漢字の音読み
うちの教授が出張で北京に行くことになったんだ。
「北京」って日本では「ペキン」って発音するけど、現地の読みでは「Beijing」なんだよね。
あので、英語をはじめ、日本語以外では「ベイジン」なのだ。
そこで思ったのが、そういえば漢字の読み方っていろいろ種類があったよな、ということ。
そこで少し調べてみたのだ。
日本の漢字の音読みには3種類あって、漢音、呉音、唐音の3つ。
一番ポピュラーというか一般的な音読みが漢音で、呉音や唐音は少し特殊な読みという感じなんだよね。
漢音というのは遣隋使や遣唐使が中国の文化を日本に持って帰ってきたころの中国語の発音をもとにしたもので、このころ漢語もたくさん入ってきたので、標準的な読みという認識みたい。
呉音はそれより前に朝鮮半島経由で入ってきたよりむかしの中国語の発音をもとにしたもので、仏教とともに入ってきたので仏教用語なんかに多いのだ。
最後の唐音は、鎌倉時代以降に入ってきたもので、禅宗のお坊さんや明との貿易でもたらされたんだって。
より新しい中国語の発音をもとにしたものということになるよね。
例えば、「行」という字にはそれぞれの読み方があって、漢音では「行動」の「こう」、呉音では「諸行無常」の「ぎょう」、唐音では「行脚」の「あん」なのだ。
逆に考えると、その読み方でどの時代に日本に伝わった概念かっていうのもわかるんだよね。
呉音で読むものは奈良時代より前に伝わって来た可能性が高いし、唐音で読むものは鎌倉時代以降に伝わってきたものということになるのだ。
そうやって漢語を見直してみると、けっこうおもしろいかも。
それと、音読みといえば特殊な熟語の読み方の「重箱読み」と「湯桶読み」というのもあるよね。
普通は2字熟語の場合、「音読み+音読み」で読むのが普通なんだけど、「音読み+訓読み」で読むのが「重箱読み」、「訓読み+音読み」で読むのが「湯桶読み」なのだ。
「音読み+音読み」というのは、今でいうところの英語をカタカナで表記するようなものだからもともと中国から伝わってきた言葉ということなんだけど、「重箱読み」や「湯桶読み」をするものは訓読みが入っているので、日本でできた言葉ということなんだ。
ちょうどサラリーマンのような和製英語のようなもので、中国から伝わった概念をうまく日本に取り込んだ証拠なんだよね。
そういうのも合わせて考えると、日本語ってますますおもしろいよ。
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