部屋と私
日本で働いているときは毎日背広にネクタイだったけど、米国に留学に来てからは毎日ラフな服装なのだ。
すっかりそれになれてしまったので、たまにシンポジウムなんかに出席するために背広を着ると変な感じだよ。
日本にいたときはそれが普通だったんだけどね。
で、背広と言えばワイシャツ。
ボクの職場では入って1年目はできるだけ白のワイシャツという暗黙のルールがあったんだよね。
とは言え、すでに廃れてきていて、ボクの同期でもはじめからカラーのワイシャツを着ているのがいたのだ。
ボクは白いのが好きだったからしばらく白のみで過ごしたんだけどね。
でもでも、よくよく考えると、「ワイシャツ」は「ホワイトシャツ」から着ているから、カラーのワイシャツとうのはちょっとおかしいのだ(笑)
頭脳労働と肉体労働を俗に「ホワイトカラー」と「ブルーカラー」と言うけど、これは仕事着の色合いから着ているんだよね。
「カラー」は「color」じゃなくて「collar」で「襟」のことなんだけどね。
一般に頭脳労働者はワイシャツ=白い服を着ていて、現業系や技術系の肉体労働者は支給される制服や作業着が青系の色が多いのでそう言われるようになったみたい。
カラーのワイシャツを着ていたらこんな言葉も生まれなかったわけだよね。
ワイシャツのすそは両脇が短くて、前と後が垂れたような形になっているのが特徴なんだよね。
ワイシャツ以外はたいていは下は平坦なのだ。
でも、これには意味があるんだよ。
むかしは20世紀の初め頃、欧州ではまだトランクスやブリーフといった男性用下着がなかったので、ワイシャツで股を覆って下着の代わりにしていたのだ。
その名残で今もその形になっているわけだけど、なぜか女性用のワイシャツもそうなっているんだよね。
中に入れないで外に出すようなものは丸くかわいらしい曲線になったりしているけど、もともとは下着の代わりなので必ず中に入れるものだったんだよね。
時代は変わったものなのだ。
ワイシャツは英語ではdress shirt、フランス語ではchemisという見たいけど、このフランス語のchemisは日本語の女性用肌着のシミーズの語源なのだ。
フランスではシャツのことなんだけど、なぜか日本では女性用肌着になってしまうんだよね。
最近はシミーズとかズロースなんて言葉はほとんど使わないけど・・・。
ちなみに、日本ではドレス・シャツというと礼装用のシャツと思われていることが多いけど、dress shirtは普通のシャツで、礼装のシャツはboiled shirtと言うそうだよ。
ワイシャツは和製英語だけど、Tシャツは英語でもやっぱりT shirtで、きちんと通じるのだ。
米国では何かイベントや集まりがあるとすぐに記念のマグカップとTシャツを作るんだよね。
Tというのは袖を拡げた形が「T」字型に見えるからなのだ。
もともとは肌着だったんだけど、「欲望という名の電車」という映画でマーロン・ブランドさんが着こなしているのがとてもかっこよくて、一気に流行したようなのだ。
プリント・シャツも出てきて、一気に肌着から外出着にかわったみたいだよ。
日本でも70年代までは肌着扱いでTシャツだけで外に出るのは恥ずかしいこととされていたっみたいだけど、逆に反体制的な若年層に受けて、若者の間で広まっていったんだって。
今ではTシャツは普通に外出着になっているよね。
やっぱり時代は変わるのだ。
そのうちTシャツがワイシャツのように正装になったりして(笑)
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