2007/11/15

ただのカラシじゃないよ

米国に来てから調味料としてチリパウダーを買ったんだけど、なんか日本のものと違うんだよね。
あまり辛みもないし、においも独特なのだ。
で、なんでかなぁ?、と思っていたら、衝撃の事実が!

米国のチリパウダーは赤唐辛子の粉にオレガノ、ディル、ガーリック、クミンなどの香辛料を加えた混合香辛料で、手軽にテクス・メックス(メキシコ風アメリカ料理)を作るために発明されたものなんだって。
英国が手軽にカレーを作るためにカレー粉を作ったようなものなんだそうだよ。
インドにカレー粉がないように、メキシコにはこういうあらかじめ混ぜられた香辛料はないんだって。
なので、このチリパウダーという調味料はメキシコ風の味付けにしたいときに使うものなのだ。

で、なんでそういう誤解が生じたかというと、唐辛子の粉はchile powderで、混合香辛料はchili powderと、つづりは違うんだけど、発音はまったく同じなのだ。
日本でピザなんかについてくるチリパウダーはまさに赤唐辛子の粉で、一味唐辛子のようなものなんだよね。
それで勘違いしていたのだ。
米国のチリパウダーは混合香辛料なので、見た目の赤い色よりはたいして辛くないのだ。
しかも、他の香辛料の香りで辛さだけでなく、風味も付け加えてしまうというわけ。
料理に使っていてどうもおかしいなぁ、と思っていたんだけど、やっと謎が解けたよ。

すると、米国のチリパウダーは七味唐辛子のようなものなんだよね。
辛みと風味を加える混合香辛料という点で同じなのだ。
七味唐辛子は唐辛子の粉である一味唐辛子に、ごま、芥子(ケシの実)、陳皮(ミカンの皮を乾燥させたもの)、山椒、麻の実、紫蘇、海苔、青海苔、生姜、菜種なんかを混ぜたもの。
一般には7種類混ぜるけど、別に必ず7種類じゃなくちゃいけないわけじゃなくて、七味の「7」は数が多いことの意味なのだ。
縁日なんかに出ている七味唐辛子屋さんでは、好きなブレンドで混ぜられるよね。
混ぜ方によって辛みや風味が変わってくるので、自分の好みのものが作れるのだ。
ボクは陳皮の代わりにゆずの皮を使ったゆず風味のやつが好みなんだよね。

それにしても、洋の東西を問わず、辛みだけじゃなくて風味付けもかねて唐辛子とほかの香辛料をあらかじめ混ぜたものが素材しているというのはなかなかおもしろいのだ。
日本の七味はあくまでも薬味だけど、米国のチリパウダーは料理全体の味を決めるような感じで使うところが少し違うけどね。

0 件のコメント: