2008/03/11

スペース・シャトル

せっかく打上げを見に来ているので少しスペース・シャトルについて調べたのだ。
スペース・シャトルは世界で唯一の再使用型宇宙往還機で、外部燃料タンクなんかの再利用駅内部分もあるけど、機体(オービター)は毎回帰ってきて、改修を受けた後に次のフライトに備えるのだ。
でも、当初は再使用できると打上げコストが安くできると構想されていたんだけど、できてみると改修費や運用費が高くついて、必ずしも安い打上げ手段ではなかったんだよね。
人が必ず乗らなくちゃ行けないし、普通の人工衛星の打上げにもあまり向かないのだ。
もうすでに2回も事故を起こしてしまっているわけだけど、そんなこともあって次の米国航空宇宙局(NASA:National Aeronauticas and Space Administration)の有人ロケットはサターン・ロケットと同じような使い切りロケットなんだよね。

もともとスペース・シャトルはポスト・アポロ計画の一環として計画されたもので、最初は宇宙ステーション計画とセットだったらしいのだ。
でも、ジョンソン政権の次のニクソン政権ではすでに宇宙はプライオリティの高い分野ではなくあっていて、そんなにお金のかかるプログラムは認められなかったんだって。
ニクソン大統領と言えば1969年のアポロ11号の月面着陸のまさにそのときの大統領なわけだけど、そのころには実はNASAの予算はピークを過ぎていて下り坂だったんだよね。
で、けっきょく宇宙ステーション計画は認められず、1984年にレーガン大統領が一般教書演説で計画をスタートさせることをことを公表するまでお蔵入りになるのだ。
10年以上水面下にあったということだよね。
でも、未だに国際宇宙ステーション計画は管制していないから、とても長期間のプロジェクトなのだ!

で、スペース・シャトルも「夢の往還機」として予算が認められたわけじゃなくて、寄りやすく宇宙に物や人を運べる手段として有望ということで開発が始まったそうだよ。
でも、完全再利用型にするには費用がかかりすぎるので、一部だけ再利用する今の形状になったのだ。
さらに、打上げコストを安くするためには本数を多く上げる必要があるので、米国内の人工衛星なんかはすべてスペース・シャトルで打ち上げる方針が模索されるんだよね。
そのために国防総省の軍事衛星や国家偵察局の偵察衛星なんかも上げられるようにで是院が変更されたりしているんだ(実際には衛星を積み込むペイロード・キャビティというのが大きくなったそうだよ。)。
で、当初の計画では年十機以上は打ち上げるはずだったんだけど、現在では6機も上げられない状態なんだよね。

スペース・シャトルの開発が始まると、軍が運用していた使い切りロケットの運用中止の方向性が探られるんだけど、軍からは猛反発があるのだ。
スペース・シャトルが使えなくなったときに人工衛星を打ち上げられなくなる、というのがその理由なんだけど、実際にチャレンジャー号の事故が起きてそれが現実になってしまうのだ。
軍ではその直前に新しい使い切りロケットの開発を認めてもらっていて、それでなんとかしのぐことができたんだよね。
それがデルタIIという米国でもっとも安定したロケットなのだ。
チャレンジャーの事故以降、軍部は引き続きNASAとは独立して使い切りロケットを運用することにあって、最新のものはロッキード・マーティン社のアトラスVとボーイング社のデルタIVだよ。

で、シャトルはコロンビア号で2回目の事故が起きてしまうんだけど、この時にはすでに20年以上にわたって運用が続けられていたのだ。
その間にもシャトルの後継となるようなものの開発の話は出てくるんだけど、費用がかかりすぎるのと、シャトルがあれば当面困らないので実現しなかったんだって。
でも、コロンビア号事故でそういう耐性がよくないと言うことが指摘されて、新たにロケットを開発し、月面有人探査を再開することを今のブッシュ大統領が決めたのだ。
シャトルは2010年に国際宇宙ステーションを管制させたら退役で、その後は新しい使い切りロケットに移行するんだけど、その運用開始は2015年と言われているんだよね。
けっこうギャップがあるのだ。

残すところシャトルの打上げもあとわずか。
2010年を過ぎてしまうと次の新しいロケットの打上げは2015年までないから、今のうちに見に来られてよかったのかも。
せっかくの経験なのでしっかり見てこないと!

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