何見てはねる?
ウサギというとどうしても耳の長い、赤い目の白い姿が思い浮かぶけど、このウサギはアナウサギを家畜化したカイウサギの姿で、日本には輸入されて来たものなのだ。
それがrabbit。
日本古来のウサギはノウサギ(hare)で、耳はそんなに大きくないし、茶色っぽくて、とにかくすばしっこいのだ。
ちょっと耳の大きいネズミみたいな感じ。
奄美大島にいる天然記念物のアマミノクロウサギがまさにそうだよ。
日本でもウサギはむかしから親しまれてきていて、それこそ十二支のひとつにもなっているし、獣肉を食べることがタブーにされた後でも、「鳥」という扱いで食べられたりしてきたのだ。
でも、明治期にカイウサギが輸入され、ジャパニーズホワイトという今の日本でおなじみのウサギが生まれて、いつの間にかウサギというとそれを思い浮かべるようになってしまったのだ。
かちかち山のウサギや、「待ちぼうけ」で切り株に転げるウサギは日本古来のウサギなんだよ。
でも、この白くて耳の長いウサギも一部は野生化していて、環境問題にもなっているんだって。
輸入されたころの小型のカイウサギはナンキンウサギと呼ばれていて、南方熊楠先生の「十二支考」のウサギの章を見ると、生態の違いや日本と西洋のウサギに関する民俗の違いなんかもわかるので参考になるよ。
西洋のカイウサギはもともとアナウサギというもので、地面に穴を掘ってそこを巣穴にして生活するのだ。
絵本のピーターラビットも穴の中に住んでいるよね。
で、ノウサギは生まれたときにすでに毛が生えていて、目も開いていて自力歩行できるんだけど、アナウサギは穴の中で生まれるためか、毛も生えていないし、目も開いていなくて自力歩行できないんだって。
生活環境でだいぶ違うものなんだねぇ。
ウサギにはいろいろ種類があって、日本固有腫の日本のウサギはだいぶ数を減らしているみたい。
そもそも生息できる環境が限られているからね。
そのわりに西洋から来たカイウサギが野生化したりするから不思議なのだ。
で、家畜用のウサギとしては、耳がたれていてかわいいと人気のロップイヤーや、かつては毛皮の材料にされていたアンゴラなんかもいるよね。
戦争中は食糧確保と毛皮を取るため、日本がアンゴラの飼育数世界一になっていたそうだよ!
日本は獣肉をあまり食べなかった時代は、山鯨ことイノシシと並んでウサギは貴重なお肉だったわけだけど、明治維新以降ブタやウシを食べるようになってからはあまり食べないよね。
でも、西洋ではけっこう今でも食べるみたい。
フランス料理なんかではけっこうよく使うんだよね。
でも、フランス料理って、シカかザリガニ、ハトなんかも使うから、中国と同様に食にどん欲なところがあるような気がするのだ。
さすがに他に食べるものがないわけじゃないだろうし、フォアグラみたいに無理矢理作り出すものもあるからね。
ウサギを飼うときに、「さびしいと死んでしまう」とか「水を与えてはいけない」なんていわれることがあるけど、これはウソなんだって。
うさぎは縄張り意識が強いので、同性の個体を近くにおいておくとけんかするし、当然生き物である以上水分も必要で、ドライのペットフードを食べさせるような場合は特に水に気をつけないといけないそうだよ。
こういう風説にだまされず、ウサギを飼うときはきちんと買い方を調べた方がよいみたい。
でも、ウサギはげっ歯類なので、いくら世話をしてもそんなにはなつかないのだ。
ネコやイヌとはやっぱり違うんだよね。
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