2008/02/11

そうだ、それが青銅だっ!

今年の夏は北京でオリンピックだよね。
工事がきちんと終わってちゃんと開催できるのか怪しむ声もあるけど(笑)
で、オリンピックなどのスポーツの競技で気になるのが三位の「銅」メダル。
英語では「Bronze」なので、あれは「銅(Copper)」じゃなくて「青銅」のはずなのだ。

青銅は銅と錫(スズ)の合金で、比較的低温で溶かすことができて成形が容易なので鉄器より前から使われていたのだ。
欧州では鉄器を持ったヒッタイトが青銅器文化だった当時の地中海地域を席巻したのだ。
鉄器には負けてしまうくらいで青銅は比較的やわらかいのも特徴なんだよね。
それと、鉄は精製するのにものすごい高温が必要だから、青銅よりもはるかに扱いが難しかったのだ。
※日本でも「たたら」と「ふいご」が大陸から伝わるまでは青銅器しか作れず、鉄器はyにゅ宇貧だったのだ。

青銅というとどうしても緑色のイメージがあるけど、本来の青銅は金属光沢のあるもので、錫の含有量で色が変わるんだって。
10円玉のように錫の含有量が少ないと純銅と同じような赤っぽい色(いわゆる赤銅色だよ。)で、錫が増えて行くにつれて黄色みが増してくるんだって。
かなり多くなると黄金色になるんだけど、さらに増えると今度は錫の色が勝ってしまって、一定量を超えると白銀色になるんだって。
なんとも不思議なものだねぇ。

青銅器時代に使っていた剣なんかは黄金色くらいの青銅が使われていて、銅鏡に使われていたのは白銀色のものだったそうだよ。
ちなみに、中世・近世以降は水銀で磨いてアマルガム(水銀との合金)にして鏡面を作るようになったので、むしろ赤銅色の青銅を使ったそうだよ。
錫の量が多くなるとそれだけかたくなるんだけど、もろくもなって折れやすくなるので、混ぜる量を使い方によって工夫していたようなのだ。

ブロンズ像や博物館なんかで見かける青銅器の光沢のあまりない緑色は、青銅表面にできた錆、いわゆる緑青なのだ。
これは空気中の二酸化炭素と反応してできる炭酸塩なんだって。
緑青は俗に毒性があると言われていたけど、緑青自体はよほど大量に摂取しない限りは毒性はないとか。
そのむかしは銅の精錬度が低くて銅の中に大量のヒ素が混入していたのでそのように思われていたみたい。
なので、さびて緑青の着いた10円玉をなめても大丈夫なんだよ(笑)
でもでも、最初からあの緑色だったら、金、銀に次ぐ三番目の貴金属にはならないよね。
やっぱりきれいに輝いていてこそ、三番目が「ブロンズ」になるのだ。

銅はむかしからいろいろと合金の材料に使われているんだよね。
5円玉は亜鉛との合金の黄銅で、いわゆる真鍮なのだ。
100円玉はニッケルとの合金の白銅で、ニッケル量が多いと銀に似た光沢が出るんだって。
100円玉はかつては銀貨だったらしいんだけど、銀の価格が昭和30年代に上がって銀貨にできなくなって白銅になったみたい。
似ているようでも500円玉はニッケルと亜鉛が入った洋白というもので、貨幣の世界ではこれをニッケル黄銅と呼ぶんだって(黄銅にニッケルが入っているということだけど、色は白銀色なのだ!)。
銅を使った合金はいずれも加工性がよかったり、伸縮性や柔軟性があったりと便利なようなのだ。
世の中で一番多く使われている金属はやっぱり鉄だけど、おそらくその次が銅なんだよね。

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