2007/07/06

はみがき

日本でも米国でも、中国製の歯磨き粉に本来は行っていてはいけない化学物質が見つかって問題になっているのだ。
歯磨き粉は食べ物ではないけど、同じように口に入れるものだからこわいよね。
そんなニュースを見ていて、歯磨き粉のことが気になったので少し調べてみたのだ。

歯みがき粉とは言うけど、実際に「粉」状のものを見かけることはほとんどなくて、今ではほとんどがチューブに入ったペースト状のものだよね。
でも、日本で初期に売り出されたものが「粉」だったので、言葉としては「粉」となってしまっているのだ。
(テレビのチャンネルを「まわす」とか、そういう言葉としてだけ残っている例はけっこうあるよね。)
一時期液体歯みがきもあったけど、今ではほとんど見かけないのだ。
ボクは泡立ちが弱くてわりと好きだったんだけど。

歯みがき粉の歴史をさかのぼってみると、古代エジプトや古代ローマまでさかのぼるみたい。
その頃から「歯にいい」と思われる成分をつけて歯をきれいにする習慣があったのだ。
でも、今のように一般にも浸透したのは19世紀以降の米国みたい。
当時はまだ粉が主流で、自家製のものも多かったそうだよ。
チョークの粉や食塩を混ぜていたようなのだ。
20世紀になると今のように歯をきれいにする成分が入ったペースト状のものが登場し始めて、それが主流になっていったとか。

南国の島では珊瑚礁が細かく砕かれた砂を歯にこすりつけるところもあるし、粗塩だけで歯をみがく民族もいるよね。
日本の場合は、楊枝で歯を掃除するのが主流で、粉などは使わなかったみたい。
今のような先のとがった楊枝も使っていたけど、先をブラシ状にした楊枝もあったんだよね。
今の歯ブラシと同じようなものなのだ。

現在主流の歯みがき粉に入っている主要な成分は、研磨剤、発泡剤、保湿剤、結合材、それに薬用成分なのだ。
研磨剤は文字どおり歯を「みがく」ためのもので、かたい微粒子なのだ。
炭酸カルシウムやリン酸水素カルシウム、水酸化アルミニウムなんかが多いみたいだけど、歯の表面を削るんだよね。
歯を白くする降下はあるけど、歯の表面を削り取って細かい傷をつけるのでよくないとも言われているのだ。

発泡剤は歯みがき粉の泡のもとで、ラウリルサルコシンナトリウムやラウリル硫酸ナトリウムなんかが使われるみたい。
これはいわゆる中性洗剤と同じで、歯の表面についた汚れを浮き上がらせて落とすものなのだ。
台所用洗剤でも効果は同じか、より強いくらいなんだけど、口の中に入れるのでよりマイルドで、かつ、味が悪くないものが使われるんだ。
なめてみるとわかるけど、台所用洗剤は「にがじょっぱい」んだよ(>_<)

保湿剤と結合材は歯みがき粉をペースト状にするためのもの。
保湿剤としてはグリセリンやプロピレングリコール、ソルビトールなんかが使われるのだ。
おそらくこれらの成分の不純物として入っていたのだ。
結合材はアルギン酸ナトリウムやカルボキシメチルセルロースなんかが使われるけど、これは粘性を出すためのものなんだよね。
水分子と保持する保湿剤と合わさってペーストができるというわけ。
市販の歯みがき粉の場合、味をつけるためにここいサッカリンナトリウムやキシリトール、香料なんかが加えられるんだよね。

最後の薬用成分が歯みがき粉ごとの特徴があるもので、いろいろなものがあるよね。
単純に粗塩が入っているようなものもあるし、指向を分解する酵素が入っているものもあるのだ。
欲は言っているフッ化化合物(フッ化ナトリウム、モノフルオロリン硫酸ナトリウムなど)は歯の表面にフッ化カルシウムの膜を作って歯質を強化すると言われているもので、飲料水中に微量のフッ素が含まれる地域では虫歯が少なかったことから、その効用が注目されたのだ。
でも、今では本当に虫歯になりにくくなるのか疑問とも言われているみたい。
ボクは個人的にフッ素入りが好きだけど。

一時期はやったハイドロキシアパタイトは、歯の主要成分のリン酸カルシウムと親和性が高いもので、歯の表面の微少な傷のあるところに結合して、歯がつるつる、きれいになると言われているものなのだ。
歯垢除去効果なんかも高いみたい。
とある歯みがき粉に含まれているグリチルリチン酸ジカリウムは抗炎症作用のある成分で、歯肉炎などに効果があるのだ。

ちなみに、審美歯科の分野で化学的なホワイトニングに使われるのは過酸化尿素で、歯の表面の黄ばみ成分などを脱色してしまうのだ。
原理は漂白剤とまったく同じで、色素成分を除去しているんじゃなくて、色素の色自体をなくしているんだよ。
でも、人間の歯はあまりにも白いとかえって不自然に見えるので、適度にクリーム色くらいの方がきれいに見えるらしいよ。
きちんと歯みがきをして、自然に白くなるのが一番なのだ。

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