2007/11/04

マンモスは毛の生えたゾウか?

今日はDCに遊びに来ている同期を案内していて国立自然史博物館(National Museum of Natural History)に行ったんだけど、そのとき気になったのがマンモスとゾウの違い。
一般的にはマンモスは牙が長くて横に湾曲していて毛が生えている、というイメージで、牙がまっすぐが毛が少ないゾウと違うと考えられているよね。
でも、福島で発見されたナウマンゾウはゾウだけど毛が生えているし、どうもよくわからなかったのだ。
そこで、少しマンモスについて調べてみたよ。

マンモスは全種族が既に絶滅しているゾウの類縁のほ乳類なんだけど、実は別の種族らしいのだ。
700万年から600万年前にインドゾウの祖先とマンモスの祖先が枝分かれして、それぞれ独立して進化していったみたい。
かなり早い時期に分岐したので、似てはいるけど確実に違う動物らしいのだ。
マンモスはシベリアで氷づけの個体が見つかっていて、筋肉などの組織片や胃の内容物が調査されているのでかなり研究が進んでいるんだけど、DNA(デオキシリボ核酸)レベルで調べてみても、このことがっかうにんされているようなのだ。
食べているものはやっぱり草(イネ科の草がの中からは見つかっているみたい。)、臼歯の形やあごの発達具合なんかはあまり変わらないみたいなんだけどね。
でも、この冷凍個体があるおかげで、「毛が生えている」という決定的違いが確認されてもいるのだ。

一方、ナウマンゾウも毛が生えていたことが確認されているんだけど、これはアジアゾウの類縁で、ゾウなのだ。
どうも、ゾウが寒冷な地方に住むようになって、底に適応するために皮下脂肪が厚くなり、毛が長くなったのがナウマンゾウみたい。
で、住む地域が似ているので、たまたま環境に適応するように進化した結果、マンモスに似ることになったのだ。
なので、マンモスとゾウの違いはやっぱり毛のあるなし(つまりは住んでいる地域の気候の違い)なんだけど、ナウマンゾウはその例外というのが事実のようなんだよね。
なんだかこれですっきり。

マンモスが絶滅した理由はいくつか考えられているようなんだけど、一般的に有力と見られているのは氷河期末期の気候変動に伴う植生の変化によるもの。
それまで食べていた植物が気候変化で育たなくなって、食べ物が不足して数が減少していった、という考え方なのだ。
もうひとつは人が現れてマンモスを乱獲した結果として絶滅したというもの。
はじめ人間ギャートルズや数多くの原始人に関するアニメやマンガではマンモスが狩猟音対象として登場するけど、まさにその世界というわけ。
でも、これには否定的な意見も出ていて、確かに狩猟の証拠も見つかるので人間がマンモスを狩りしていたのは確実のようなんだけど、絶滅するまで乱獲したとは考えづらいというのだ。
現在は伝染病による大量死という説が急浮上してきていて、乱獲というよりも、人間が近くに住みつき、その家畜などから新たな伝染病がマンモスに広まって絶滅したと考える方が自然とか言われているみたい。
実際、オーストラリアでは西洋人が入植して以降、それまでオーストラリアにはなかった家畜の伝染病が有袋類に広まったりしているから、その可能性はけっこうあると思うのだ。

愛・地球博なんかではマンモス復活プロジェクトの話が出ていたけど、マンモスは冷凍個体が見つかっているので、まさにジュラシック・パークの世界ができるかも、と期待が高いんだよね。
でも、意外とこの冷凍肉の中のDNAは傷んでいて、完全な状態ではないのでなかなかクローン技術で再現するというのも難しい話なのだ。
ゾウとは近縁ではあっても違う種なのでどこまでゾウのDNAが参考になるかもわからないしね。
でも、マンモスが復活するというのはなかなか夢のある話なので、ボクもちょっと期待しちゃうよね。

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