2007/05/30

水の星

ボクは星の話がけっこう好きなので、定期的に国立天文台のHPを見ているんだけど、そこでなかなか興味深い話を見つけたのだ!
それは、「内惑星ウィーク」の宣伝。
なんでも、惑星の中でもっと観測しづらい水星が、5月の終わりから6月のはじめに観測できるので、みんなで観測しましょう、というものなのだ。

というわけで、水星について少し調べてみたよ。
水星は太陽系でもっとも内側、つまり太陽に近い位置にある惑星で、一番小さい惑星でもあるのだ。
木星の衛星のガニメデよりも小さいんだって!
金星よりもさらに内側にあるために地球からはとても見えづらくて、もっとも見やすい時でも日の出前・日の入り後の1時間くらいしか観測できないとか。
地動説を唱えたコペルニクスさんでさえ観測したことがなかったとも言われているレアな惑星なのだ。

それが、5月終わりから6月のはじめには金星とともによく見える位置にあるらしくって、観測の絶好のチャンスみたい。
金星はとにかく明るい星(-4等星だって)で、空がそんなにきれいでなくても見つけられるけど、水星もそのすぐ下にあるので、金星を目安に見つけやすくなるんだって!(水星は0.4等星くらいに見えるらしいよ。)
ボクも観測に挑戦するのだ。
5月31日の日の入り後がベストみたい。

で、コペルニクスさんは観測できなかったんだけど、古代の人は水星の存在を知っていて、古代バビロニアや古代ギリシアではすでに知られていたそうだよ。
水星は太陽系でもっとも内側にあるので、地球からのみかけの速度がもっとも速いらしいのだ。
これは一晩で見える位置がだいぶ変わってくるってことなんだよね。
で、ギリシアでは足がもっとも早い神様のヘルメスの名が与えられて、それがローマ神話ではメルクリウスにあたるので、水星の英語名がMercuryになったとか。
ちゃんと「足が速い」って理由で名前がついているなんておもしろいよね(^o^)/

水星の探査はあまり行われていないんだけど、現在日本でも欧州と共同で水星の探査を計画しているのだ。
その名もBepi Colonboという探査機で、これは金星を通過するときに重力スイングバイをして水星に接近できることを示したイタリアの天文学者ジウゼッペ・コロンボ博士の愛称からついた名前だそうだよ。
水星は太陽にあまりにも近いので接近しづらいらしいんだけど、金星の重力の力をうまく使って楕円運動の軌道を何度か乗り換えると(これがスイングバイ)、うまいこと水星に近づけるということらしいよ。
この計画は日本と欧州の2機の探査機を使って、水星の磁場、磁気圏、表層、内部構造など総合的に探査する計画で、太陽系でもあまりよく解明されていない水星を徹底的に調査するものなのだ。
これより先にPLANET-Cという探査機が金星に行くけど、日本の探査機が水星や金星などの内惑星に行くのははじめてなので、ちょっとどきどきなのだ。

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