とりあえずつけておけば治るよ?
日本では完全にマナー違反だけど、米国では道につばを吐き捨てる人が多いんだよね。
むかしはメジャーリーグでもネクスト・バッターズ・サークルでかみタバコをかみながらグラウンドにつばを吐き捨てている選手なんかを見かけたけど、日本ではグラウンドにつばを吐き捨てただけで退場になったサッカー選手がいることを考え合わせるとものすごい文化の違いなのだ。
でも、このつばって、普段から何気なく口の中に充満しているけど、いまいち何をするものなのかよくわからなかったりするんだよね。
つばは「つばき」の略で「唾(つ)」+「吐き(ばき)」なんだって。
なので、「つ」だけで唾液の意味の大和言葉・雅語だったみたいなんだけど、吐き捨てるからつばきと呼ばれるようになって、それがつばになったのだ。
だとすると、日本でもつばは吐き捨てていたんだね。
江戸時代は手鼻で鼻水も飛ばしていたというから、ひょっとすると明治の文明開化以降の「エチケット」としてつばを吐き捨てちゃいけないというのが広まったのかもね。
で、つばは実は口中から分泌されていて、大きな唾液腺は3つ、小さな唾液腺は口の中のいろんな所にあるようなのだ。
大きな唾液腺というのは、耳の下に位置する耳下腺、下あごにある顎下腺(「う~んマンダム」でこするあたりだよ。)、舌の下にある舌下腺の3つなのだ。
基本的にほとんどの唾液はこの3つの分泌腺から出ているみたい。
胆のうでは分泌液がかたまって結石してしまう胆石という病気があるけど、実はこれらの唾液腺でも似たような結石ができるのだ。
唾液の中にはけっこうカルしムガ含まれているので、それが炭酸カルシウムなどの形でかたまってしまうみたい。
大きさなは小さいものが多いけど、これが唾液の出口につまると唾液の分泌が滞ってしまうので、その唾液腺のあるところがものすごくふくらんでしまうのだ!
この唾液は通常の聖人では1日に1リットルから1.5リットルも分泌されているそうで、無意識のうちに飲み込んでいるから気づかないけど、それってかなりの量だよね。
成分の99%は水だけど、消化や口腔内の殺菌・清浄といった働きがあるのだ。
口の中にある食べ物に水分を加えて飲み込みやすくするっていうのもあるんだよね。
唾液の分泌が不十分な状態でパンのような口のなあの水分を吸収してしまうようなものを食べるとむせてしまうのだ。
唾液が出ないことを考えると、毎回ものを食べるたびにそんな苦しみがあるってことだよね。
この作用だけでも偉大かも。
唾液に含まれる消化酵素で有名なのはアミラーゼ。
デンプンを分解して麦芽糖にする酵素なのだ。
小学校なんかでもヨウ素液によるデンプンの検出実験で、普通に白いごはんにヨウ素液をかけると紫色になるけど、口に入れてよくかんでからヨウ素液をかけると紫色が薄くなる、というのがあるのだ。
これは唾液に含まれるアミラーゼでデンプンが分解されるからなんだよね。
さらに、デンプンが分解されてできた麦芽糖を担当に分解するマルターゼも含まれていて、この二つの酵素のおかげでデンプンを含む食品(お米やパン、麺類、いも類など)はかみ続ければだんだん甘くなってくるのだ。
この他に脂質を分解するリパーゼなんかも含んでいるんだけど、タンパク質分解酵素のプロテアーゼはすい臓まで行かないと分泌されないのだ(胃の中では強酸の胃液でタンパク質が一部加水分解されるけどね。)。
消化酵素だけでなく、唾液にはリゾチウム(かぜ薬にもよく入っているよね。)のような抗菌作用のあるタンパク質も含まれているんだよね。
分泌液中にある免疫グロブリンのIgAもあるのだ。
よくかすり傷なんかはなめておけば治る、っていうのはこの唾液の抗菌・殺菌作用に注目したものなんだよ。
経験的に知られていただけだろうけど、唾液で傷口を洗浄し、かつ、リゾチウムやIgAで多少の病原体は駆除できるのだ。
動物なんかも傷口をぺろぺろなめるけど、本能でそういうのをしっているんだろうね。
さらに、口腔内の洗浄作用も重要なのだ。
唾液が常に出ているおかげではの表面についた食べかすなんかが洗い流されるのだ。
虫歯は歯の表面にこびりついている食べかすなどの上に細菌が繁殖して起こるんだよね。
細菌が食べかすを分解すると、そこから乳酸が出てきて、そえが歯質を溶かしてしまうのだ。
なので、歯を常に清潔に保てれば、歯を溶かす原因の乳酸が作れないので、虫歯になりにくいというわけ。
キシリトールという糖は口腔内の細菌が分解できない糖で、乳酸のもとにならないので虫歯にいい、と言われているんだ。
さらに、唾液で細菌の出す乳酸が薄められ、常に一定のpHが保たれていることも虫歯の予防に重要なんだって。
唾液の分泌が少なくて口の中がいつも乾いているような人は虫歯に注意なのだ。
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