2007/06/21

火事

サウス・カロライナ州で、家具店が火事があったんだけど、消防士が9名も亡くなる大惨事になったのだ。
まだ崩れないと思って建物の中に入って消火活動をしていたらしいんだけど、突然天井が落ちてきて崩れ、下敷きになったりしてしまったみたい。
原因は、家具店の商品としておいてあったソファなどに使われる化学繊維じゃないかって言われているんだ。

これはおそらく、フラッシュオーバー(flashover)と言われる現象なのだ。
比較的密閉された空間で火事が起こると、プラスチックや化学繊維などの石油製品が高温になって、そこから可燃性のガスが発生するのだ。
で、しばらくは普通の火事と同じように着や布といった燃えやすいものが燃えていくんだけど、火災現場の温度が高くなってきて、これらの可燃性ガスの発火温度になると、一気に火勢が強まって爆発的な燃焼が起こるのだ。
これがフラッシュオーバーで、まだまだ火が弱いと思っていても、発火温度になった瞬間に一気に火が広がって、しかも超高温の爆風も起こるので、ものすごく危険な現象なのだ。
ちなみに、発火温度というのは火を近づけなくてもその温度に達すると自然に火がついてしまう温度のことで、火を近づけたときに火がつく着火温度よりもはるかに高温なのだ。

火災現場でもうひとつ危険な現象がバックドラフト(backdraft)。
むかしそういうタイトルの、消防士が主人公の映画があったよね。
フジテレビでやっていた「料理の鉄人」のテーマ音楽はこの映画「バックドラフト」の音楽なのだ。
このバックドラフトというのは、完全に密閉された室内で火事が起こったときに起こる現象なんだ。
ものが燃焼するには酸素がないとダメなわけだけど、密閉空間で火事が起こると徐々に酸素がなくなっていって不完全燃焼になるのだ。
そうすると、部屋の中に可燃性の一酸化炭素が充満してくるわけ。
で、ある程度に達すると、火はくすぶる程度になってしまって、一見火事がおさまったかのようになるんだよね。
そのときにドアや窓を開けると、一気に新鮮な空気が流れ込んで酸素が供給され、部屋に充満していた一酸化炭素が爆発的に燃焼するのだ。
フラッシュオーバーと同じように、一気に火勢が強くなって、超高温の爆風も起こるんだ。
最近の集合住宅は密閉性が高いので、このバックドラフトが危険性が高いのだ。
なので、集合住宅の火災の場合は、火がおさまっているように見えても安心してはいけないんだよ。

爆発という意味で危険なのものには「粉じん爆発」もあるよね。
ものが燃えるにはちょうどいい量の酸素がないといけなくて、車のエンジンもガソリンの蒸気と空気をバランスよく混ぜて燃焼させていて、バランスが悪くなるとぶすぶす言うようになるのだ。
可燃性粒子も同じで、空気中に適度に分散して、可燃整流子と空気のバランスがちょうどよくなったときに火花が散ったりすると、そこで一気に燃焼が始まって、爆発を起こすのだ。
これが粉じん爆発と呼ばれる現象。
粒子の量が少なくいと爆発的な燃焼はしないし、多すぎても酸欠になるのでやっぱり爆発しないんだけど、けっこうこわいものなんだよね。
炭坑の石炭の粉じんによるものが有名だけど、小麦粉や金属粉なんかでも起こるので、街中の工場でも起こる可能性がある減少なのだ。
粉じんが空気中に舞わないように工夫したり、適度に喚起をすることが重要なんだよね。

それにしても、火事はこわいのだ。
気をつけられる部分も多いから、気をつけたいよね。

0 件のコメント: