天気を見る衛星
日本の気象衛星といえばひまわりだよね。
これは静止衛星といって、静止軌道にある衛星なのだ。
静止軌道にある衛星は、地球の自転と同じ速度で地球を周回するので、地上から見ると上空の同じ一点にとどまっているように見えるんだよね。
なので静止衛星と言うのだ。
もちろん、地球の自転面と平行な面で周回しないと止まって見えないので、静止衛星は必ず赤道上空にあるんだよ。
でも、米国には静止軌道でない気象衛星があるんだよね。
極軌道衛星というやつで、太陽同期軌道という赤道面に対して縦に回る衛星なのだ。
北極と南極を結ぶように地球を縦に周回するんだけど、1周は約100分で、1日に2回ほぼ同じ時間に上空を通って常に対結おう光線は一定の角度になっているので太陽同期というそうなのだ。
衛星の軌道面が1年に1回回転し、いつも軌道面と太陽のなす角度が一定だからそうなるんだって。
ほぼ同じ観測条件で地上が見られるので、地上を観測する気象衛星に向いている軌道だというわけなのだ。
米国だけじゃなく、欧州やロシア、中国なんかもこの極軌道気象衛星を運用しているんだよね。
今年の1月に中国が対衛星兵器(ASAT)で破壊したのは古くなった極軌道気象衛星(風雲1C号)だったのだ。
なんでこの極軌道衛星が必要かというと、静止気象衛星ではすべての地域がカバーできないからなんだよね。
でも、静止軌道から見える範囲には限りがあって、どうしても極圏に近い方は見えないのだ。
米国の場合は東と西に2つの静止気象衛星を持っていて、それでアラスカとハワイ以外の米国全土と中南米のほとんどをカバーできているんだけど、アラスカやカナダの北部は見えないのだ。
そこで縦に周回する極軌道気象衛星を使ってその見えない範囲をカバーしようというわけ。
欧州やロシア、中国が極軌道気象衛星を使っているのも同じ理由なのだ。
日本は幸い恵まれていて、北海道から沖縄まで、南北も東西もひとつの静止気象衛星でカバーできるんだよね。
東経140度のところにいるんだって。
ついでにオーストラリアの方までカバーできているのだ。
静止軌道は他にも通信衛星や訪ソ衛星なんかも使う軌道で混み合っているので、静止気象衛星のデータは強要できるところは強要することになっているんだよね。
なので、米国のデータは中南米やカナダでも使うし、日本のデータは東アジアや東南アジア、オセアニアでも使うのだ。
日本は一度打上げに失敗して米国の予備機を借り受けて気象衛星として運用したこともあったけど、今はきちんと予備機もあるので、今運用している気象衛星にトラブルがあっても一応平気なのだ。
もちろん、何もトラブルがないのが一番なんだけど(笑)
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