2008/02/15

バレンタインと言えば

今日は米億時間では2月14日、すなわちバレンタインデーなのだ。
で、そのバレンタインデーに何かと引き合いに出されるのがヴァン・アレン帯。
本来はまったく関係ないものなんだけど、気になったのでヴァン・アレン帯について調べてみたのだ。

ヴァン・アレン帯は地球をドーナツ状に取り巻く、要旨や電子からなる放射線帯のことで、米国が一番最初に打ち上げられた人工衛星のエクスプローラー1号に積まれていたガイガー・カウンター(放射線量を計測する装置だよ。)のデータからその存在が発見されたのだ。
エクスプローラー1号を宇宙へ飛ばすヴァンガード計画の主任研究者(PI:Principal Investigator)のジェームズ・ヴァン・アレン博士の名前からとったのだ。
ヴァンガード計画は打上げ用ロケットとして海軍が開発していた固体ロケットのヴァンガードから名前がついたんだけど、実際には失敗が続き、陸軍のフォン・ブラウン博士の開発したジュピターCロケットで打ち上げられたんだよね(ソビエト連邦はスプートニク1号・2号の打上げに成功していて、米国も早く人工衛星を打ち上げなければいけないということで、一度は海軍のロケットで打ち上げることを決定して陸軍は弾道ミサイル開発に専念するようアイゼンハワー大統領は指示したんだけど、それを撤回して陸軍に打上げを行わせたのだ。)。
有名な写真として、全米科学アカデミーのホールでエクスプローラー1号の実物大模型(模型というより実際は予備機)を持ち上げているフォン・ブラウン博士とヴァン・アレン博士の写真があるよね。

地球は言わば大きな磁石で、北極がN極、南極がS極なんだけど、両極を結んで地球を取り巻くように磁力線があるのだ。
磁石を砂鉄の上に置くと波紋みたいな模様ができるけど、あれがまさに磁力線だよ。
で、その磁力線に太陽から放射される電離した粒子(いわゆるプラズマ)や放射線が捕捉されているのがヴァン・アレン帯なのだ。
太陽は毎秒100万トンもの荷電粒子を放出していて、それが太陽風と呼ばれるものなのだ。
そのまま地球に届いてしまうと大きな影響があるんだけど、ほとんどの荷電粒子はヴァン・アレン帯でトラップされるので地球は守られているんだよ。
特に地球のはるか上空を周回している人工衛星への影響は大きくて、ヴァン・アレン帯がなければすぐに機能を停止してしまうことになるのだ!

ヴァン・アレン帯は両極を結ぶ磁力線にトラップされた陽子や電子でできているわけど、赤道上空が一番層が厚くて、極の近くでは層が薄いのだ。
なので、赤道直下の地域は一番太陽風の影響から守られていて、極付近は逆に影響が大きいわけ。
でも、そのおかげでオーロラが見られるんだよね。
オーロラは荷電粒子が大気のな兄超高速で突入するんだけど、大気中の気体分子とこの粒子が衝突すると気体分子が大きなエネルギーをもらって励起状態になり、その後発光するのだ(発光の原理は蛍光と同じだよ。)。
その発光現象をマクロで見たのがオーロラというわけ。

太陽風というのは太陽活動によって強くなったり弱くなったりするんだけど、太陽風は地球以外には太陽系の宇宙環境に影響を及ぼすので、今では太陽観測衛星なんかを使って活動状況を観測していて、宇宙天気予報として強弱を予測しているんだ。
太陽は活動が活発になると黒点が増えたりするので地上からでもある程度はわかるんだけど、やっぱり宇宙から観測した方が精度が高いみたい。
で、太陽表面で大きな爆発現象であるフレアが発生すると、一気に大量の粒子が放出されて、非常に強い太陽風となるのだ。
特に程度の大きいものは太陽嵐と呼ばれるんだけど、それくらい強いとヴァン・アレン帯でも守りきれずに地上にも影響が出てしまうのだ。

強い太陽風だとまずは地球周回軌道上の人工衛星に大きな影響が出て、電子機器が壊れてしまったり、通信が途絶えたりしてしまうんだ。
追伸・放送衛星がだめになるだけじゃなくて、今の銀行の自動支払機(ATM)やクレジットカードの決済システムは米国の全球測位システム(GPS:Global Positioning System)をもとに時間管理をしているので、そういうのも使えなくなってしまって、副次的に地上に影響が出るんだ。
さらに強い太陽嵐だと、太陽からのmつよいでんじはで地上で電磁誘導が発生して送電線に以上電流が流れ、場合によっては送電ネットワークがだめになって大停電が発生するんだよ。
発電所や変電所などの施設も破壊されるおそれがあるのだ。
また、電磁波が地磁気を大きく変えてしまって、いわゆる磁気嵐が発生するので、衛星を介さない地上間の電波による通信なんかもまったく使えなくなるんだ。
実際にはまだそこまで強い太陽嵐はここ最近は発生していないんだけど、まだそういうものが発達していなかった、むかしには発生している可能性があって、それが現在でも起こらないとは言えないんだよね。

でも、通常のレベルの太陽風ではそういう大惨事が起こらないように守ってくれているのがヴァン・アレン帯なわけで、「バレンタインデーはヴァン・アレン帯の誕生日」なんてことをいっている場合じゃないのだ(笑)
肉眼で見えるようなものではないけど、感謝の気持ちを持たないとね。
バレンタインデーはむしろ日頃からお世話になっているヴァン・アレン帯に感謝する日にしてもよいのかも♪

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