2007/07/07

陶磁器

博物館に行くと、陶器とか磁器とかが分けて説明されるんだけど、いまいち違いがわからなかったんだよね(>_<)
さすがに素焼きの土器と瀬戸物の違いはわかるけど、それ以外はよくわからなかったのだ(笑)
ということで、今回は陶磁器について調べてみたのだ。

まず、粘土質の土をこねて、乾燥させてから普通にたき火の中などに入れて焼くのが土器。
これは野焼きと言って、いわゆる「窯(かま)」は使わないで焼くので、焼成温度は低くて、700度から900度くらいだって。
なので、器としては形になるけど強度もあまりなく、気孔も残っているので吸水性・浸水性が高いのだ。
(ようは割れやすくて、水がしみこむということ。)
ちなみに、素焼きのかめに水を入れておくと、かめが水を吸い込んで、その水はかめの表面で蒸発していくので、気化熱が奪われて中の水は冷たくなるのだ!(水は減っていくけど。)

で、ここから発達して、窯を使って焼くようになったのが須恵器と呼ばれるもの。
古墳時代くらいから登場して、平安時代くらいまで使われたみたい。
これは窯を使って1,000度以上の高温で焼成させるので、強度も高く、表面も少しガラス質になってつるつるになるのだ。
水も素焼きほどはしみこまなくて、器として使いやすいのだ。
最初は高級品だったみたい。

ここからはさらに技術が発展して、今のような窯を使って焼き物を作るようになるんだ。
そこで出てくるのが陶器。
陶器は単純な窯(ドーム上にして煙突をつけ、密閉して焼くだけの窯)を使って1,100度から1,300度で焼き上げたもので、透光性はないけど、少し吸水性が残るのだ。
釉薬(うわぐすり)を使うこともあって、一般に厚手で重くて、たたくと鈍い音がするのが特徴だそうだよ。
瀬戸焼や大谷焼なんかが陶器なのだ。

もっと高温で焼くようになると、今度は磁器と呼ばれるものになるのだ。
磁器の場合は、まずは700度くらいで素焼きした後、釉薬をつけてさらに1,300度くらいで焼き上げるのだ。
これには登り窯などの高温が持続できる窯が必要なんだよ。
焼き上げると、半透光性(半透明)になって、陶磁器の中ではもっともかたく、たたくと金属音がするのだ。
これは中でガラス質が多くなっているためで、もともとの粘土の粒子の間にあった隙間がもっとも密に埋まっているので、強度もあって、金属のような硬質の音がするようになるのだ。
有田焼や九谷焼なんかが代表だよ。

この陶器と磁器の中間的な存在のものもあって、それは炻器(せっき)と呼ばれるのだ。
焼成温度は1,200度から1,300度で一般には釉薬は使わないんだけど、もともと粘土に含まれていた成分が自然に溶け出した釉薬のようになったりすること(自然釉薬)はあるみたい。
備前焼や常滑焼きが代表で、自然な感じを活かしたシックなデザインが好まれるものなのだ。
かたくて耐水性もあるので世界各地でよく使われているみたい。

というように、簡単に見ただけでも、けっこう違いがあるものなんだよね。
実は、焼く温度だけでなく、それぞれ使う粘土の質も違っていて、磁器だと長石が入っていないとダメだったりとかいろいろあるみたい。
きっとこういうのは試行錯誤の上に一番うまくいくものが選ばれていったんだろうね。
その土地、地域の土の特色などを生かしていろんな陶磁器が生まれてきたのだ。
こういう文化は大事にしたいよね。

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