2007/07/30

参議院

いやぁ、参議院選挙では、大方の予想どおり、自民党には厳しい結果になったみたいだね。
ボクは今米国に来ているからいまいち実感がないのだけど、ここまで強く民主党が支持されるっていうのは、それだけ今の政権に不信感が持たれているっていうことなのかも。
ま、いろいろ失言しちゃった人も多かったから、イメージが悪かったのかもだけど。
で、せっかく選挙があったので、今回は参議院の特徴について調べてみたのだ。

日本は明治時代から二院制をとっていて、帝国憲法下では衆議院と貴族院だったんだよね。
でも、戦後に貴族院は廃止され、代わりに衆議院同様、一般国民から選出される参議院が置かれることになったのだ。
参議院の「参議」はもともと太政官制度での役職のひとつで、中納言に次ぐ職で三位というからかなり偉いのだ!
参議又は三位以上は公卿と呼ばれ、貴族社会で国政を担う重要な地位だったのだ。
で、その名前を持ってきたわけ。
そのむかしの参議の定数は8名だったらしいけど、今の参議院は242名もいるね(笑)

参議院と衆議院の違いは日本国憲法や国会法で定められているんだけど、

 ・衆議院の任期は4年で途中で解散されることもあるけど、参議院の任期は6年で解散はなし(3年ごとに定数の半分を改選)
 ・衆議院の解散中で緊急を要する場合は、参議院の緊急集会で国会運営を行うことができる
 ・参議院には国政の重要事項について長期的かつ総合的に調査を行うために調査会を設けることができる
 ・衆議院で可決して参議院に送付した案件を参議院が否決した場合は、再度衆議院に返付して、衆院で可決されれば成立する

などなどなのだ。
そのほか、もともと参議院の議場が貴族院の議場で、天皇の御席があるので、国会の開会式は必ず参議院で行われるのだ。
ただし、主催は衆議院議長なんだって。
それと、もと貴族院だけあって、衆議院の議員バッジが金メッキなのに対し、参議院は一回り大きくて、しかも純金だそうだよ。

この参議院の制度設計に当たっては、米国の上院(Senate)が参考にされているとは思うんだけど、その職権には大きな違いがあるんだよね。
米国の上院は下院にはない機能として、条約の批准の承認権、大統領指名人事(各省庁の長官や大使などの政府高官)の承認権、弾劾裁判権の3つがあるのだ。
予算案は下院先議だったりするんだけど、日本の参議院に比べるとかなり大統領への影響度が強いのだ。

米国の上院は各州の代表として選ばれていて、50州から2人ずつ、100名で構成されるのだ。
もともとは古代ローマの皇帝の最高諮問機関だった元老院(Senatus)から名前をとったものなんだけど、確かにそれだけの影響力はあるのだ。
米国は連邦政府で、各州はかなり強い自治権を持っているから、それぞれの州の意見というのが大事なんだよね。
下院の場合は、単純に人口比で割り振られるんだけど、上院の場合は人口の少ない州も多い州も同じだけの影響度を持つことができるのだ。
1913年に合衆国憲法に修正条項が入るまでは州議会で選出していたらしいけど、そういうところに「州としての代表」という役割が強く表れているよね。
でも、下院に比べて定数が少ない、任期が6年などは参議院と同じ特徴なのだ。
(下院の任期は2年で、日本とは違って解散はないのだ。)
ちなみに、米国の上院は3年ごとに3分の1ずつ改選するそうだよ。
それと、上院・下院という呼び名は、フィラデルフィアに首都があったころ、議会が使用していた2階建ての公会堂(現在の独立記念館、独立宣言はここで発布されたのだ!)で、定数の多い代議員(House of Representative)が広めの1階を使い、定数の少ない元老院が2階を使ったので、Upper HouseとLower Houseと呼ばれるようになったとか。

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