2007/05/10

柑橘類で「ポン」

漫画「美味しんぼ」では、主人公の山岡さんが「ポン酢のポンの意味も知らないで・・・」と海原雄山先生に怒られていたけど、普通は知らないよね(笑)
ポン酢はもともとオランダ語の「ポンス」のことで、このポンスというのは柑橘類の絞り汁のことなのだとか。
で、「ス」に「酢」をあてて、ポン酢になったというわけ。

つまりは当て字で、「酢」は意味がないのだ。
確かに、スダチやカボスなんかの柑橘類の絞り汁に醤油なんかを加えたものがポン酢の王道だよね。
でも、最近は「酢」の字に引きずられて、醤油と酢を混ぜたものに柑橘類の絞り汁で風味をつけたものがポン酢になってきているよね。

このオランダ語のポンスは、フルーツポンチの「ポンチ」の語源と同じで、もともとはヒンディー語で「5」を表す「パーンチ」という言葉から来たものだとか。
ワインにフルーツを入れたサングリアに似た飲み物で「パンチ」というのがあるけど(水・砂糖・酒・ライム果汁・スパイスの5つの材料で作るのだ。)、これはインドに原型があって、アラック(蒸留酒)、砂糖、レモン汁、水、紅茶の5種類の材料を混ぜたもの。
なので、ヒンディー語で「5」を意味する「パーンチ」という名前なわけ。
で、この「パーンチ」の中にレモンの絞り汁が入っているので、いつしか柑橘類の絞り汁が「ポンス」と呼ばれるようになったのだとか。
なんだかずいぶん複雑なのだ(>_<)

ちなみに、漫画絵のことを「ポンチ絵」なんて言うけど、これは語源がまったく違うのだ。
イギリスで19世紀中頃に創刊された風刺漫画雑誌「パンチ」に由来するもので、今で言う新聞の一コマ漫画みたいなものを載せている雑誌なのだ。
で、それが漫画絵の代表とされるようになって、かつ、「パンチ」がなまって「ポンチ」になって、「ポンチ絵」になったというわけ。
こっちも漫画が起源なわりに複雑だね(笑)

でも、ここまで知っておけば、海原先生に怒られることはないかな?
これでいつでも美食倶楽部にお呼ばれできるよ(笑)

0 件のコメント: