Rose Meat
ボクはどちらかというとクセがないので牛肉より豚肉が好きなんだよね。
中でも、脂ののったバラ肉なんかが好きなのだ。
あまり体にはよくなさそうだけど、脂がのっているとやわらかいし、うま味も濃いような気がするんだよね。
炒め物にしても、生姜焼きにしても、カレーに入れても、豚丼にしてもどんな食べ方でもおいしいような気がするよ。
そんなバラ肉だけど、ボクはてっきり脂のサシがきれいに入っていて、バラのように見えるからバラ肉というのだと思っていたのだけど、実はただ単に「あばら肉」だから「バラ肉」というようなのだ。
バラ肉は肋骨周辺の肉のことで、英語ではリブなんだよね。
赤身と脂身が交互に重なっていることから日本語では三枚肉ともいうのだ。
で、豚バラとわざわざ言うように、あばら骨周辺の肉はウシでもブタでもバラ肉って言うみたい。
焼き肉のカルビもまさにこのあたりの肉で、ウシのバラ肉は通常はカルビと呼ばれているのだ。
骨付きカルビの骨はあばら骨だったんだね。
カルビと言えば脂身が乗っていてこってりしたものだけど、その対極にあるのは脂身がほとんどない赤身肉のロース。
このロースは和製英語で、ロースト(roast)に適した肉だからそう呼ばれるようになったんだって。
英語でも韓国語でもないので、日本でしか通じないみたいだよ。
ロースには2種類あって、肩の辺りの肩ロースと、バラ肉の近い部位のリブローズがあるのだ。
肋骨周辺で脂身が多いとバラ肉で、脂身が少なく赤身肉だとロースになるのだ。
実は肩ロースの周辺にも脂身の多い肉があって、それは肩バラと呼ばれるそうだよ。
けっきょくは脂身が多いとバラ肉で、少ないとロースということになるのだ。
いわゆる英語のローイン(サーロインとかテンダーロイン=ヒレ肉とか)に近い部位だけど、日本独特の区分なのでぴったりと英語の部位とは合致しないんだって。
ちなみに、同じあばらの近くでも横隔膜の筋肉はハラミになるのだ。
話はもとにもどってバラ肉になるけど、バラ肉は煮物や炒め物などの料理によく使われるんだけど、これは脂身が入っていることで底の部分から脂が融け出し、うま味を出すとともにやわらかくなるからなのだ。
脂身の脂が出きった残りの部分にはコラーゲンなんかも多いし、沖縄料理のようにしっかりゆでて脂をぬいた後に料理に使えばヘルシーなんだよ。
それに、ベーコンやソーセージの材料としても重要で、ロースではこうはいかないのだ。
欧米の人たちは肉の味が好きだから脂身の少ない肉でステーキを焼くのだけど、日本人にはぱさぱさしていてあまりおいしく感じないんだよね。
でも、その一方でベーコンやソーセージのような加工肉の場合は、脂身の少ない肉で作るとぱさぱさでおいしくないから、脂身をたっぷり含んだバラ肉で作っているんだよね。
そう考えると、なんだか不思議な食文化だよ。
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