
これまで連続的だと思われていた物理量も、量子的に見るとそれ以上は小さくできない量子単位があって、連続的ではないのだ。
例えば、電気はマクロで見れば連続的に変化するけど、実際には電子1個1個の単位でしか動けないから、電子ひとつの量の電荷が電気の量子単位になるんだよね。
そう考えると、実は自然界もアナログでなくてデジタルなんだよね。
これってなかなかおもしろいことなのだ。

0 件のコメント: