つくねとつみれ
寒くなってくると鍋物がおいしいよね。
そんな鍋物で活躍するのがつくねとつみれ。
鶏肉で作ると「つくね」で、魚で作ると「つみれ」と呼ぶのが一般的みたい。
どちらもすり身にしてから卵や小麦粉、山芋などをつなぎに使うのだ。
つくねやつみれがかたまる理由は、鶏肉や魚肉の中のタンパク質が熱で変性してかたまるからだよ。
タンパク質が熱によって三次元構造を変えて、それが骨組みになってゲルができるのだ。
でも、そのままだとかためる力が弱いので、つなぎを入れるというわけ。
つなぎに使われる卵はタンパク質、小麦粉はデンプン、山芋は多糖類がそれぞれゲル化作用を持っているんだよね。
でも、あんまりつなぎを入れすぎるとかたくなってしまって、ふわふわ感を楽しむには入れすぎない方がよいのだ。
はんぺんやかまぼこ、ちくわなどの練り物製品がかたまるのも同じ原理だよ。
ハンバーグは役とぼろぼろにならずにむしろひとまとまりになるのもこれと同じなのだ。
もともと肉でも魚でもコラーゲンがかたまって「煮こごり」ができることがあるけど、そういう成分がのりの役目をして全体をかためるというわけなのだ。
つくねは「つくねる」という動詞から来た言葉で、これは「こねてかためる」という意味なんだって。
感じは「捏造(ねつぞう)」の「捏」で、「捏ねる」と書くらしいのだ。
一方、つみれは「摘み入れ」が短縮されたもので、お湯や汁の中につまんで入れるからつみれと呼ばれるようになったそうだよ。
いわしのつみれなんかは骨ごと食べられるし、ちゃんと作ると生臭くもなくておいしいんだよね。
つくねもつみれもゆでて鍋や汁物の具にするだけでなくて、別の火の通し方で食べることもあるのだ。
つくねは普通に焼き鳥でも食べるけど、焼きつみれは香港なんかでは有名なおやつで、スパイシーに味付けしてあるんだって。
つみれを揚げると薩摩揚げで、九州ではいろんな具が入っていたりとバリエーションも多いよね。
○○天というと関東では天ぷらのことだけど、九州では薩摩揚げなのだ(薩摩揚げ自体が「天ぷら」と呼ばれることもあるんだよね。)。
普通に肉や魚を食べるものよいけど、つくねやつみれにするとふわふわした食感も楽しめるし、中に具を入れたり、味付けもできるから味のバリエーションが広がるのだ。
一手間かかるけど、なかなかよく考えられた調理法だよね。
練り物は消化にもよいというし、中に生姜なんかを加えれば臭みも抑えられてそのまま食べるより格段においしくなるし、いいことずくめなのだ。
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