2007/11/26

いわゆるカップケーキ

米国ではどこに行ってもマフィンが売っているんだよね。
日本でもスタバではよく見かけるけど、米国ではコンビニだろうが、街中のスタンドだろうが、どこにでも置いてあるのだ。
どうも米国には日本のようにおにぎりや菓子パンといった軽食類が少ないから、ちょっと小腹が空いたときなんかにマフィンを食べるみたい。

マフィンというのはいわゆるカップケーキで、通常は紙のシートをひいたカップの中で焼き上げるのだ。
なので、必ず下に紙がくっついているんだよね。
マフィンはパンとほぼ同じ材料だけど甘めに作ってあって、ドライフルーツやナッツなどを入れることも多いんだよね。
さらに、パンではなくてあくまでも焼き菓子たらしめているのは、イーストで発酵させるのではなく、ベーキング・パウダーでふくらませている、ということなのだ。
ベーキング・パウダーの量でふっくら感は違ってきて、ものによってはずっしりしたものもあるんだよね。
英国ではカップケーキ型のもののほかに、丸型で焼いたパン状のものもあるんだって。

で、このマフィンをふくらませているベーキング・パウダーなんだけど、主成分は炭酸水素ナトリウム、いわゆる重曹なのだ。
重曹は重炭酸曹達(ソーダ)の略だよ。
重曹の化学式はNaHCOだけど、重曹は熱が加わると分解して、NaOH(水酸化ナトリウム、苛性ソーダ)とCO(二酸化炭素、炭酸ガス)になるんだ。
さらに、水酸化ナトリウムは未反応の重曹と中和反応をして、NaCO(炭酸ナトリウム)とHO(水)になるのだ。
このときに発生する炭酸ガスによって生地がふくらんでふわふわになるというわけ。
ベーキング・パウダーの場合は、この分解を促進するように酒石酸やリン酸ナトリウムなんかが入れられているんだって。
最後にできる炭酸ナトリウムはそのままでは苦い味がするんだけど、酒石酸なんかが入っていると中和されて無味になるのだ。
分解する前の重曹は少し苦くて、酒石酸は少しすっぱいので、ベーキング・パウダーをなめると下がしびれるような独特のまずさなのだ(>_<)

イーストで発酵させる場合も、発酵の過程で出てくる炭酸ガスで生地がふくらむんだよね。
でも、イースト発酵の場合は焼く前にすでに生地がふくらんでいるんだけど、ベーキング・パウダーを使う麻ぢんやスポンジ・ケーキの場合は焼きながらふくらんでいくのだ。
なので、パンは焼くと少し縮まるんだけど、マフィンはスポンジ・ケーキは焼くとふくらむんだよね。
カップにギリギリに生地を入れて焼くと、マフィンはふくれ上がって独特のキノコ型になるというわけなのだ。
パンとマフィンの表面の堅さの違いもきっとこのふくらみ方の違いが影響しているんだろうね。
マフィンは焼きながらふくれて炭酸ガスが抜けていくから表面にも細かい穴が開いてやわらかいけど、はじめからふくらんでいるパンはそういうことがないからしっかり焼かれてかたくなるのだ。

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