2007/05/08

ミルクティー

ミルクティーとレモンティーを一緒に楽しもうとして、ミルクティーにレモンをしぼると、白い沈殿ができてしまうのだ!
これはクリーム(ミルク)の中の乳脂肪分がレモン汁に含まれるクエン酸によってかたまってしまうからなんだよ。
無調整牛乳にレモン汁を少し入れてよく振ると、フレッシュ・チーズが底にたまるのと同じ原理なのだ。

牛乳とかはいわゆるコロイド液と言われるもので、小さな粒子が均一に分散している状態なんだよね(牛乳の場合は乳脂肪や乳タンパク)。
小さな粒子が一様に分散しているので、水溶液のように透明ではなく、不透明なのだ。
でも、食塩のように溶けているわけではないので、遠心分離をしたり、電解質を加えると粒子が分散できなくなって沈殿してしまうのだ。
こういうのを凝集というんだけど、コロイドになっている小さな粒子が弱い力で水和(水の分子をまわりにくっつけること)することで安定を保っているんだけど、より水和しやすい塩や酸、アルカリがあると、そっちに水分子をとられて不安定になってしまって、分散していられなくなるのだ。

豆腐はにがりでかためるけど、豆乳の状態では分散できていて、そこに塩化マグネシウムなどの塩を含む「にがり」を加えると、分散できなくなって、しかも、豆乳中の大豆タンパク質同士がくっついてからみ合ってしまうのだ。
それでゲルになるわけ。
こんにゃくを作るときに石灰(水酸化カルシウム)を加えてかためるのも似たような原理だよ。
こんにゃくの場合はマンナンという糖鎖だけどね。

で、肝心のレモン風味のミルクティを飲むにはどうするか、だけど、これはスキムミルク(脱脂乳)を使えば解決。
スキムミルクにはかたまって沈殿する乳脂肪を除いたものなので、かたまりようがないのだ。
ただし、味はだいぶ変わっちゃうけどね(笑)

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