2007/05/27

偏差値

今日は偏差値のお話。
ふと留学する前に受けたTOEFLのテストのことを思い出して、そういえばTOEFLのスコアもテスト自体の難しさの違いをならすために偏差値みたいにして計算しているんだったよね、と考えたのだ。
でも、その偏差値について実はそんなにちゃんと記憶していなかったので、調べてみたわけ。

偏差値というのは、平均値からどれだけずれているのかのわかりやすい指標として使われるもので、平均値が50、標準偏差が10になるように尺度として計算されたものなのだ(こういう操作を「規格化」と言うんだよ。)。
そのおかげで、50からどれだけ離れているかを見ることで、もともと平均値も標準偏差も違う分布を比べることができるわけ。
平均点が56点の国語のテストと、平均点が73点の算数のテストだと、そのままの点数だけじゃどれくらいの位置にいるのかがわかりにくいよね。
これを偏差値にすると、平均からどれくらい離れているかがよくわかるのだ。

で、この「標準偏差」っていうのはばらつきの指標で、平均値からどれだけずれたデータがあるかを表すのだ。
標準偏差が少ないとそれだけ平均値に近いデータが多い集団で、大きいとデータのばらつきが大きいというわけ。
で、この偏差値というのは、ばらつきが正規分布という分布に近い分布の時に役に立つんだよね。
正規分布というのは、ランダムにばらつきが出るようなときにできる分布で、長さを測定するときの測定誤差や、大さじで塩の量を量るときの誤差なんかは正規分布に近い分布をするのだ。
ようは、平均値のところに大きな山があって、平均値より小さい値も大きい値も平均値より離れるほど確率が低くなるような分布で、きれいな釣り鐘型の分布と言われるんだ。

偏差値の場合、仮に正規分布に従うとすると、偏差値40~60に入るのは約68%の確率、30から70の間に入るのは95%の確率になるんだ。
しかも、正規分布は左右対称だから、例えば偏差値が60以上だったら、上から16%以内に入っているということになるのだ。
100人の集団だと、ベスト16に残っているようなイメージなのだ。
そうして、自分がどれくらいの位置にいるのかがよくわかるので、テストでの学力の比較に使われてきたんだよね。

でもでも、実際にはテストの点はそんなにきれいに正規分布をするわけではなくて、山が二つ出るような分布になったり(これはよく勉強している集団とそうでない集団が合わさってしまうので、全体としてみるとそうなるのだ。)、どうやっても最高点が決まっているからきれいに左右対称にならなかったりするんだよね。
なので、あくまでも参考の指標であって、絶対的な評価基準じゃないんだよね。
なのにまるでまるであたかも、偏差値でみんな決まってしまうみたいな風潮になったので、それが批判されて学校では使われなくなってしまったのだ。
どういうものかをよく知った上で使う分には役に立つツールなんだけどね。

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