2007/07/17

炭酸飲料

米国では清涼飲料水の種類がそんなになくて、アイス・ティーかスポーツドリンク、体に悪そうな色のビタミンドリンク、それとコーラに代表される炭酸飲料しかないんだよね。
日本のように缶コーヒーとかはないのだ。
で、自然と炭酸飲料を飲む機会が増えるんだけど、今回はその炭酸飲料について調べてみたのだ。

炭酸飲料というとノンアルコールの清涼飲料水を思い浮かべるけど、炭酸の入った飲み物全般を指すようなので、ビールやスパークリング・ワインも本来は入るみたい。
炭酸入りのソフトドリンクを指すときは別に炭酸清涼飲料水と言うようなのだ。
ま、どっちでもいいんだけどね(笑)

ソフトドリンクの炭酸飲料は、多くの場合加圧状態で無理矢理炭酸を液体中に溶かし込み、そのままふたをするのだ。
気体は圧力が高ければ高いほど水に溶けやすくなるので、その性質を利用しているというわけ。
で、ふたを開けると一気に常圧にもどるので、溶けきれなくなった炭酸ガス(二酸化炭素)がしゅわーっと吹き出してくるのだ。

ふたをしている状態でも炭酸ガスを溶かし込んだときよりは圧力が弱くなっているので、炭酸は「過飽和」状態で、不安定な溶け方をしているんだよね。
なので、振ったりして刺激すると、一気に溶けきれない炭酸ガスが出てきてしまうというわけ。
それで炭酸は振ると泡がたくさん出るのだ。
めいっぱい食塩を溶かした水を静かにゆっくり冷やしていくと、なかなか結晶が析出しないんだけど、そこにちょっとした衝撃を与えると一気に溶けきれなくなった食塩が結晶として析出するんだよね。
それと同じなのだ。

最初の炭酸水は、レモネード(レモン汁に砂糖やはちみつを加えて冷水で割ったもの)に炭酸水素ナトリウム(重曹)を加えて作ったそうだよ。
そうすると、レモン汁中に含まれるクエン酸と炭酸水素ナトリウムが反応して、クエン酸ナトリウムと炭酸ガスができるのだ。
ただ、炭酸水素ナトリウムを入れすぎると苦くなったりするから加減が難しいかも。

一方、ビールやスパークリング・ワインの炭酸はちょっと違うんだよね。
こっちは製造過程で自然に発生してくるものなのだ。
酵母(イースト)を使って発酵させるとき、低酸素状態だと、糖からアルコール(エタノール)を作るときに炭酸ガスが発生するのだ。
ブドウ糖だと、

 C6H12O6 → 2CH3CH2OH + 2CO2

という化学式になるよ。
エタノールが2分子できると炭酸ガスが1分子できるのだ。

ビールの場合は麦芽の中のデンプンが酵素で麦芽糖に分解されて、その糖がアルコールに変わるんだよね。
スパークリング・ワインの場合は、まず一度普通にワインを作るんだけど、そこに糖分を多く含むシロップなどを足してから二次発酵させるみたい。
この時に独特のマッシュルーム型のコルク栓をして、発酵過程でできた炭酸ガスが逃げないようにするのだ。
無理矢理とか仕込んでいるのではなくて、自然に発生したものが溶け込んでいるだけなので、ソフトドリンクほどは炭酸がきつくないのが特徴だよ。
ひょっとしたら安いスパークリング・ワインは後から炭酸ガスを溶かしているかもしれないけど・・・。

ちなみに、むかしコーラで骨が溶けるなんて話があったけど、あれは酸である炭酸に骨を入れると溶けた、というだけで、炭酸を飲んだせいで骨が溶けるわけではないのだ。
そんなこと言ったらすっぱい食べ物が食べられなくなるよね。
レモンやお酢でも骨が溶けてしまうのだ!
ただし、等を含む炭酸飲料は粘性もあって、葉の表面に付着しやすいので、虫歯になりやすくなるのは確かで、そういう意味では歯を溶かすおそれはあるよ。

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