2007/06/29

照明

米国に来てから少しおどろいたのは、間接照明が多いということ。
日本のように必ず天井に明るい照明があるわけじゃなくて、ランプを横に置いたり、たいして明るくないシャンデリア調の照明だったりと、基本的には暗いのだ。
なので、卓上ランプなんかが必要なんだよね。
で、照明のことを気にしていたら気になったので、今回は電球と蛍光灯について調べてみたのだ。

電球はエジソンさんで有名だけど、実はその前に真空管の中で導電体を白熱させて照明器具にしたものはあったんだって。
エジソンさんがすごいのは、その電球と電灯事業を結びつけたところで、直流の電気の供給を一緒に行って、電灯を広めたのだ。
(ちなみに、今の家庭用の電気はみんな交流で、これはロシア出身のテスラさんが広めた方法なのだ。この時エジソンさんはあくまでも直流にこだわっていたんだよね。)

で、この電球の原理はいたって簡単で、電球の中にあるフィラメントがジュール熱で熱せられて白熱するというもの。
ジュール熱はQ=RI2の式でおなじみ(?)のやつだよ。
抵抗に電流が流れると一部のエネルギーが失われて熱になり、そのエネルギーが高いとさらに光を発するのだ。
エジソンさんが最初にフィラメントに使ったのは京都の竹で(手元にあった扇で思いついたとか)、その後に合成繊維が使われるようになり、タンタルやオスミウムといった金属フィラメントが出てきて、今ではほとんどがタングステンのフィラメントなのだ。
このフィラメントの部分が熱で蒸散してしまうと、電球のタマが「きれた」状態になって使えなくなるんだ。

電球の場合は、エネルギーの多くが熱として失われるため、照明としての効率はあまりよくないのだ。
よく蛍光灯の方が省エネだっていうのもそのせい。
でも、たい焼きやたこ焼きを温めておくためには熱が出る電球じゃないとダメなんだよね(笑)

電球の場合、エネルギーが高ければ高いほど明るくなるんだけど、熱もその分高くなってしまうので、フィラメントが切れやすくなるのだ。
で、フィラメントを長持ちさせるために電球の中に不活性ガスを充てんしたものがあって、反応性の低い希ガスを充てんしたのがクリプトン電球やキセノン電球と言われるもの。
で、このガスの中にヨウ素や臭素、塩素なんかが混ざるとハロゲン電球と呼ばれるのだ。
ハロゲン電球は普通の電球よりとても明るいんだよ。
でも、熱もそれだけ大きいので、ガスを充てんすることによる長寿命化は熱による短寿命化と相殺されてしまうんだって。

もう一方の蛍光灯は、電球とはまったく原理が異なるのだ。
蛍光灯の場合は、真空管の中に水銀の蒸気が充満していて、そこにアーク放電をして電子を放出すると、電子が水銀の蒸気に衝突して紫外線が出るのだ。
で、この紫外線が蛍光灯の内側に塗られた蛍光物質に吸収され、代わりに可視光が出てくるというわけ。
蛍光物質というのは、より波長の短い(=エネルギーの高い)光を吸収して、より波長の長い(=エネルギーの低い)光を出す物質のことだよ。
分子軌道論で言うと、紫外線のエネルギーを吸収して一部の電子が励起されるんだけど、吸収したエネルギーの一部は熱や振動なんかのエネルギーとして奪われるので、励起状態から再び基底状態に戻るときには吸収したものより少し低いエネルギーを出すことになるのだ。
それが光の形で出てくると蛍光と言うんだよね。

で、蛍光灯の場合、この蛍光物質を変えると照明の色が変えられるわけ。
街で売られている蛍光灯には、昼白色と昼光色というのがあるよね。
昼白色は少し赤っぽい色で、昼白色は青っぽいのだ。
昼白色の方が明るいんだけど、食べ物が青っぽくなっておいしいように見えなくなると言われていて、キッチンとかダイニングでは昼白色の方がよいと言われるのだ。
電球の色が一番あたたかみがあっておいしそうに見えるそうだけど。

蛍光灯の場合、電球に比べてかなり照明としての効率がよいので省エネなんだけど、蛍光灯には水銀が使われていたりするので、廃棄するのが大変なのだ。
日本ではきちんとした改修の仕組みができていないけど、本当はまずいんだよね。
かなり普及している割にはこういうところがまだまだだよね。

電球と蛍光灯はそれぞれ特徴があって、どっちかだけでいいっていうものでもないから、今でも両方使われているのだ
こうやって原理とか特徴を調べてみると、どういうときにどっちの方がいいのかってわかっておもしろいよね♪

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