2008/02/16

お大尽のイメージ

ボクの中でお金持ちのお大尽のイメージというとなんと言ってもガウンと葉巻(笑)
ガウンなんてきっと日本ではほとんど着ている人がいないよね。
で、さらにバスローブまで着ているとなるとなおさらなのだ。
テレビドラマなんかでは着ている人を見るけど、実際に日本でどれくらいの人がバスローブを愛用しているのかな?

バスローブは風呂上がりに着るガウンで、タオル地でできているのだ。
米国に来てから売っているのを普通に見かけるようになったけど、別に高いものではないんだよね。
きっとそういう西洋文化を取り入れている、というのがお大尽に見えるだけなのだ。
むかしは西洋のものというだけで高級そうな感じがしたからね(笑)
案外欧米では普通のものでも、とにかく欧米のものは日本では高級だった時代があるから、いまだにそれを引きずっているということなんだろうね。
日本の文化として浸透していないというのも大きな原因だと思うのだ。

で、このバスローブは入浴後に濡れた体を包んで、汗を吸い取るのが目的なのだ。
でも、それって実は日本の浴衣と同じようなものなんだよね。
もともと浴衣は「湯帷子(ゆかたびら)」で、お風呂で着るものだったのだ。
平安時代にお風呂の文化が出てきたようなんだけど、そのころは蒸し風呂(いわゆるサウナ)で、複数人で一緒にはいるのでよく汗を吸い取る服を着て入ったんだって。
戦国時代になるとお湯をはった浴槽につかるお風呂も出てきて、戦国大名などはお湯につかった後に何度も浴衣を着たり脱いだりして換えて体の表面の水分を吸わせていたそうだよ(これこそお大尽の贅沢な着方だよね。)。
で、さらに江戸時代になって一般公衆浴場としての銭湯が普及すると、木綿の薄い生地でよく汗を吸い、風通しもよい浴衣は風呂上がりに着る着物として広まったとか。

さらに簡便に着られること(今の人から見ると浴衣を着るのもけっこう大変だけど、普通の和服に比べると格段に楽なのだ。)、風通しがよくて汗をよく吸い取ることなどから夏場の略式の服装としても使われるようになったんだって。
現代に生きる僕たちは着方がいまいちなのでどうしても朝起きるとはだけてしまっているけど(笑)、寝間着としても使われていたなよね。
西洋でもバスローブと同じような形状のナイトガウンが寝間着として使われていたけど、これまた同じような発想なのだ。

それにしても、バスローブやガウンがお大尽なイメージなのに対し、同じような目的で使う日本の浴衣は極めて庶民的な感じがするよね。
西洋では別にガウンやバスローブはたいしたものじゃないんだろうけど。
現在でも浴衣はまだかなり見かける着物だけど、それでもやっぱり着る機会は少なくなっているよね。
風情があるものだし、男性でも女性でも艶っぽさが出るから、こういうものはで着るだけ残していきたいものなのだ。

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