2007/06/19

ヒイラギの秘密

昨日は国立樹木園でヒイラギを見たので、少し気になって調べてみたんだ。
そうしたら、驚きの事実が!
単にボクが知らなかっただけなのかもしれないけど、けっこう衝撃的なのだ。
それは、日本のヒイラギと西洋のヒイラギはまったく違う種類なんだって!

日本で生け垣に植えたり、節分の日に鰯の頭をさしたりするヒイラギは、モクセイ科の植物で、キンモクセイなんかの仲間なのだ。
秋に花を咲かせて、翌年の春の終わりに紫色の実をつけるとか。
葉っぱがとがっているので邪気を防ぐといわれているのだ。
鬼門(北東)にはヒイラギ、裏鬼門(南西)には南天を植えるといいなんて信じられてきたんだよね。

で、欧米でクリスマス・リースに使うヒイラギは、モチノキ科の植物でまったく違うもの。
科も違うので、葉っぱの形が似ているというだけなのだ。
こっちは春に花を咲かせて、秋から冬にかけて赤い実をつけるんだって。
クリスマス・リースには鮮やかな緑の葉っぱときれいな赤い実がついているよね。
クリスマス・ホーリー(Christmas Holly)とも呼ばれるのだ。
やっぱり欧米でも葉っぱがとがっているから魔除けになると考えられていて、クリスマス・リースに使われるようになったみたい。

それにしても、まぎらわしいのだ。
最初は似たような植物だと混同していたのかな?
でも、その葉っぱのイメージは洋の東西を問わず共通なのがおもしろいよ。
欧米でも東洋でも、脱皮をするヘビは長生きとか不死だとか考えられているけど、そういうのと同じなのだ。
とがっている葉っぱは悪いものを退けるというイメージなんだろうね。

こういう文化的な類似性を調べてみるのもなかなかおもしろいのだ。
でも、さっきのヘビの例だと、西洋では悪者で、東洋だとむしろ神の使いみたいに思われていて、逆の方向にイメージがふくらんでいっているんだよね。
ヒイラギの場合は、日本は鰯の頭をさしたかざりで、欧米はきれいなクリスマスツリーという違いはあるけど(笑)、悪いものを近づけないという発想は同じなのだ。
しかも、日本の節分はもともと季節の変わり目を祝うまつりで、節分は立春の前日だから、冬から春に変わる変わり目の行事なんだよね。
一方、クリスマスはもともと冬至祭りの名残で、太陽の力が一番弱くなると考えられる冬至の日を盛大に盛り上げて太陽の再活性化を祝うものなのだ。
なので、そういう意味では季節の変わり目を祝う祭りなんだよね。
季節の変わり目はどうしても体長を崩しやすかったりするから、そういうので病気にならないようにって願っているのが根底にあるのかもね。
そういう風に考えていくと、なかなか興味深いかも。

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