2007/05/20

劇場は飲食厳禁?

日本と海外の劇場の最大の違いは、なんと言っても食べ物・飲み物の持ち込みだよね。
日本では芝居小屋の時からの伝統(?)で、幕間にお弁当を食べるような習慣があるけど、欧米式の劇場は持ち込み禁止だよね。
幕間に食べるにしても、いったん劇場に出てロビーとかでしかダメなのだ。
なので、日本みたいにごはんを食べながら演劇を楽しむっていうより、演劇を楽しんでからディナーを、ディナーを楽しんでから演劇を、って感じなのかも。
ギリシア時代の野外劇場はどうだったのかな?

いわゆる「幕の内弁当」は幕間に食べるからその名前がついたといわれるけど、実はお芝居の間に食べやすいように工夫がされているのだ。
俵型にまとめられたごはんは一口ずつ食べやすいように、という配慮なんだよ。
最近のほか弁ではそうなっていないのもあるけど、芝居小屋の裏田舎で一口ずつ早く食べるためには重要なことだったみたい。
おかずもだいたい一口ずつ食べやすい大きさになっているよね。
今ではなんだか「標準的ないろいろなおかずの入ったお弁当」的な扱いだけど、それなりに歴史のあるものなのだ。

日本の手軽なお弁当としてもうひとつメジャーなのはお寿司のお弁当。
関西では押し寿司があるけど、関東では圧倒的にいなり寿司と海苔巻きが多いよね。
このいなり寿司と海苔巻き(太巻き)を組み合わせたお弁当は俗に「助六」と呼ばれるけど、これは歌舞伎の十八番の「助六由縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)」にちなんだもの。
主人公の助六(実は曾我五郎)の愛人が花魁(おいらん)の揚巻という女性で、油「揚」げと海苔「巻」きでで「揚巻」になるので、助六弁当と呼ばれるようになったそうだよ。
これもたがるに一口ずつ食べられるから、演劇鑑賞中に食べるには向いているよね。
何より安いし(笑)

他にも、日本の演劇文化の中では、黒子の存在や、人形浄瑠璃のように後に人が見えているような形態など、独特のものがあるよね。
それに、歌舞伎の花道なんかも日本独特なのだ。
歌舞伎では他に奈落を使った大がかりな舞台装置も使うよね。
きっと中国の演劇やインドの演劇にも独特のものがあるんだろうけど、そういうのを比べてみるとなかなかおもしろいよね。
こういう地域の特性みたいなところは、グローバリズムとかいわずに、きちんと伝統として残していきたいのだ。

0 件のコメント: