2008/03/07

第四の指

あるときふと気になったんだけど、英語では、親指はthumb、人差し指はindex、小指はpinkyと名前がついているんだけど、中指と薬指って聞いたことがなかったんだよね。
で、和英辞書で調べてみると、中指は日本語と発想がまったく同じでmiddle finger となっていたのだ。
一方、薬指はなんとring finger。
これは婚約指輪(engage ring)をつける指だからみたい。
でも、それって左手だけだよね(笑)

欧米で左手の薬指に婚約指輪をつけるのにはきちんと意味があって、かつて欧州では左手の薬指が心臓にもっとも近いと考えられていたからなんだよ。
これは一種のまじないのようなものなのだ。
互いに裏切ることの内容、もっとも心臓に近い指に指輪をつけて誓うのだ。
日本では指切りげんまんで小指を結んで約束するけど、これもそういうまじない的な意味があるのだ。
欧米でもpinky swearやpinky promiseと言って同じようなことをするんだよね。
運命の赤い糸がついているのが小指なのもきっと同じような意味があるのだ。

日本語の薬指という名称は、薬を水に溶かしたり、ぬったりするときに使っていたことから来ているのだ。
これは、普段もっとも使わない指なので、それだけ清浄と考えられていたんだよね。
むかしの女性は紅も薬指でくちびるにぬったんだよ。
江戸時代の浮世絵にもそんな構図があるのだ。
なので、紅差し指なんて呼び方もあるみたい。

薬指を使わないのはもっとも動かしにくいからで、小指みたいに端にあれば動かしづらくても使うんだけど、中途半端に内側にあるから使いにくいんだよね(笑)
でも、それもそのはずで、薬指を動かす腱は両隣の指の腱とつながってしまっていて、そもそも独立して動かすのが難しいのだ。
訓練すればかなり動かせるようになるけど、それでも自在に動かせるのは一部の人だけみたい。
ピアノをやったりするとかなり動かせるようになるみたいだけどね。

でも、そういう単独でぇ動かしづらいところが婚約指輪をつける指としてはいいのかもね。
一人で勝手にふらふらしないってことだから(笑)
実際的にも、もっとも動かさない指だから、指輪が外れにくいという利点もあって、なかなかよくできたものなのだ。

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