2007/05/31

シリアル

ボクは米国に来てから毎朝シリアル&無脂肪乳(スキムミルク)と低脂肪ヨーグルト、バナナ、100%野菜ジュースを食べているのだ。
なかなかヘルシーな朝食だよね。
食物繊維やカルシウム、カリウムなんかの栄養素もばっちりとれるので、お気に入り。
そういう意味では、日本にいたときよりこっちでの朝食の方が健康的なのかも。

で、その毎日食べているシリアルが気になったので、調べてみたのだ。
シリアル(cereal)はもともと穀物という意味で、穀物を原料にフレーク状に加工したのがシリアル食品なのだ。
もともとは米国でケロッグ兄弟が病院食用のパンを作ろうとしてまちがってできたのがはじまりなんだって。
小麦粉の生地を薄くのばしたんだけど、そのまま放置してしまって乾燥してしまってフレーク状になってしまったのだ。
でも、これが意外に受けがよくて、試行錯誤の結果、トウモロコシを原料にして作るのが一番よいことがわかって、シリアル食品の代名詞のコーンフレークが生まれたとか。
弟の方が後に今のケロッグを立ち上げたそうだよ。
(甘みを付加するかどうかで兄弟で意見が対立して、甘みを付加する方法をとった弟さんがスタンダードを築くことになるのだ。)

その後、大麦・小麦やえん麦(オートミール)、玄米など多様化していって、シリアルと呼ばれるようになったわけ(日本では少し誤解されていて、トウモロコシが材料であろうがなかろうが、コーンフレークが代名詞になってしまっているよね。)。
小麦の場合は最近全粒(whole wheat)が多いのだ。
その方がビタミンやミネラル、食物繊維が多くて健康的なんだよね。
お米のぬかもそうだけど、きれいに精製してしまうと、そういう栄養素が抜けてしまうというわけ。
日本で玄米や五穀米を食べるのと同じ構造なのだ。

江戸時代中期になると、白米を食べるようになってビタミンB不足になったので、江戸でかっけが大流行したのだ。ビタミンBは米ぬかに含まれているんだよね。
で、ぬか漬けを食べるようになって、これが解消されたとか。
日露戦争の時もたくさん栄養不足でかっけが発生して、その時点ではまだ感染症と思われていたのだ。
森鴎外さんが軍医として感染症説をおしていて、栄養障害と考えた海軍と対立したそうだよ。
陸軍ではかなり犠牲が出たけど、海軍は被害が少なかったとか。
その後、鈴木梅太郎さんがビタミンを発見し、それがかっけに有効であることがわかって、科学的にも栄養障害であることが証明されることになるのだ。

で、話は元にもどって(笑)、もともと全粒で食べられていたのがえん麦(オート麦)。
うどんのコシのもとになるタンパク質のグルテンをあまり含んでいないので、パン作りや麺にするのにはあまり向かなくて、もっぱら家畜の飼料にしたり、クッキーやオートミールとして食べられてきたのだ(えん麦でクッキーを作るとさくさく感が増すのだ!)。
でも、栄養素が高くて健康的なところが見直され、ふたたび脚光を浴びているみたい。
いわゆる健康食ブームだね。
日本のヒエとかも同じなのだ。

オートミールというと洋風のおかゆを思い出すけどけど、それはえん麦のもみ殻をとって蒸した後に押しつぶしたものを煮て作るんだよ。
もともとオートミールはこの押しつぶしたえん麦のことで、オートミールで作ったおかゆはポリッシュと言うんだって。
このオートミールをお菓子の材料にも使っていて、オートミールに甘みをつけて植物油とからめてオーブンで焼いたのがグラノーラというシリアルなのだ。
で、さらに水に溶けやすい食物繊維の多い外皮だけを取り出したのがオートブラン。
最近日本でもよく見かけるよね。

最初は牛乳をかけてふやかして食べるのに抵抗があったんだけど、ドライ・フルーツ入りだったり、メープルシロップ入りだったりとバリエーションもあって、フレークのかたさもいろいろあるので、なかなか楽しめるのだ♪
牛乳が苦手な人はやわらかいヨーグルトをかけてもおいしいんだって。
手軽でヘルシーなので、今のお気に入りなのだ。
ボクはレーズン入りが好きだよ。