2008/02/22

なくなるよりはこっちで

ボクも実はそれなりに齢を重ねてきているので、ふと洗面台から顔を上げて目の前の鏡を見ると、頭の毛に白いものが混ざっているのを発見したりするのだ。
最初の頃はショックだったけど、さすがに今ではもうけっこう慣れてきたよ。
うちの家系はあんまり毛が少なくなる人はいなくて、たいてい「ロマンス・グレー」になっているので、できればボクもその路線でお願いしたいと思っているのだ(笑)

で、その白髪というのは加齢による髪の色の変化で、色素のメラニンが作られなくなって起こる現象なんだって。
東洋人はメラニンの量が多いので髪の色が黒くて、逆に欧米人は少なくて金髪なわけだけど、メラニンがなくなった後の白髪についてはほぼ同じような色になるんだよね。
太さが違うので、見た目は少し違うけど。
でも、これでメラニンが髪の色に大きく影響していることがよくわかるのだ。
加齢とともに白髪になっていくメカニズムはよくわかっていないみたいなんだけど、現象としては、毛根に存在している色素を作る細胞が色素を作らなくなる、という状況が発生しているのだ。
これは色素産生細胞のもとになっている幹細胞が死滅してしまうために起こっているそうだよ(色素を作る細胞が新しく増えられなくなるのだ。)。
なぜ幹細胞が死滅するのかがわからないわけだけど。
ちなみに、毛髪を作る細胞の方が死んでしまうと毛がなくなるのだ・・・。

で、色素はいくなり作られなくなる分けじゃなくて、徐々に色素を作る細胞が減っていくので段階的に色素の量も減っていくのだ。
なので、基本的にはゆるやかに髪の色が変わっていくそうだよ。
そういえば白髪とは言えないようなグレーの毛があることもあるよね。
こういうメカニズムなので、マリー・アントワネットさんの伝説のように、牢屋に入れられて一瞬にして白髪になってしまう、というのはまずあり得ない現象なのだ。

たいていの人は年をとると白髪が増えてくるんだけど、出始める時期や全体が白くなる時期にはかなり個人差があって、それはきっと遺伝的要因が関係している、と考えられているんだよね。
でも、ストレスなんかが影響して白髪が増えるということもよく知られているし、薬剤の副作用で白髪になる場合もあるのだ。
とは言え、なんで色素を作る細胞が死んでいってしまうのかいまいちメカニズムが詳細に解明されていないみたいで、よく売られている白髪を防ぐとか、遅らせるというものは本当に効果があるかどうかはわからないそうだよ。
そういうのよりは白髪染めが確実なのだ(笑)
経験的に効いている、と考えられるような事例は知られているんだろうけど、メカニズムがわからないから確かめようがなくて、万人に効くのか、一部の人だけに有効なのかなどがさっぱりわからないのだ。
さすがに毛がなくなる場合と違って、白髪染めもあるし、わらにもすがる、という感じにはならないからいいのかもしれないけど。

髪の色はメラニンがいろんな波長の可視光を吸収してあまり反射しないので黒く見えるのだ(メラニンは紫外線も吸収するよ。)。
白髪の場合は、可視光を吸収するメラニンがなくなり、特定の波長の光を吸収する他の色素もないので、いろんな波長の光を反射するようになるんだよね。
それで白っぽく見えるのだ。
雪や氷の粒が白く見えるのと同じ原理だよ。
特定の色がない(=特定の波長の光を吸収しない)からこそ白く見えるのだ。
だから、白髪を抜いてよく見てみるとわかるけど、1本1本は半透明になっているよね。
これはもともと色素を持たないアルビノの動物の毛と同じなんだよね。
アルビノは「白子」とも呼ばれるけど、色素がなくて半透明で、いろんな波長の光を乱反射するから白く見えているだけなのだ。

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