2007/06/30

あいのこ

ロイターなんかで配信されているニュースなんだけど、ドイツでシマウマとウマの交雑種(あいのこ)の「Zorse」が生まれたのだ。
父親がシマウマで母親がウマの時に生まれるもので、アフリカではそんなにめずしいものでもないみたい。
でも、その模様がすごくおもしろくて、人間でいうと上半身の部分は白馬のような白毛で、首から上と下半身がシマウマのゼブラ・カラーなんだよね。
すっぱりと模様が分かれているのだ!
で、このニュースに興味を持って、今回は交雑種について調べてみたよ。

交雑種というのはもともと異なる種の間に生まれるもののことで、本来的に「種」というのは「交配可能」な範囲という定義なので、少し矛盾するんだよね。
普通に交配して子どもが生まれる場合は種で分けないで「亜種」として区別するんだけど、交雑種は特別なんだ。
というのも、交雑種として生まれた個体は生殖能力がなくて、一世代限りなのだ。
で、種の定義の「交配可能」というのは世代として続いていくことが全体なので、生殖能力のある個体が生まれる必要があるんだ。
なので、例え交雑で子供が生まれても、種としては別でもよいというわけ。

実際、遺伝情報を見てみると、交雑種の父親と母親では染色体の数が違うこともあって、そうすると、その子どもの背合いでは減数分裂がうまくいかないから、生殖細胞がきちんと作れないのだ。
おそらくこれが生殖能力がない理由なんだよね。
でも、染色体の数が違うのにきちんと生まれてくるというのはかなり不思議。
どうやって複雑な発生の仕組みを乗り越えているのか、なかなか興味深いよね。

交雑種として有名なものでは雄ロバと雌ウマの間に生まれるラバなんかがいるよね。
これも一世代限りのものなのだ。
それに、家畜化したアヒルと野生のカモをかけ合わせた「アイガモ」も交雑種なのだ。
雄ライオンと雌トラの交雑種のライガーや、雄ライオンと雌ヒョウの交雑種のレオポンなんかもなんかも時々話題になるよね。
こういうのはハイブリッドと呼ばれて、人工的なかけ合わせで生まれるんだ。

でも、自然界でもハイブリッドはいて、それはクサガメとイシガメの交雑種のクサイシガメ。
むかしはそれぞれたくさん個体がいたから交配することはなかったんだけど、最近は個体数が少ないから交配してしまうみたい。
両方のカメの中間的な性質を持っているカメなんだとか。
クサガメは「くさい」からクサガメというくらいなんだけど、クサイシガメだと少しはにおいは弱くなるのかな?

植物でも交雑はあって、洋ランなんかはけっこう交雑種ができるみたい。
しかも、種の違いだけでなく、もうひとつ上のカテゴリーの属の違いも乗り越えることがあるとか!
品種改良も進んでいるけど、もともとそういう交配のしやすさというのがあるんだね。

ヒトの場合はサルとの間に交雑種はできないんだけど、クロマニヨン人とかネアンデルタール人が今でも生き残っていたら、ひょっとしたら交雑種が生まれていたかも。

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