2007/06/17

じゃむ

米国に来てから毎日パン食になったんだけど、こっちではパン食用にいろんなものがあるんだよね。
いわゆるスプレッドというやつで、パンにぬって食べるものなのだ。
(日本で海苔の佃煮や漬け物、梅干し、ふりかけなどなど、ごはんのともがあるのと同じなのだ。)
様々な肉類のペーストや、いろんなフレーバーのバター、クリームチーズなどなど種類も豊富。
で、当然のことながら、ジャムもたくさん種類があるのだ。
そこで、今回はボクも買うことがあるジャムについて調べてみたよ。

ジャムは果物を保存食にするために発明されたもので、砂糖やハチミツで甘く煮付けて濃縮したものなのだ。
果物の長期保存方法としては、干し果物にするか、ジャムにするかなんだけど、干し果物はブドウやアンズなんかだといいけど、柑橘類なんかはダメだよね。
ジャムの方がオールマイティではあるのだ。
最近は甘さ控えめのものも多いけど、もともとは保存食なので、しっかり甘みをきかせて、砂糖の糖分で浸透圧を高くして雑菌が繁殖しにくいようにするものなんだよ。
表面にカビが生えることはあるけどね。

ジャムの一般的な作り方は、果物を適当な大きさに砕いて、水と砂糖、ハチミツなどを加えてひたすら焦げつかないように煮ていくだけ。
とろみをつけるためにレモン汁を入れることがあるけど、これは、ジャムのとろみのもととなるペクチンという糖を抽出するためなのだ。
ペクチンは植物の細胞壁にあるもともと含まれている糖で、酸性条件下でよく水に溶け出すのだ。
で、レモン汁に大量に含まれるクエン酸が加えられて弱酸になると、このペクチンが溶け出してきて、寒天と同じようにとろみのもとになるわけ。
イチゴジャムやオレンジ・マーマレードのような古典的なジャムは、普通にレモン汁を少し加えるだけでかなりのとろみがつくんだよ。
このペクチンが少ないとさらさらでジャムにならないんだけど、最近は後で「増粘多糖類」というものを添加して、とろみをつけることもあるのだ。
それで今までなかったようなジャムもできるようになったんだよね。
中には果物すら使わない、甘い牛乳にとろみをつけたミルクジャムなんてのもあるとか。
(ヨーグルトだったら酸味もあっておいしそうだけど。)

日本にもブルーベリージャムとかはあるけど、米国はブラックベリーやらクランベリーやら、ほかのベリー系のジャムもあるのだ。
アンズジャムも日本より普及しているみたい。
洋菓子の材料としてもよく使うんだよね、甘みがさっぱりしているからかな?
それと、日本ではまず見ないけど、欧米では食べられるのが、ルバーブという野菜のジャム。
これは漢方薬にもなるダイオウの一種で、シベリア原産の植物なのだ。
セロリのような茎の部分を甘く煮付けて、パイの具やジャムとして食べるんだよ。
ボクもまだ未経験だけど、けっこう人気があるものみたい。

ちなみに、日本ではジャムを入れた紅茶のことをロシアン・ティーというけど、これは誤解で、ロシアではそういう飲み方はしないんだって。
ジャムをなめながら紅茶を飲む習慣があって、それで誤解されるようになったみたい。
中には入れないのだ。
欧州の方ではあんまり紅茶は甘くせずに、甘いものと一緒に食べるんだよね。
英国では紅茶のおとものお菓子はよく発達しているのだ、料理はダメだけど(>_<)

米国ではその逆で、とにかく紅茶は甘くするんだよね。
コーヒーはブラックで飲む人が多いみたいだけど。
もともと米国南部で生まれたアイス・ティー(Iced Tea)は、本来はこれでもかというほど砂糖を入れるもので、そういうのをサザン・スタイルというらしいよ。
世界に広まるにつれてストレートや甘み控えめのアイス・ティーも出てきたけど、基本はどこまでも甘くするものみたい。
なんでも、禁酒法時代にお酒に変わるベバレッジとして普及したとか。
そのせいで、米国内で売っているアイス・ティーはとことん甘くて、フレーバー付きのものはジャムを入れたような感じなんだよ。
日本人には合わないかも(>_<)

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