2007/11/18

酸味のきいた発酵食品

ボクは発酵食品が好きなんだよね。
ヨーグルトは毎朝食べているし、日本にいるときはよく漬け物も食べていたのだ。
で、これらは実は乳酸発酵している食品なのだ。
納豆とは納豆菌による発酵で、みそやしょうゆは麹と酵母による発酵で主にタンパク質をアミノ酸に分解するんだけど、乳酸発酵は糖を参加して乳酸にして、酸味を出すものなのだ。

乳酸発酵の代表的なものは、ヨーグルトなどの乳製品、糠漬け、韓国のキムチ、ドイツのザワークラウトなどの植物性発酵食品、鮒寿司などのなれ鮨も乳酸発酵なのだ。
実は、乳酸発酵すると乳酸のおかげでpHが酸性に傾くので、雑菌が繁殖しにくくなって保存性が高まるんだって。
それでむかしから乳酸発酵で食品を保存してきていて、それがこれらの発酵食品なのだ。
主に乳酸による酸味が加わるんだけど、そのほかにも香りの変化もあるそうだよ。
たしかに鮒寿司なんかはものすごくくさいよね(>_<)

で、その乳酸発酵を起こしているのが乳酸菌。
生物学的には乳酸菌という区別はなくて、乳酸発酵させる菌の総称がそう呼ばれているだとか。
糖を分解して乳酸を作るバクテリアのうち、悪臭の原因となる腐敗物質を作らないものがいわゆる乳酸菌と呼ばれるらしいよ。
ヨーグルトと糠漬けはどちらも乳酸発酵だけど、発酵の主体のバクテリアはまったく違うものなのだ。
日本にはあまりヨーグルトを作るのに適したバクテリアはいないと言われているんだよね。

乳酸菌は乳酸発酵では大事な菌なんだけど、他の発酵食品にとっては邪魔者であったりもするのだ。
特にお酒を造る過程では乳酸菌は一番の天敵で、乳酸菌が混ざると変な酸味が加わったり、いやなにおいがついたりするんだって。
日本酒を造る杜氏さんたちは納豆やヨーグルトなどの発酵食品を食べることが禁じられているけど、それは納豆菌や乳酸菌が混ざること(コンタミネーションすること)を避けるためなんだ。
ワインの醸造過程でも同じように乳酸菌は嫌われるみたいだから、きっとワインの醸造に携わる人もヨーグルトを控えていたりするはずなのだ。

ビオフェルミンなんていう乳酸菌錠剤もあるけど、乳酸菌は普段から人の腸管の中にいる菌でもあって、整腸作用があると言われているのだ。
でも、これは何かポジティブな作用をしているわけじゃなくて、人にとって有害でない乳酸菌が増えることで、病原菌などの有害な菌の繁殖が抑制されている、ということが大事なのだ。
腸内のバクテリアのバランスが保たれていると、外から病原性のバクテリアが多少入ってきてもその増殖を抑えるから、病原菌は増えることができないのだ。
食中毒の場合はよく下痢を起こすけど、乳酸菌が普段からしっかりと繁殖していて食中毒菌が増えるのを抑えれば下痢はしにくいということなのだ。
それで善玉菌なんて呼ばれるんだけど、本当は悪玉菌じゃないだけなんだよね(笑)
とは言え、これも重要な働きなので、発酵食品をよく食べて、腸内のバクテリアのバランスを適切に保つことは大事なことなのだ。

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