2008/03/03

ひたすら煮込む

今日の夕ごはんは家にあまっていた赤ワインと、スーパーの安売りで買ったヒレ肉(テンダーロイン)でビーフシチューを作ったのだ。
赤ワインをたっぷり使ったのでちょっと酸味のある味になったけど、なかなかおいしくできたよ。
4時間も煮込んだだけあって、お肉もとろとろ、じゃがいももほくほくでスプーンだけで食べられる感じ。
やっぱりシチューはこうでないとね。

で、気になったのはシチューはそもそもなんなのか。
なんとなく大きめの具をよく煮込んだ料理というのはわかるんだけど、そうするとスープとの違いがよくわからないよね。
調べてみると、実際にどこからどこまでという線引きはあいまいなんだけど、一般にメインディッシュで食べるものをシチュー、前菜で食べるようなものをスープと呼ぶみたい。
シチューの具が大きかったり魚や肉がふんだんに入っているのはメインディッシュで食べるからなのだ。

英語ではstewは煮込むという意味なので(トマトのホール煮缶もstewed tomatoと書いてあるのだ。)、とにかく煮込んだ料理がシチューみたい。
日本で言うと煮込み料理とかにものに近いものなのかもね。
日本ではビーフシチューとクリームシチューがメインのような気がするけど、これは日本にシチューが最初に伝わったときにそれが伝わったからで、別にこの二つに限られるわけじゃないみたい。
ボクなんかもどうしても小麦粉を炒めて作ったルーが入っていて、とろっとしているものをシチューと思っていたけど、とろみがなくても煮込んであればいいみたい。
ブイヤベースやボルシチなんかもシチューの一種なんだって。

日本でビーフシチューというと茶色いものだよね。
明治期にすでに洋食としてメニューに取り入れられたみたいなんだけど、牛肉と野菜をブイヨンで長時間煮込み、それをトマトピューレとドミグラスソースで味付けてルーでとろみを加えているのだ。
ホワイトシチューというのもあるけど、こっちは鶏肉などが多くて、大きくきった牛肉は入らないよね。
でも、これは最初にそういうのが伝わってきて広まっていったからで、別にホワイトシチューに大きくきった牛肉が入っていてもよいはずなのだ。
後は味の好みだよね。

ビーフシチューと言えば必ずと言っていいほど出てくるのが、東郷平八郎元帥と肉じゃがの話。
統合元帥で英国でシチューを食べ、いたくこれを気に入って、海軍の調理師に同じような料理を作らせようとしたのだ(陸軍は兵士が交代で料理を作っていたんだけど、海軍にはきちんと船に専門の料理氏が乗っていたのだ。)。
それでできたのが肉じゃがで、これが戦争に従軍していた庶民が持ち帰って広がり、日本中の家庭料理になったというのだ。
確かに、具が同じで日本風の味付けになると肉じゃがだよね。
牛肉とじゃがいも、ニンジン、玉ねぎ。
これを茶色く煮るためにしょうゆを加えて少し甘くすれば肉じゃがなのだ。
ただ、すぐに広まったわけでもなくて、牛肉食が一般的になった戦後に広まっていったそうだよ。
それまでは軍隊でのみ食べられていたようなのだ。
お袋の味の代名詞だけど、実は大して歴史はないみたいだね(笑)

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